私たちに必要な「お金」について‥‥投資は必須シリーズ⑦暗号資産編-3(9月7日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
FIRE、投資は必須‥‥暗号資産編の第3弾です。
先回まで、暗号資産の投資・運用する方法として、現物取引、先物取引、FX、オプション取引を書きましたが、今回は、「ステーキング(Staking)」についてです。
ステーキングとは、特定の暗号資産を保有しながら、一定期間自由に動かせない(ロックアップ)状態にして、パブリックブロックチェーンのネットワークに参加し、ブロックに追加するデータの検証や承認などで、ネットワークの維持に関わる見返りとして、対価として継続的に報酬を得る仕組みです。
ステーキングが可能な特定の暗号資産とは、「コンセンサスアルゴリズム」という取引を承認する際の合意方法のうち、
「PoS(プルーフオブステーク)」を採用している暗号資産になります。
ビットコイン(BTC)をはじめとする、「PoW(プルーフ オブ ワーク)」のコンセンサスアルゴリズムを採用している暗号資産については、ステーキングはできません。
PoWとPoSおさらい
PoW(プルーフオブワーク)
PoWは、ビットコイン(BTC)を始めとする暗号資産に採用されていて、ブロックチェーンのブロックデータ
取引データひとつ前のブロックのハッシュ値(※1)ナンス値(※2)
から、次のブロックに引き継ぐための適切なハッシュ値が得られるように、ナンス値を探す作業で、マイニングと言います。
24時間フル稼働するスーパーコンピュータ「ノード(※3)」やコンピュータの放熱のための初期投資やマイニングのための大量の電気代が必要となり、CO2排出問題等の環境の問題が指摘されています。
また、設備投資や、人件費等が必要となるため大きな資本がないと参入が難しい産業となっています。(電気代が安くて、人件費の安い条件の方が有利です)
(※1)ハッシュ値とは、ハッシュ関数によって、入力データに対して特定のルールに従い得られる適当な数値のこと。
(※2)ナンス値とは、「Number used once」の略で、ブロックチェーン上でマイナーが新しいブロックを追加する際に、生成する32ビットの数値。
(※3)ノードとは、情報通信ネットワークの「点」の意味で、コンピュータなどのこと。

PoS(プルーフオブステーク)
PoSは、カルダノエイダやイーサリアム(ETH)2.0などの暗号資産で採用されていて、暗号資産を多く、長く保有していてネットワークの条件を満たす人(ノード)に対して、取引履歴の検証、承認の作業を振り分けられます。
暗号資産を大量保有し、条件(暗号資産により異なる)を満たすノードをバリデータと言い、PoWのマイナーに匹敵します。
バリデーターの暗号資産の保有条件を満たさない場合、バリデータへ委任(デリゲート)する、デリゲータとして、参加することもできますが、バリデータに比べ、報酬が少ないのが特徴です。(暗号資産によって、運営が異なります。)
PoWのマイニングに比べ、高性能なコンピューターといった初期投資や、電気代、人件費は、少なくて済みますが、ブロックチェーンの検証作業を昼夜行うための高性能なパソコン(ノード)等は必要です。
もし停電などでノードがダウンしてネットワークに支障をきたすと、ペナルティもあります。
取引履歴の検証、承認作業を進めることで、スマートコントラクト(自動契約)によって、成功報酬がバリデーターに付与されます。
バリデーターとしての登録には、例えばイーサリアム(ETH)2.0の場合、32ETH(現在価格670万円)という、多くの暗号資産が必要であり、取引履歴の検証・承認に対応する高性能パソコン等を用意して、バリデータノードを立ち上げ、ステーキング事業に参加するのは、それなりにハードルが高いですね。

「PoS」以外にも、暗号資産のEOS (イオス)や、LSK(リスク)等で採用されている「PoS」の発展型、「DPos(デリケイテッド プルーフ オブ ステーク)」などもありますが、これは、取引を承認する人(デリゲータ)をあらかじめ投票で決める仕組みです。
ブロックチェーンの仕組みについては、クリプトスタディ(クリスタ)のセミナーや会員限定コンテンツでより詳しく解説しています。
さて、本題です。
暗号資産を一定の期間担保(ロック)するステーキングについて、ステーキングは取引所を経由せずに個人で実施することが可能ですが、一般的には自身がバリデータのノードを立ち上げて管理・維持することは簡単なことではありません。
では、どうやって、ステーキングサービスに参加するのかについて、触れていきましょう。
ステーキング(Staking)参加方法
中央集権型取引所(Centralized Exchange:Cex)で、ステーキングに参加する
中央集権型取引所とは、特定の企業が管理している取引所であり、ウォレットを取引所上に作成し、秘密鍵もその会社が管理している取引所のことを言います。その、暗号資産取引所が提供するステーキングサービスを利用する方法です。
現在、日本国内の取引所で、ステーキングサービスを提供しているのは、GMOコイン、オーケーコイン・ジャパン、クラーケン・ジャパン等があります。(取り扱い暗号資産の銘柄は、限定されます)
bitFlyerやCoincheckなどでもステーキングサービスを実施していましたが、今は中止しています。
海外では、Binance(バイナンス)、Bybit(バイビット)等の取引所で実施しています。
投資家が、自らPoSの検証・承認作業をしなくていい
実際に投資家自らバリデータノードを立ち上げ、PoSの検証・承認作業をするのではなく、ステーキングサービスを実施している暗号資産取引所が投資家に代わって保有している暗号資産を提供し、ステーキングに必要な処理を行ってくれます。
そのため、投資家は、暗号資産取引所にアカウント登録するだけで、簡単にステーキングに参加できます。
中央集権型取引所のステーキングサービスのメリット
利便性が高い
秘密鍵の管理やステーキングのプロセス等、必要な手続きは、取引所のガイドに従うだけなので、取引所に暗号資産を預けるのが最も簡単な方法です。
暗号資産をローリスクで運用できる
暗号資産の売買で稼ぎ続けるためには、多少の損失にも耐えられるメンタルが求められます。
一方、ステーキングであれば、暗号資産を持っているだけで対価を受け取れ、忙しい人でも、損切りできない人でも、安定して資産を増やせる機会が得られ、保有しているだけで報酬が得られます。
利率が高い
国内のメガバンクの定期預金年利は、0.002%程度で、100万円預けて20円といった薄利です。(税引き後16円)
それに比べ、日本国内の取引所でステーキングできる暗号資産の推定利率は、1.88%~4.5%(2022年6月13日現在)で、仮に3%としても銀行定期預金の1500倍の年利になります。
売却や送金が自由にできる
国内の取引所の場合、ステーキングが可能な暗号資産に投資しても、とくに取引が制限(ロックアップ)されるわけではありません。ステーキング報酬を受け取りつつ、好きなタイミングで自由に売却したり送金したりできます。ただし、ステーキングは、中止されます。(取引所によって、異なります)
PoS以外の暗号資産も
例えば、Bybitのステーキングサービスでは、ビットコイン(BTC)のステーキングサービスもあります。(2022/9/7現在)
中央集権型取引所のステーキングサービスのデメリット・リスク
ステーキング中は暗号資産を動かせない
国内の取引所の場合、ステーキングを中止すれば、自由に暗号資産の売却や送金ができますが、例えば、海外取引所のBinance(バイナンス)の場合、定期ステーキングというサービスがありますが、定期ステーキングでは、15日・30日・60日など一定期間は暗号資産がロックされます。
また、同じく海外のBybit(バイビット)でも、30日・60日と暗号資産がロックされるので、ロック期間中に暗号資産が下落するリスクがあります。
ステーキング可能な通貨が限られている
取引所によって、ステーキングできる暗号資産の銘柄が決まっているため、種類も少ない取引所では、自分が選びたい暗号資産が選べません。
暗号資産の価格が下落する可能性がある
ステーキング報酬を目的に投資したとしても、暗号資産そのものが値下がりし、ステーキング報酬ではカバーしきれないほどの損失が発生するリスクがあります。
銀行預金などと違い、元本が大きく変動するリスクがあることは頭に入れておくべきでしょう。
短期的な利益を狙いにくい
ステーキングは、コツコツとインカムゲインを積み上げていく投資手法です。
短期的に大きなリターンを狙いたい場合、ステーキングによるインカムゲインより、売買によるキャピタルゲインを狙った方がいい場合もあります。
カウンターパーティリスクがある
中央集権型取引所のステーキングサービスを利用する場合、取引所の破綻や、ハッキング等による損害は、特に海外取引所を利用する場合、契約が履行されない「カウンターパーティリスク」が伴うことを理解する必要があります。
ステーキングをする際は、信用性の高い取引所を選びましょう。
おわりに
今回は、
ステーキング(PoS)の特性について中央集権型の取引所を利用したステーキングのメリット/デメリット・リスク
についてでした。
いよいよ、今月、イーサリアム(ETH)の大型アップデート「The Merge(マージ)」が完了予定ですね。
暗号資産市場の相場を牽引するくらいの大きなインパクトを与える大イベントです。注目しましょう。
今月の、クリプトスタディ(クリスタ)のセミナー内容も、「イーサリアム(ETH)のアップデートについて」を中心に開催しています。
続きは、次回です。