ブロックチェーンのトリレンマとは/くりぷと知っ得情報1月17日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

日本時間で1月11日、BTC(ビットコイン)の現物ETF承認が、いよいよ現実となりましたね。

2013年にウィンクルボス兄弟のビットコイントラストの設立申請から、10年越しで実現したビットコインETF。

暗号資産市場が拡大、暗号通貨が広い普及に向けて歩み出したという点で、総じて良かったと思います。

さて、今回からは、ブロックチェーンのトリレンマについて書いていこうと思います。

ブロックチェーンのトリレンマとは?

ブロックチェーンのトリレンマは、ブロックチェーンの抱えている課題で、イーサリアムの考案者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提唱したとされています。

ブロックチェーンが誕生した2009年から10年以上経過した2021年12月現在でも、未だ完全な解決策が見つかっていない課題です。

トリレンマとは、3つの中から2つを取ると残り1つを諦めなければならない、3つ同時に取ることはできないという状況(苦悩)のことです。(※)

ブテリン氏が唱える3つの要素とは、「分散性 (Decentralization:ディセントラリゼーション)」、「安全性(Security:セキュリティ)」、「拡張性 (Scalability):スケーラビリティ)」のどれか2つを取ると、残り1つを諦めなければならないということです。

(※)2つの選択肢のどちらも選べない状態を示す状態を、「ジレンマ(dilemma)」と言います。

ブロックチェーンの優先順位

ブロックチェーンの場合、優先順位の二つは明確です。

分散制と安全性を絶対に優先させなければならないからです。

分散性 (Decentralization)と安全性(Security)

多くの参加者がいて、その参加者が送金データについての承認権限を持っている状態、一部の参加者にその権限が偏っていない状態が、分散性がある状態です。

ブロックチェーンの基本を思い出してみましょう。

P2P

P2Pとは「Peer to Peer:ピアツーピア」(※)の略称のことで、サーバーを介さずに端末(PC、スマホなど)同士で直接ファイルのやり取りを行う通信方式ですが、中央サーバーを介さず、複数のコンピュータでデータを分散させることで、ネットワークのダウンが起きたり、ハッカーによる攻撃が起きても、リスクも分散化され安全性を担保します。

(※)Peerには、「(地位・能力などが)同等の人、同僚、仲間」などの意味があり、ネットワークに接続している端末のことを、“ピア”もしくは“ノード”と言います。

ハッシュ関数

ブロックという単位に格納されているトランザクション(取引履歴)は、オープン化され、誰でも確認できるようになっています。

しかし、その取引データは、ハッシュ関数という外部から判読できないようにするために生成される、一定の文字数による不規則な文字列で記録されます。

外観上は一種の暗号のようなこの文字列はハッシュ値と呼ばれています。

ビットコインのハッシュ値は、SHA256という企画で、生成しています。

ハッシュ値生成ツール

暗号技術

ブロックチェーンの安全性として、公開鍵と秘密鍵と言った暗号技術が挙げられます。

暗号通貨を受け取る際は、公開鍵を使って生成した公開鍵のウォレットアドレスというものを送り主に教えます。

公開鍵のウォレットアドレスは、銀行の口座番号のようなものです。

一方、暗号通貨を送金するときには、秘密鍵(※)のウォレットアドレスを生成して、それをパスワードのように使用します。

(※)秘密鍵は、再発行できません。
紛失してしまうと、その暗号通貨は永遠に使用できなっくなってしまい、自己責任になります。また、秘密鍵を他人に知られてしまうと、勝手に送金されてしまいます。

PoW(プルーフオブワーク)

例えば、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるコンセンサス(同意)アルゴリズムが導入されていることがあります。

ビットコイン(BTC)の場合、ブロックチェーンへブロックを追加するためには、非常に難解な計算問題を解く必要があります。

この作業に最初に成功した人に、報酬としてビットコインが与えられる仕組みになっていますが、この作業のことを、マイニングと言います。

いち早くマイニングに成功するためには、膨大な計算作業を高速に行うことができる高性能なコンピューターの導入が必要で、今では個人がビットコインのマイニングで成功することは難しい状況です。

安全性の面で言うと、1つのブロックを改ざんしようとした場合、その後のブロックも改ざんする必要があるため、不正するには多くの手間と時間を要します。

これにより、ビットコインのブロックチェーンは非常に改ざん困難な仕組みとなっていて、安全性を担保しています。

課題はスケーラビリティ

ブロックチェーンが分散性と安全性を優先することで、課題となっているのが、「拡張性 (スケーラビリィ:Scalability)」です。

そうです。

安全性と分散性を優先することで、膨大なデータ量を処理するのに時間がかかる、データを処理しきれないことを、スケーラビリティ問題と言います。

多くの人が承認作業に関わるために、一定の承認時間を設けているというルールや、データを入れるブロックの容量をあえて制限することで、問題なく稼働するセキュリティ体制が敷かれているような設定になっているので、このような問題が起きてしまいます。

トリレンンマを解決する技術「レイヤー2」

今回書いたブロックチェーンのトリレンマを解決する技術として、注目されるのが「レイヤー2(セカンド)」と呼ばれる技術です。

おわりに

今回は、ここまでです。

レイヤー2について、次の機会に書いていこうと思います。

お読みいただいてありがとうございました。