BitCoinが急騰の理由?日本の暗号資産の環境が心配です(3月10日号)

暗号資産市場を巡る動向をお伝えします。

バイデン氏、暗号資産に関する大統領令に署名へ

Bloombergの記事 によると、今週、バイデン米大統領は、暗号資産に関する米政府戦略の骨子を示す大統領令に署名する方針です。

アメリカ財務省が⁉︎

昨日3月9日の午前(日本時間)BitCoinが急上昇しました。

これは、大統領令に関するイエレン財務長官の声明文を、米財務省がフライングで公開してしまったことによります。

声明文では、大統領令に暗号通貨に対する過度な規制が含まれる様子はなく、「暗号通貨に関する大統領令は、米国の政策を省庁間で調整しながら“責任あるイノベーション”を支援することになる」と述べています。

これを好感して、フライング声明文が出るやBitCoinは8%以上急騰しました。

アメリカ財務省のフライングは、結果からすると、なんか安心感を覚えました(笑)。規制が厳しすぎれば、誰も暗号通貨の未来の開発に従事しなくなるからです。

日本の暗号資産の規制が心配です

それに対し、日本の暗号資産に対する規制が心配です。

日本の金融庁が金融商品取引法の規定に基づき認定している業界団体が2団体あります。

①「一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA - Japan Virtual and Crypto assets Exchange Association)」

会長/蓮尾聡(コインチェック(株)代表取締役)

②「一般社団法人日本STO協会(Japan Security Token Offering Association) 」

会長/北尾吉孝(株式会社SBI証券代表取締役会長)

何が心配?

まずは、日本暗号資産取引業協会が定めるトラベルルールについてです。 

トラベルルールとは、「利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルールです。

来月4月1日から、導入される訳ですが、ルールの内容は「移転関連情報の申告」と「移転関連情報の通知」に分類されます。

「移転関連情報の申告」

「移転関連情報の申告」は、ユーザーが暗号資産の送付を暗号資産取引所に依頼する場合に、送付先の暗号資産取引所が一定の事項について申告を求める義務のことを指します。

項目としては‥‥

①受取人の氏名。(誰に送るの?)

②暗号資産の受取側の暗号資産交換業者の有無。

③受取側の暗号資産交換業者がある場合は、その名称。(どこに送るの?)

「移転関連情報の通知」

特定の条件に該当するユーザーに関する情報を、送付側の暗号資産取引所から受取側の暗号資産交換業者に通知する義務のことを指します。
特定の条件とは、

(a)受取人が送付を依頼する利用者と同一の場合

(b)国内の暗号資産交換業者が受取側の暗号資産交換業者の場合

(c)送付する暗号資産がBitCoinまたはEthereumの場合

(d)送付する暗号資産の邦貨換算額が10万円を超える額である場合

通知される項目

①送付依頼人としての利用者自身の氏名、住所または顧客識別番号

②送付元の暗号資産アドレス

③受取人としての利用者自身の氏名および送付先暗号資産アドレス

JVCEAは、トラベルルールの適用は段階的に進めるとしていて、受取人の住所に関する情報及び取引目的などに関する情報の取得義務は、2022年10月1日から発生する予定だということです。

協会内の自主規制ですので、海外の取引所はこれに従う訳はありませんが、こんな規制が加えられたら、自由な開発競争の足枷になってしまいます。世界から、落ちこぼれていくのが心配です。

このトラベルルールでは、間に個人所有のハードウォレットなどを挟めば回避は可能でしょうが‥‥。

将来的にさらに規制が厳しくなるとすると、世界と日本の暗号資産の市場価格について、乖離するのが心配です。

さらに、心配?

先駆者だった日本で暗号資産の普及が進まない理由が明らかに ‥‥

暗号資産の新規上場案件や海外で取引されているトークンの国内審査などを司る一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の審査が一向に進まず、昨年の10月末時点で、審査案件が82件も滞留していることが分かったという内容です。

金融庁の暗号資産交換業者に登録する取引所 は、現在30社ありますが、世界的に信用力のある暗号資産の分析会社CoinGeckoの時価総額ランキングのトップ10位のうち、日本の交換業者で取引できないコインは4銘柄あり、トップ20位に枠を広げれば、半数以上の11銘柄に上っているということです。

昨年8月に日本でオープンした米資本のコインベースは、グローバルマーケットでは150銘柄を超える暗号資産を取り扱っているのに、コインベースジャパンでは、わずか5銘柄にとどまっています。

国内の取引所で扱われない暗号資産について、投資家は海外の取引所を利用するしかなく、暗号資産取引について定められた日本の法令(資金決済法)外の取引になるばかりか、日本円の流出につながります。

金融庁と、JVCEA、JVCEA会員それぞれの温度差、距離感が露呈し、金融庁はJVCEAに対し、怒り心頭という表現を使うくらい「大変厳しい指摘」をしていたことも、今回、明らかとなりました。

おわりに

今回は、ここまでです。

今日は、米国の2月の消費者物価指数の発表がありますね。

ウクライナ情勢も含め、株式市場も下落の中、暗号通貨市場の反応に注目しましょう。