注目されるRWA②くりぷと知っ得情報3月5日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、RWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)について、書いています。
RWAは、株式・不動産・金・国債などの金融資産=「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化する技術・概念のことになります。
今回は、その、RWAを支える技術=オラクル(Oracle)について、書いていこうと思います。
🔶RWAが誕生した背景について
くりぷと知っ得情報2月26日号
オラクル(Oracle)
オラクル(Oracle)とは、神様からのお告げ(神託)を意味します。
ブロックチェーンにおけるオラクル(Oracle)とは、神託のように「外の世界の情報(真実)を伝える」役割を持っていて、ここでは、外部データをスマートコントラクトに提供する技術を意味します。

オラクル(Oracle)開発の歴史
オラクル(Oracle)という概念の誕生は、2013年~2015年頃になりますが、今のブロックチェーン技術の基礎を作った重要人物、レジェンドの存在があります。
彼のアイデアがなければ、イーサリアム(ETH)のスマートコントラクトも生まれなかったかもしれないと言う人物です。
ニック・サボ(Nick Szabo)氏
ニック・サボ(Nick Szabo)氏は、スマートコントラクトの概念を提唱し、暗号通貨の基礎を築いたコンピュータ科学者・暗号学者です。
スマートコントラクトの提唱(1994年)
ニック・サボ(Nick Szabo)氏は、1994年には「スマートコントラクト(Smart Contracts)」の概念を発表し、この契約を自動的に執行するプログラムの考え方は、イーサリアム(ETH)などのブロックチェーン技術の基礎になりました。
ビットゴールド(Bit Gold)の提案(1998年)
2008年にビットコイン(BTC)が登場する10年前に、ニック・サボ(Nick Szabo)氏はビットゴールド(Bit Gold)という分散型デジタルマネーを考案しています。
「計算(Proof of Work)を使って価値を生み出す」という仕組みが、ビットコイン(BTC)と非常に似ていて、ビットコイン(BTC)のホワイトペーパーを書いた「サトシ・ナカモト」の正体ではないか?と噂されるほど、ビットコインの思想と共通点が多い内容ですが、ニック・サボ(Nick Szabo)氏本人は「自分はサトシ・ナカモトではない」と否定しています。
イーサリアム(ETH)誕生(2015年)
イーサリアム(ETH)が誕生し、スマートコントラクトが実装されると、外部データを取得する方法が必要になることで、イーサリアム(ETH)の開発者たちが「オラクル問題(Oracle Problem)」を議論し始めます。
「オラクル問題(Oracle Problem)」は、スマートコントラクトだけでは、外部データにアクセスできないという制限について、議論が始まりました。
その「スマートコントラクトの限界」を指摘し、外部情報(各種の価格、試合結果、天気など)を取得する方法としてオラクル(Oracle)の重要性を主導的に提唱したのが、ニック・サボ(Nick Szabo)氏です。
オラクル(Oracle)技術は、特定の個人や企業が開発したわけではなく、複数のプロジェクトや研究者によって進化してきました。
Chainlink(チェーンリンク:LINK)誕生(2017年)
オラクル(Oracle)ネットワークの実用化の始まりは、分散型オラクルネットワークの先駆けとなるプロジェクトであるチェーンリンク(LINK)が誕生したことで、分散型オラクルによる信頼性の高いデータ提供、ブロックチェーン外のデータを安全に取得・提供する仕組みの確立に向けて進化します。
チェーンリンク(LINK)等の銘柄については、次回からご紹介しようと思います。
オラクル(Oracle)実用化の始まり
チェーンリンク(LINK)が登場し、ブロックチェーン外のデータを安全に取得・提供する仕組みであるオラクル(Oracle)の実用化が始まり、ブロックチェーン外のデータを安全に取得・提供する仕組みを確立されることで、多くの提携やプロジェクトが生まれました。
Google Cloud+Chainlink(2019年〜)
Googleが提供しているクラウドコンピューティングサービスGoogle Cloudは、Googleのビッグデータや機械学習の結果を構築していましたが、そのデータをブロックチェーン技術を活用し、スマートコントラクトにオフチェーンデータを提供する仕組みを模索をしていました。
2019年6月には、Google Cloudが提供するデータ分析プラットフォーム、BigQuery(ビッグクエリ)は、チェーンリンク(LINK)との提携を発表し、オラクル技術に本格参入しました。
このことで、Googleのビッグデータを使ったブロックチェーンアプリの可能性が広がり、DeFi(分散型金融)やNFT市場の拡大に備え、オラクルの役割を強化しています。
Binance Oracle(2022年〜)
世界最大の暗号通貨取引所「Binance」は、世界最大級の仮想通貨取引所で、分散型取引所(DEX)やスマートコントラクトの開発を進めていました。
2022年には、Binance Smart Chain(BSC)のエコシステム(Binance Chainとスマートコントラクトのエコシステム)を強化するため、オラクル技術の導入「Binance Oracle」を発表しました。
目的の一つとして、取引所でリアルタイムに更新される価格情報を、ブロックチェーン上のスマートコントラクトに提供することで、より精度の高い価格データをDeFiプロジェクトに提供できるようになりました。

オラクル技術の発展(プロジェクト)
Pyth Network(パイス・ネットワーク)
Pyth Network(パイス・ネットワーク)は、リアルな市場の値段を取引所や金融機関が直接提供する、ソラナ(SOL)ブロックチェーン上で機能する、オラクルプロジェクトです。
これがあると、みんなが安心して最新のデータを使えるようになります。
例えば、ビットコイン(BTC)の価格等のリアルな金融データを、Pyth Networkが集めて、ブロックチェーン上のアプリに届けます。
ネイティブトークンPYTH
Pyth Networkの特徴
- リアルタイムで最新の価格を提供することで、正確かつ高速に反映することが可能。
- 暗号通貨、株、FXなど、特に金融に特化したデータを扱うことで、市場の変化に反応が可能。
- ソラナ(Sol)、イーサリアム(ETH)、バイナンスチェーン(BNB)など、たくさんのブロックチェーンに対応。
- Pull Oracle(プル オラクル)と言う、「知りたい人が自分で取りに行く」仕組みを採用し、無料でデータをチェック可能。
例)「ビットコイン(BTC)の価格は?」と言った際に、 スマホ等で取引所のチャートやサイトをチェックする(自分で情報を取りに行く)。
これと同じように、ブロックチェーン上のアプリが、最新のデータを自分で取りに行くのがPull Oracleの仕組みです。
API3(エーピーアイスリー)
API3(エーピーアイスリー)は、金融データだけでなく、天気や物流データなど幅広い情報を正しくブロックチェーンに届けるためのサービスで、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で機能する、オラクルプロジェクトです。
例えば、ビットコイン(BTC)の価格等のリアルな金融データを、信頼できる取引所やデータ提供者がAPI(※)を通じてAPI3に直接提供します。(APIデータ提供者の利用料が発生することも)
ネイティブトークンAPI3
(※)APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略称でアプリやサービス同士をつなげる技術です。
API3の特徴
- API提供者の設定で、一定間隔でデータが更新。
- 金融データだけでなく、天気や物流データなど幅広く対応データを安全に届けるオラクル。
- イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)、アバランチ(AVAX) などのブロックチェーンに対応。
- First-Party Oracle(ファーストパーティ オラクル)を採用し、データ提供者(例:天気予報会社や金融機関)が直接データをブロックチェーンに提供することで、仲介コストを削減し、データの信頼性を向上させます。
- 普通のAPIはブロックチェーンに直接つながりませんが、データプロバイダーが簡単にブロックチェーンに接続することが可能な、Airnode(エアノード)と言うツールを利用することで、企業が自社のデータをスマートコントラクトに提供しやすくなりました。
おわりに
現在では、100種類以上のRWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)銘柄が誕生しています。
次回からは、RWA銘柄について書いていこうと思います。