暗号資産の歴史的暴落。 ステーブルコインについてまとめてみました(5月17日号)

先週、暗号資産の歴史に残る暴落がありました。  

米財務長官のジャネット・イエレン(Janet Yellen)氏は、UST(TerraUSD)のドルとのペッグ(固定相場制)が外れたことに対する警告を発し、ステーブルコイン関連規制を2022年末までに法制化するべきとの認識を示しました。
ステーブルコインの規制枠組みに言及したことで、暗号資産相場はさらに下落しました。

さて、現在、ステーブルコインのプロジェクトは、世界に80以上ありますが、そのステーブルコインを分類すると、次のような4種類に分けられます。

(※1)ガバナンストークンとは、ネットワーク運用や開発についての方針を、投票、決定する際に用いる、他の暗号資産のブロックチェーン上で動作する暗号資産。
今回の場合、LUNAとはTerra上で発行されているガバナンストークンのことを言います。

DAIについて

当初DAIはイーサリアム(ETH)を担保とする単一担保型のステーブルコインとして発行されていましたが、2019年にイーサリアム(ETH)をはじめ複数の暗号通貨を担保とする複数担保型のステーブルコインになりました。
Daiを生成する際の担保は暗号通貨で、生成する金額に対して最低150%の過剰担保を差し入れます。担保価格が下がり最低担保率を下回ると精算されてしまうため、実際には150%よりも多く担保を差し入れます。
DAI統計
一般のユーザーもMakerDAOのコミュニティが開発を進めるOasis.appで生成できます。Oasis.appはスマートコントラクトで作られた銀行のようなサービスで、資産の保管や運用、借入ができます。
手持ちの暗号通貨を売却することなく、米ドルにペグされたDaiを手に入れることができ、

暴落したUST(TerraUSD)とは?

今回、暗号資産市場暴落に影響を与えたUST(TerraUSD)とLUNA(Terra)ですが、分類では、③の無担保型(アルゴリズム型)に分類されます。

現在(5月16日)も、UST(TerraUSDの価格は、$0.077211で、1ドルからは、90%以上乖離しています。

USTの裏付けとして機能する暗号資産LUNA(Terra)は、10日前の$86から、現在$0.0001681とほぼ消失といえる価値となっています。
また、世界最大の暗号資産取引所Binanceは、LUNA(Terra)の現物取引ぺアのほぼ全てを廃止決定など、影響は広がっています。 

UST(TerraUSD)の発行を行うTerraform Labs社は、裏付け資産として100億ドル以上のビットコインを保有することも発表しており、UST(TerraUSD)の信用回復が、喫緊の課題となると思います。

USDTドルペッグが‥‥

①の法定通貨担保型として、Tether Operations Limited社運営、世界一のシェアを持つUSDTですが、今回の「LUNA事態」を受け、一時ドルペッグが外れ、$0.9455に下げる場面もありました。

また、Tether社は、USDTの裏付け資産について、コマーシャルペーパーの割合を半分に減らしたと公表しました。

コマーシャルペーパーとは、信用力の高い大企業のみが活用できる資金調達方法で、社債と似ていますが、社債が長期調達を目的とするのに対し、短期の資金調達に用いる方法ですが、その保有率を半分にして、裏付け資産の信頼性を高める姿勢を見せたということです。

USDTのTether社、過去には‥‥

USDTのTether Operations Limited社ですが、2019年に、不正融資疑惑やテザー(USDT)が法定通貨での裏付けがないことで訴えられいます。

2021年に、ニューヨーク司法当局(NYAG) や米商品先物取引委員会(CFTC)と和解に至っています。

現在は、USDTの裏付け資産に関する情報を四半期ごとに公開(昨年の公開資料から)することで、USDT発行の透明性を高めるための情報開示を行っています。

今月末には、新たな報告の予定ですが、USDTの裏付け資産の安定性、透明性が高まれば、信用性も担保されます。