BitCoinの暴落。今後の暗号資産市場に大注目(5月11日号)

日本時間、5月5日の午前3時、FOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)の金融政策の発表とパウエル議長の記者会見がありました。
FOMCとは、米国の金融政策を決定する会合のことで、日本の「日銀金融政策決定会合」に当たるものです。
年に8回開催され、現在の景況判断と政策金利(FF金利※)の上げ下げなどの方針が発表されるわけですが、今回の内容は、政策金利を22年ぶりの0.5%の大幅引き上げとする発表でした。
FOMCの声明・議長会見直後、為替市場はドル全面安(円も1ドル128円台まで円高)の様相となりましたが、FOMCに大きなサプライズがなかったのか‥‥、その流れは続かず、5日の夜にかけて、ドル全面高へとぶり返しました。
(※)FF金利とは、フェデラル・ファンド・レート(Federal Funds Rate)と呼ばれる米国の民間銀行が資金を融通し合う際に適用される短期金利のことで、米国の中央銀行に当たるFRB(米連邦準備制度理事会)が行う金融政策の誘導目標金利で、FOMC(米連邦公開市場委員会)にて決定します。
米雇用統計
さらに、翌日の5月6日、米国の雇用統計が発表されました。内容的には、米国の雇用者数は4月も力強いペースで増加したが、賃金の伸びは鈍化傾向になっている、というものでした。
これにより、FOMCの発表後の市場への見方は、大きく変わったようで、反落に一転し、主要株式指数も大幅に下落し、暗号資産市場も連れ安となりました。
BitCoin相場大暴落‥‥
そんな中、BitCoinの相場ですが、470万円付近で下げ止まりを見せていました が、5月9日には、400万円付近まで大暴落(10%以上の下落)してしまいました。
要因については、Bloomberg誌でも取り上げられています が、暗号資産市場で特に注目すべきなのは、その見出しにある「Do kwon(ド・クウォン)氏のUST(TerraUSD)下落」です。
(UST(TerraUSD)については、こちら )
本来、1USTは1USDにペッグ(固定)されていなくてはなりませんが、USTが準備資産とするBitCoinの相場の下落でUSTの信用は薄れ、下落につながり、さらに、大きく下落した後、0.92ドルまでしか戻らなかったことで、BitCoin相場の下落を助長しました。

イーサリアムワールドニュース に、面白い記事があります。要約しますと‥‥
TRON創設者ジャスティン・サン氏のツイート
UST(TerraUSD)が、1ドルから旧下落した時期、TRON創設者Justin Sun(ジャスティン・サン)氏は、「100万ドル(1.3億)相当の、USTを購入した」と表明しました。
UST(TerraUSD)の創設者ド・クウォン氏は、ジャスティン・サン氏に、「何の計画?」と尋ねます。
ジャスティンサン氏は、「私は秘密の計画を持っているかもしれない」と答えました。

TRONの創設者ジャスティン・サン氏は、TRON(TRX)ベースの分散型ステーブルコイン「USDD(Decentralized USD)」を5月5日にローンチ(公開)しています。
同じステーブルコインUST(TerraUSD)のペッグが外れている状況に対して、エールを送ったのかもしれませんね。
UST(TerraUSD)の下落に伴い、その準備資産LUNA(Terra)も暴落となっています。

TerraUSD(UST)に関連するLUNAの「デス・スパイラル」は日本時間5月8日に始まりました。
少数の大口投資家がTerraネットワークのレンディングプロトコル「Anchor Protocol」から大量のUST(約650億円)を引き出すと、暗号資産取引所Binanceや分散型取引所Curve(カーブ)でUSTが大量に売却されました。
CurveではUSTの出口流動性が急激に減少しています。
Do kwon(ド・クウォン)氏のLUNA財団は、UST(TerraUSD)の準備資産となるBitCoinを売ることで、UST(TerraUSD)のペッグが外れないよう最大限努力すると表明していますが、UST(TerraUSD)が1ドルにペッグできていない事態は、まるで取り付け騒ぎのように市場に影響が広がり、BitCoin相場の下落の一つの要因となってしまいました。
また、5月9日にLUNAの非営利組織である「Luna Foundation Guard(LFG)」は、USTの1ドル奪回のために15億ドル(約2,000億円)の流動性を調達しましたが、その後もUSTの価格は下がり続けています。
5月10日の9時(日本時間)に暗号資産取引所Binanceで、USTは過去最低値となる0.60ドルまで下落しました。
一方のLUNAは前日比50%安という大暴落となりました。
おわりに
今後の暗号資産相場に目が離せません。
まだ、下落する可能性もありますが、相場は、必ず底をつきます。
最後に、興味深いデータがあります。
BitCoinのロングポジションのチャート(Bitfinex)と現物相場との関係性です。

ロングポジションとはレバレッジ(※)取引において「買い」からポジションを建てることなので、レバレッジをかけてBitCoinを買っていると言うことです。
取引所のBitfinexは、デポジット(入金)の単位が1万ドルという、大口投資家が多いので有名ですが、ロングポジションが右肩上がりになっていると言うのは、大口投資家(鯨)が、買っていると言うことです。
ロングポジションで買われれば買われるほど、BitCoin相場は下落していることがよくわかります。
そして、ロングポジションの建玉がピークを迎えると(昨年の7月のATH(オールタイムハイ)を既に更新)、折り返し、ロングポジションの決済=大口投資家の売り出しとなり、BitCoin相場は、上昇に転じるはずです。
(※)レバレッジとは、「テコの原理」のこと。取引する通貨の総代金は必要とせず、少額でも投資できるため、投資効率を高めるという特徴があります。
例えば、FXではレバレッジ25倍まで可能なので、1ドルが100円の時に証拠金40,000円があれば、10,000ドル(100万円)までの取引が、可能になります。
1ドルが、105円になった場合、利益は50,000円となりますので、40,000円の投資資金で投資資金以上の利益を出すことが可能となります。