注目されるRWA①くりぷと知っ得情報2月26日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
今回からは、RWAについて書いていこうと思います。
RWAは、Real World Assets(リアル ワールド アセット)の略で、「現実世界の資産」という意味になります。

現実世界の資産=RWA

ここでいう「現実世界の資産」とは、株式・不動産・金・国債などの金融資産になります。

RWAは、「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化(※)する技術・概念のことになります。

💡現実の資産をデジタル化し、ブロックチェーンで管理&取引できるようにする

(※)トークンとは、ブロックチェーン上で発行されるデジタル資産で、ブロックチェーン上の「デジタルのお金や証明書」になります。(例/USDT、LINK、NFT‥‥)

RWAが生まれた歴史

今回は、RWAが誕生した背景(歴史)についてまとめていきたいと思います。
RWA(Real World Assets)という考え方は、ブロックチェーン技術の発展とともに進化してきた概念になります。
特に注目され始めたのは2020年頃になりますが、その歴史はビットコインの誕生が大きな時代の変革をもたらした時期に遡ります。

RWAの起源

ビットコイン誕生(2009年)

今日では、「デジタルゴールド」として価値の保存手段の不動の地位を築いたビットコイン(BTC)は、2009年から今日まで、プログラム停止することなく自立分散して稼働しています。
その技術=「ブロックチェーン技術を金融資産に応用しよう」というのが、RWA概念の起源になります。

ビットコイン(BTC)誕生の時代背景について、こちら

カラーコイン:Colored coinのアイデア(2013年)

カラーコイン(Colored Coins)は、ビットコイン(BTC)のブロックチェーン上で、特定の資産(不動産・株・ポイントなど)を表現するための技術に発展できないかという発想でした。

ビットコインは本来「通貨」として使われるものだけど、カラーコインを使うことで、ビットコイン(BTC)の一部を「特別な意味を持つトークン」として扱えるようにしよう!

という仕組みとして注目されました。

特定のBTCに”色をつける”

カラーコイン(Colored Coins)は、通常のビットコインと区別するために、特定のBTCに「特別なタグ(色)」をつけるイメージです。
例えば、0.001BTC=1株のアップル株(AAPL)というルールを決めることで、ビットコインの一部を株式として扱えるようにする設計です。
カラーコインは、こんな感じで ビットコインの一部に「特別な意味」をつける技術として生まれました。

ビットコインの取引データ(トランザクション)に、「このコインは○○の資産を表す」という情報を埋め込むことで、カラーコインを持っている人は、資産情報をBTCと同じように送ったり、取引したりでき、BTCの送受信で資産も移動できる設計を目指しました。

普及しなかったカラーコイン

ビットコイン(BTC)は、「単純な決済ネットワーク」として設計されているため、資産のトークン化を行うには柔軟性が足りず、2015年スマートコントラクトを使えるイーサリアム(ETH)が登場すると、多くのプロジェクトはそちらに移行し、カラーコインは普及しませんでした。

しかし、カラーコインのアイデアは、その後の暗号通貨技術に大きな影響を与え、今日の「トークンを発行して自由に取引できる仕組み」(ERC20など)や「デジタル資産をブロックチェーン上で管理する仕組み」(ERC721など)に引き継がれ、現在のRWA(不動産や株のトークン化)の考え方につながっています。

スマートコントラクトの登場(2015年〜)

スマートコントラクトは、ブロックチェーン技術を使って、契約を自動的に実行する仕組みです。
ある契約・取引について「特定の条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」といった、契約履行管理を自動化するものです。
2015年にイーサリアム(ETH)が誕生し、スマートコントラクトにより、資産のトークン化(ERC20)が可能になったことで、RWAの技術基盤=資産のトークン化が進化しました。

この頃のRWAの試み

DigixDAO(DGD)

Digixは、イーサリアムのネットワーク上で金の所有権情報を管理するサービス、すなわち「金のトークン化」を提供するプラットフォームとして2016年に公開されました。

金の保管場所はシンガポールの金庫で、証明書(プルーフ・オブ・アセット)で金が本当に存在するか定期的に監査され、これにより、DGX(金のトークン)を持っている人は「本物の金(1DGX=1グラムの金)」をデジタルで保有しているのと同じ状態になるという、イーサリアム上で最も早い時期に登場したRWA(リアルワールドアセット)の一つでした。

DigixDAOは、金をデジタルで簡単に取引できるようにするのが目的だったのですが需要が伸びず、2020年、プロジェクトの運営資金をDGD(※)ホルダーに返還する形で解散しました。

(※)DGD=Digixの運営に関わるためのガバナンストークン(投票権)

参考

ICOブーム(2017年)

イーサリアム(Ethereum)が注目され、スマートコントラクト、ERC20を使って簡単にトークン発行が可能になった2017年には、「IPO(新規株式公開)」より手軽に資金を集められる、「ICO(Initial Coin Offering)」が流行りました。

  • ICOなら、証券市場を通さずに世界中から資金調達可能。
  • 審査なし、自由に発行できる。

これが多くのプロジェクトを生みました。

STOの登場(2018年〜)

2018年頃になると、「ICOの多くは証券とみなされるべき」と法整備が進みます。
SEC(Securities and Exchange Commission:米証券取引委員会)など、各国の規制当局が動き出し、証券法に準拠した「STO(Security Token Offering:セキュリティトークンオファリング)」が台頭します。
日本でも、STOは証券(セキュリティ)として扱われ、株式や債券と同じルールに従う必要があることから、金融商品取引法(FIEA:Financial Instruments and Exchange Act)に準拠し、規制されています。
当時、STOがICOに代わる新しい資金調達手段になると言われていましたが、

  • 規制が厳しく、各国の法律が違うため、国際的な展開が難しかったこと。
  • STOは「ブロックチェーン上で株や債券を発行する」というアイデアですが、既存の金融機関がすぐに採用するわけではなかった。

ことから、伝統的な証券市場とブロックチェーンの橋渡しが難しく主流にはなりえませんでした。

DeFiの発展(2020年〜)

2020年頃から、DeFi(分散型金融)が躍進します。

DeFiとは?

DeFi(Decentralized Finance)は、ブロックチェーン技術を使い、誰でも自由にお金を貸したり、借りたりといった金融サービス、取引ができる仕組みになります。
何がすごいかというと‥‥

銀行が要らない

普通の銀行では、お金を預けたり借りたりするには審査が必要ですが、DeFiなら誰でも借りたり貸したりできます。

世界中の人が自由に使える

銀行口座がなくても、インターネットと暗号通貨のウォレット(メタマスク:MetaMask等)があれば、どこでも自由に使えます。

取引は自動

スマートコントラクト(自動契約プログラム)が仲介するから、人がいなくても契約が実行されます。

DeFiの主な使い方

✅ ステーキング(預けて利息をもらう)
✅ レンディング(お金を貸して金利を得る)

✅ DEX(分散型取引所)‥‥仲介なしで暗号通貨の交換
✅ 流動性提供(LP)‥‥取引所に資金を提供して報酬を得る
2020年頃から、お金の未来を変えるブロックチェーン金融=DeFiが躍進してきました。

主要なDeFiプロジェクト

Uniswap(ユニスワップ)=DEX

分散型取引所(DEX)の代表格のUniswapは、AMM(自動マーケットメイカー)方式(※1)を導入し、仲介なしで暗号通貨を交換可能にし、2020年に流動性マイニング(※2)を開始し、UNIトークンの配布は大きな反響を呼びました。

💡誰でも自由にトークンを交換できる革命的な取引所=Uniswap

(※1)AMM(自動マーケットメイカー)方式とは‥‥
人が値段を決めず、自動で価格を調整する仕組みです。
従来の取引所(オーダーブック方式)では、買いたい人と売りたい人の注文を取引所のトレーダーがマッチングして取引します。
AMMでは、スマートコントラクトプログラムが価格を自動で決めて、数式によって価格を自動調整します。
(※2)流動性マイニングは、暗号通貨を預けると、報酬(トークン)がもらえる仕組みです。Uniswapなどの流動性プールに暗号通貨を預け、 他の人がプールの資金を使って取引できるようになると、そのお礼として手数料+追加のトークン報酬(流動性マイニング報酬)がもらえる仕組みです。

Compound(コンパウンド)=レンディング
Aave(アーベ)=レンディング

暗号通貨を貸して(レンディング)、利息(報酬)をもらう仕組みです。

①あなたが暗号通貨をレンディングプールに預ける。
②借りたい人が、その暗号通貨を担保を入れて借りる。
③借りた人は、利息をつけて返す。
④あなたは、その利息を報酬として受け取る。

暗号通貨の銀行みたいなもので、Compoundは「COMP」トークンの配布で爆発的に成長。
AAVEでは、「フラッシュローン」(担保なしで瞬間的に資金を借りて、取引後すぐに返す魔法のようなローン)という画期的な機能を導入しています。

💡DeFiなら無担保でもローンが組める!

MakerDAO(メイカーダオ)=ステーブルコイン

MakerDAOは、暗号通貨担保型のステーブルコイン「DAI」を発行する分散型プロジェクトです。
イーサリアム(ETH)などの暗号通貨を担保にして、1DAI=1USDを目標に維持される「DAI」を発行できます。
暗号通貨を担保にした分散型のデジタルドル(DAI)を作る仕組みです。


このように、流動性マイニングとかイールドファーミングが爆発的に流行して、Uniswap・Compound・AAVE・MakerDAOといったDeFiが市場をリードしたことで、DEX(分散型取引所)の取引量が急増し、中央集権型取引所と競争が加速してきたのが、2020年頃になります。

RWAが主流の時代へ(2024年〜)

ブロックチェーン技術が誕生し、スマートコントラクトからDeFiと進化したことで、株式・不動産・金・国債などの伝統金融とブロックチェーンがつながり始め、RWA(リアル ワールド アセット)が融合する時代へと入ってきました。

おわりに

今回はここまでです。
次回は、今日のRWAを支える技術等について、書いていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。