BitCoin現物ETFに追い風?一方で、世界金融市場の影響下、暗号資産市場も緊張感が(6月13日号)

先週の、動向からです。

PayPalがNY州、ビットライセンス取得

オンライン決済サービスの米ペイパルホールディングスは、ニューヨーク州の暗号資産業者向け認可制度「ビットライセンス」を取得しました。特定の暗号資産を対象に、他のユーザーや取引所、外部電子財布(ウォレット)との振替えを可能にする、新たなサービスを提供することになります。

対象暗号資産は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)とされています。

PayPalは、昨年の4月に、PayPalのアプリ「Venmo」 を利用して、上記4通貨の売買と保有のサービスを開始しました。(利用者は、米国の電話番号、銀行口座登録が必要のため、ユーザーは米国籍のみに限られます)

今回の、ライセンスに関しても、米国ユーザーのみへのサービスとなりますが、暗号資産ホルダーの増加に繋がる明るいニュースです。

BitCoin現物ETFへの大きな布石!

こちらも、暗号資産市場において、明るいニュースです。

米有力マーケットメーカーが暗号資産取引提供へ−証券大手と手を組む

米マーケットメーカーのシタデル・セキュリティーズとバーチュ・ファイナンシャル が、リテール(※)顧客に証券サービスを提供するフィデリティ・インベストメンツは、手を組み、暗号資産の取引プラットフォーム(取引所)を構築するというものです。

BitCoin現物ETFへの大きな布石といえる記事です。

(※)リテール(retail)は、個人に向けて販売するという意味。 個人客や中小企業を対象とした小売や小口取引の総称として使われ、「卸売」を意味する「ホールセール(wholesale)」と対をなす言葉。 金融機関における「リテール業務」とは一般個人や中小企業などの小口客を個別に扱う業務を指し、大企業や自治体・政府など大口取引を扱う業務は「ホールセール業務」と呼ばれる。

どうして、現物ETFへの大きな布石⁉︎

なぜBitCoin現物ETFへの大きな布石、暗号資産市場にとって明るいニュースなのか‥‥

その前に、現状をおさらいすると、暗号資産市場は、昨年11月頃からさまざまな要因で、下落トレンドとなっています。

2021年11月に、コロナのオミクロン株発生に伴う株式、為替市場の急落。

2021年の年末から2022年の年明けに向けて、米国が金融引き締めを急ぐことを表明し、株式市場が下落。

2021年の年末から2022年の年明けに向けて、米国が金融引き締めを急ぐことを表明し、株式市場が下落。米国FRBのさらなる金融引き締め、利上げによるドル高。

そして、直接的原因ではありませんが、下落トレンドを加速させるもう一つの要因があります。それは‥‥

昨年10月ニューヨークのArcaで「BitCoin先物ETF」の承認、取引が開始されました。

BitCoin先物ETFが承認されるまでは、BitCoin現物の「買い」から入る取引が主流でしたが、BitCoin先物ETFという「上場投資信託」商品が承認されたことにより、証券会社を通じて「売り」(現物に対するヘッジとしての利用)から入ることもできる取引が増えたことにより、売り需要が増え、下落トレンドを助長しています。

今回の、ニュースのシタデル・セキュリティーズとバーチュ・ファイナンシャルは、いずれもETFで名を馳せる大手マーケットメーカーです。

その2社と、リテール顧客に証券サービスを提供するフィデリティ・インベストメンツおよびチャールズ・シュワブが手を組んで暗号通貨取引プラットフォーム(取引所)を開設するということは、一般トレーダー(大衆)のBitCoin取引が増え、SEC(米国証券取引委員会:U.S. Securities and Exchange Commission)の現物ETF承認を促す、期待させる大きなニュースです。(「BitCoin現物ETF」承認の多くの予想は、来年以降です)

ここからは、まだまだ先行き不透明な情報になります。

ECB、7月利上げを表明

欧州中央銀行(ECB)が、7月に0.25ポイントの利上げを実施すると表明 。9月に、さらに0.5ポイント引き上げる可能性も示唆しました。

ドル売り、ユーロ買いの方向性が注視されましたが、結局、金利の高いドルがさらに進み、円安だけが浮き彫りになっています。日本での為替に対する日本財務相の発言も、日米協調介入(ドルを売って円を買う)には程遠い、「為替の急速な変動は望ましくない」「緊張感を持って注視する」といった物言いにとどまり、日本銀行の黒田東彦総裁においても、現在の強力な金融緩和を粘り強く継続する方針を繰り返し強調している状況です。

米ドルが強くなることで、暗号資産市場の相場は、ますます軟調となっています。

米CPI、前年比8.6%上昇に加速

インフレ状況を把握する上で多くの国で一般的に採用されている経済指標の1つ、米の消費者物価指数(CPI)の発表が6月10日にありました。

対コロナの金融緩和により、米国のCPIは高い伸び率を記録していますが、前年同月比の伸び率が40年ぶりの大きさをまたも更新しました。

この発表では、総合CPIの発表ですが、実態は、もっと深刻な様です。ロシア産原油や天然ガス、ウクライナ産の小麦が世界のインフレをさらに押し上げ、食品は前年比11.9%上昇。電気代は12%上昇。家賃は5.2%上昇というように、消費者の生活は強く圧迫されている内容です。

そして、心配なニュースも。

SECがBinanceを調査

Binance(バイナンス)は、Bitcoinおよびアルトコインの世界最大の取引量を持つ取引所です。

BNBとは、Binanceの「BNBチェーン」のエコシステム(生態系)を支える暗号通貨で、現在、暗号資産総合ランキング5位のコインです。

そのBNBについて、米証券取引委員会(SEC)が、5年前の「BNB公開」で証券取引の規則に違反していないか調査を開始する、というニュースです。
2017年、ICO(イニシャル コイン オファリング)でローンチ(公開)されたBNBが、未登録証券販売に該当し、証券法違反に当たる可能性があるという主張です。

SECは、2020年の12月に、Ripple(リップル)社とCEO、共同創設者に対し、 「2013年から7年間に渡り、有価証券登録を行っていない暗号資産「Ripple(XRP )」を販売し、1300億円を超える資金を調達した」と提訴していて、裁判は現在も係争中です。

SEC側は、Ripple社に対してXRPは、連邦証券法上の「通貨」に該当するものではなく、「投資契約=証券」とみなされる可能性があるという主張を展開しています。

SECは2018年にも、Paragon社、Airfox社に対して制裁金を科していて、厳しい姿勢で臨むという、SECの姿勢を浮き彫りにしています。今回の、BNBに対する調査後、同様の提訴に発展する可能性があります。

本ブログを書いている昨日から本日、BitCoinをはじめとする暗号資産のマーケットが大きく下落しました。

おわりに

暗号資産「冬の時代」再来と言われ始めていますが、大きくジャンプする前には、必ず小さく屈むものだと思います。

今回はここまでです。