私たちに必要な「お金」について‥‥投資は必須シリーズ⑨暗号資産編-5(9月21日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

FIREムーブメント(※)、投資は必須‥‥暗号資産編の第5弾です。

先回までは、暗号資産のステーキングについてでしたが、今回は、「レンディング(貸暗号資産)」についてです。

レンディングとは、保有している暗号資産をCefi(Centralized Finance:中央集権型金融)やDeFi(Decentralized Finance:分散型金融)などに貸し出し、期間と貸付量に応じて利息を得られるサービスで、「貸暗号資産」とも呼ばれています。

(※)FIRE=Financial(金融) Independence(独立),Retire(引退) Early(早い)の頭文字で、「経済的自立と早期退職」を目標とするライフスタイルを指す造語。

レンディング(Lending)を理解

クラウドファンディングって、聞いたことありますか?

クラウドファンディングは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して、不特定多数の人々から資金を調達する」新たな方法として、2000年に入ってから米国で始まりました。

日本でも、東日本大震災後、「READYFOR(レディフォー)」「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」
といったサービスがあります。(キャンプファイヤーは、元SMAPの草彅剛さんのCMでも、お馴染みですよね)

そのクラウドファンディングの一つとして、「ソーシャルレンディング」という、融資型(※)の仕組みがあります。

「借り手」=資金調達をしたい人(企業)に対して、仲介する事業者が「貸し手」=投資家から小口の資金を集めて、「借り手」に融資する仕組みです。投資家は、資産運用の一つとして、融資をします。

そうです。

暗号資産の「レンディング(Lending)」は、暗号資産を借りたい人(需要)がいるので、仲介業者が暗号資産を貸してくれる人を募集し、投資家はそこに貸し出す(供給する)ことで利益を得ること

です。

ステーキング(Staking)とレンディング(Lending) の違い

レンディングを理解すると、先回までの、ステーキングとの違いがなんとなくわかってきました。

ステーキングは、投資家が、取引所等の指定する暗号資産を保有、預けておくことで利益(利息)を売るのに対し、レンディングは、貸し付けることで、利息を得ます。

項目

レンディング

ステーキング

形態

貸し出し

保有

数量

貸し出し制限あり

保有制限なし

銘柄

多い

少ない

期間

期間の縛りあり

期間の縛りがないものもある

報酬

固定

保有期間、数量によって変動

金利に関しては、ステーキングより、レンディングの方が一般的に高いです。

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)サービスのレンディング

暗号資産のレンディングサービスは、ステーキング同様、Cefi(Centralized Finance:中央集権型金融)のレンディング専門の企業や、CEX(Centralized Exchange:中央集権型取引所)を利用できますが、今回は、

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)プラットフォームやプロコトル(※)について、進めていきます。

(※)プラットフォーム=基盤装置、動作環境。
(※)プロコトル=コンピュータ同士がネットワークを通じて通信する際に、決められた手順や約束事。伝送路、伝達方法、通信相手の特定、データの構成や表現方法などをあらかじめ規定したもの。

レンディング(貸付)ができる代表的なDeFiサービス

Aave(アーベ)

概要

2017年、イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上に作られたETHLend(イーサレンド)が前身。

暗号資産レンディングプラットフォームで、最も有名なレンディングサービスの1つ。

特徴

・資産をプールに貸付て、収入を得ることができ、また、それを担保にして借入もできる。

・借入の際は、変動金利、固定金利を選択可能。

・担保なしで対象資産(暗号資産やトークンなど)を借り受け、その債務の処理と返済を同じ取引(Ethereum上の1つのトランザクション))で解消することができるDeFiプロトコルの機能「フラッシュローン」に対応。

フラッシュローンとは‥‥借入と返済を同時に行う仕組み
・無担保で借入できる
・1つのトランザクション内で借入~返済まで完結させる
・同じ通貨銘柄が、2つの取引所にて異なる価格で取引されている場合、安値の取引所から仕入れて高値の取引所で手放すことで利益を得る、アービトラージ(裁定)取引に活用可能
・返済が行われなかった場合、そのトランザクションは不成立となる

・信用委任に対応
信用委任とは、通貨を預け入れた人の信用(与信枠)を別の人に移すことで、その人の借入を可能にした機能。
(Aaveに預け入れた金額分の利息を得ながら、同時に別の人への貸出利息も獲得することができる)

・Ethereum(イーサリアム)以外に、Avalanche(アバランンチ)、Fantom(ファントム)、Polygon(ポリゴン)など、現在、8つのチェーンに対応。


ガバナンス
トークン

Aave(AAVE)Aaveに関連するトークンは、ガバナンストークンとしてのAAVE(組織運営の投票券)以外に、貸出をしたときに付与される「aToken」などがある。

VENUS(ヴィーナス)


概要

2020年、BNB Chain(バイナンスチェーン)のBSC(バイナンススマートチェーン)上に構築されたDefiサービスのひとつ。
世界的な規模を誇る仮想通貨取引所「Binance」がバックアップしていることもあり、Venus Protocolは近年注目を集めている。


特徴

・Venusのプロトコルに暗号資産の貸すことで、利回りに加えて、XVSを獲得できる。

・Venus(XVS)では独自のステーブルコインである「VAI」を発行できる。

・「VAI」は、プロトコルで、1VAI=1ドルになるように設定されている。

・「VAI」は、Venusやその他のDeFiでステーキング等が可能。
つまり、BitCoinやEthereumをVenusに貸し出すことで、利息がつき、さらに「VAI」というステーブルコインが発行されるので、VAIの運用でその利息も得ることができる。

・定期的にエアドロップを実施
Venus(XVS)を保有していると、Venus Reward Token(VRT)というトークンが、無料でもらえる。


ガバナンス
トークン

Venus(XVS)「暗号資産の利回り」に加えて、「ガバナンストークン(XVS)」を受け取ることができる。


その他

2021年9月、ガバナンスにて敵対的乗っ取りの提案が出され、投票の結果可決。運営チームはそれをキャンセルしたが、物議を醸した。

Compound(コンパウンド)


概要2018年にローンチ(公開)。
イーサリアム(ETH)ブロックチェーン上に作られた、暗号資産レンディングプラットフォーム特徴・暗号資産の供給(貸付)で、利息を得る。

・暗号資産の借入をする際、担保として、借りる額より充分多い担保額を供給している必要がある。

・利率は需要・供給から自動的に決められる。

ガバナンス
トークン

Compound(COMP)

Compoundで取引をすると、「COMP」という、ガバナンストークン(組織運営の投票券)が、配布される。


その他

・USDTや、USDC、DAIなどのステーブルコインは、借入の需要が多いので、貸し付け年利は高めに設定されていて、価格変動のリスクも少ないため、リスクを抑えて運用をすることが可能。

・スケーラビリティ問題(後述)解決策として、2021年3月、異なるブロックチェーンの相互運用性を実現するためのプラットフォーム「Gateway(ゲートウエイ)」を発表。イーサリアムと他の様々なブロックチェーンをつなぎ、ユーザーが容易に価値を移動できるように設計、開発。

DeFiの注意点

管理者による不正や、ハッキング等の大きなリスクを回避できるDeFiですが、注意点もあります。

トラブルは自己責任

DeFiは仕組みが複雑なこともあり、ウォレットの通貨が盗まれたり、システムの脆弱部分をついたハッキングを受けたりするリスクもあります。
得られる報酬とリスクとの比較、サービスを提供するプラットフォームの信用度といったことを考慮する必要があります。

分散させるなど策を講じることも必要で、トラブルが発生しても自己責任のため、自分で自分の資産を守る意識が重要です。

ガス代(手数料)の高騰

DeFi関連サービスにはイーサリアムのブロックチェーンが多く用いられています。

「The Merge(マージ)」アップデートが完了し、新たにブロックチェーンの承認方法がPoSに移行しましたが、スケーラビリティ問題=ブロックサイズがいっぱいになってしまい、通貨の送付手数料が高騰したり、処理が遅延したりする問題は、にわかには解決しません。
利益が手数料負けしないよう、注意も必要です。

政府による規制

暗号資産の誕生以来、政府による法改正が行われてきましたが、DeFiに関してはまだそういった規制がありません。

政府の意向については、今後の動向におきな影響を与えることも考えれます。

おわりに

今回は、暗号資産レンディング、中でも、DeFiのサービスの代表的なものを取り上げました。
取引を推奨するものではありませんが、ブロックチェーン技術の中でも、イーサリアムによって多くの進化を遂げ、まだまだ大きく変わっていくことが推測されます。

クリプトスタディ(クリスタ)の会員限定コンテンツでも、「DeFiの未来」テーマを前・後半2回シリーズで動画配信しています。(会員限定)

是非、ご覧ください。

次回は、暗号資産編第6弾をお届けする予定です。

お読みいただき、ありがとうございました。