BitCoinを中心とする暗号資産市場の上昇時に何が起きていたか?を検証(5月29日号)

先回は、昨年11月から下降トレンドになっているBitCoinについて書きました。

今回も、BitCoinを中心に、先回とは逆に、過去上昇トレンドの時に何が起きていたかを分析、また、今後の成長についての予測について、書いていきたいと思います。

要因1、バブル状態による高騰

1-①

暗号資産元年の2017年、BitCoinをはじめとする暗号資産は、投資家の間で加熱し、暗号資産市場全体がバブル状態となりました。

2017年ごろから、多くの企業や事業プロジェクトが、独自トークンなど暗号資産を発行、販売して資金を調達するICO(Initial Coin Offering)が大きなブームとなり、BitCoin以外のアルトコインが急増し、市場が一気に成長しました。

日本では、2017年4月に、改正資金決済法(通称:仮想通貨法)により、取引所が金融庁への登録制となり、本人確認や顧客への取引の説明・リスク周知など、ユーザーの裾野が広がったことは、暗号資産保有者の拡大を促進しました。
BitCoinは、一年間に10万円から240万円に大幅に高騰し、また、多くの暗号通貨が著しく値上がりしたことで、2017年は、「暗号資産元年」とも言われています。

要因2、暗号資産市場に端を発する高騰

2-①

2017年8月にBitCoinのハードフォーク(※1)が発生し、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュが(BCH)の分岐が成功しBitCoinの価格上昇につながりました。

2-②

暗号資産のデリバティブ(先物)商品を開発する米Ledgerに対し、米商品先物取引委員会(CFTC)が暗号資産の先物業者として認可。これに対して、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、2017年12月からBitCoinの先物の取り扱いを開始しました。

これを受け、日本でもナスダックや東京金融取引所でBitCoin先物取引を始めることを検討するようになったと発表され、BitCoinの価格上昇となりました。

2-③

2019年に入ると、BitCoinのジェネシスブロック(最初のブロック)が生成されてから、ちょうど10周年の節目という事由で、再び暗号資産市場が活性化。また、アルトコインの成長もあり、2019年前半は再び上昇。(※)

(※)BitCoinとアルトコインのドミナンス(支配率)

2-④

2020年5月12日、BitCoinの3度目の半減期(※)を迎え、BitCoinの半減期にはBitCoin価格の大幅な高騰と相関関係があり、コロナの暴落を乗り越えて、1BTC=100万くらいまで回復。

(※)BitCoinの発行枚数は上限が21,000,000枚と決まっています。これは、ビットコインが市場に出回りすぎて希少性が下がり、価値も下がってしまうことを防ぐためです。そのため、一定のペースでこの上限に到達するよう、インフレ率(新規発行枚数)がプログラムで定められており、定期的に新規発行枚数が減少します。これが、半減期です。
4年に1度のペースでこの半減期が予定されており、2020年の5月に3度目の半減期を迎え、マイナーが獲得する報酬が「12.5BTC」から「6.25BTC」へ半減しました。
ちなみにこの4年に1度というペースですが、4年という期間で定められているわけではなく、正確には、BitCoinのブロックチェーンにおいて21万ブロックが生成されるごとに半減期が訪れます。1ブロックが生成されるのに約10分かかるため、10分x21万ブロックで約4年となり、2140年まで続く予定です。

2-⑤

2018年頃から始まった、DeFi(分散型金融)のブームは、2020年に入ると、一気に拡大。また、ブロックチェーンゲームやNFT(Non-Fungible Token)の台頭が、市場を大きく牽引。

2-⑥

2021年2月、カナダとブラジルでBitCoin現物ETFが上場。また、10月には、米大手の資産運用会社プロシェアーズ(ProShares)のビットコイン先物ETFがニューヨーク取引所Arcaに上場、取引開始。

2-⑦

2021年の11月に、BitCoinのアップデートであるTaproot(タップルート)を実装。(※)(ブロックチェーン全体に伝播するには数年かかる見込み)

(※)BitCoinでは、ブロックチェーンの仕様を変えず、2017年にSegwit(セグウィット= ブロックに入れるトランザクション(取引履歴)のフォーマットを整理し、より多くのデータをブロックに入れることを可能にする技術)が導入され、2021年の11月にTaproot(タップルート=ビットコインの決済速度の向上、プライバシーの向上)が、90%以上の賛成表明で実装されたように、話し合いの末にアップグレードが行われています。

要因3、著名人の発言による影響

3-①

2021年1月29日、米電気自動車のテスラ社CEOのイーロンマスク氏が、ツイッターのプロフィールを「#BitCoin」に変更。価格は、330万から420万にまで上昇。2月4日には、「Doge」(Dogeコイン)とツイート。Dogeコインも、前日比60%高に。

3-②

2021年2月8日、イーロンマスク氏が、テスラ社がBitCoinに15億$(約1600億円)投資したと、発表。BitCoinは、500万円台へと急上昇。

3-③

イーロンマスク氏が、Twitterで「BitCoinでテスラが買える」とツイート。600万円台を更新。

今後の市場活性化の可能性を探る

国や企業による暗号通貨採用

エルサルバドル、南アフリカ共和国に続いて、法定通貨としてBitCoinを採用する国が、増えることで、市場は活性化。

また、企業、例えば、米国のStarbucksが仮想通貨決済プラットフォームBakktを通じてBitCoin決済を採用を決定しているように、利用が普及、参加企業が増えることで、市場の活性化につながります。

メディアによる好影響

著名人の発言や、メディア発信のニュースによる好影響によって、上昇した歴史があります。

BitCoin半減期による影響

次の半減期は、2024年3月の予定ですが、暗号資産業界では、ビットコインの価格は半減期前後に上昇しやすいという説があります。よく言われるのが、「半減期を過ぎるとマイニングによって得られるBitCoinの数量が半分に減るので、マイナーによって売却される数量が減るため」というものです。過去3回の半減期前後に価格が上昇しているというのは事実です。

米国SECのBitCoin現物ETF承認

米国での、BitCoinの現物ETF承認が実現すると、世界のアセット市場で回っているお金は、約1京円が暗号資産市場に流入してくると予測されます。
1京円というと、中々イメージしにくいですが、それは、一万兆円です。その1/10が流れてきただけでも、1000兆円です。

現在の暗号資産の時価総額が160兆円規模ですので、市場の拡充、活性化に大きな期待ができます。(※)

ETFについては、こちら
(※)暗号資産市場の時価総額の推移