チャットGPTとその開発者が手掛ける暗号通貨「ワールドコイン」④くりぷと知っ得情報(9月20日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
秋が近づいている証拠、お腹が空きます‥‥
食べた分、運動すればいいのですが、それ以上に食べているので、ちょっと心配です(笑)
さて、先回は、ChatGPTの開発者が手がける暗号通貨「ワールドコイン(WorldCoin)」について、その目的や特徴のことを書きました。
人工知能の発展に伴い、人間とAIを使ったロボットとの区別がつかなくなる未来に備えるために立ち上げられた、壮大なビジョン、計画に基づくプロジェクトだということが、わかりました。
ワールドコイン(WLD)プロジェクトの資金調達
ワールドコイン(WLD)は、過去に大規模な資金調達を複数回成功させており、ベンチャーキャピタル(※)や、投資家、起業家からの注目度が高いプロジェクトです。
(※)ベンチャーキャピタル(Venture Capital:VC)とは、未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのこと。
年月 | 金額 | 主な投資家 |
2021年10月 | 約34億円 | Andreessen Horowitz(a16z:アンドリーセンホロウィッツ) |
2022年3月 | 約130億円 | Andreessen Horowitz(a16z) |
2023年5月 | 約161億円 | Blockchain CapitalAndreessen Horowitz(a16z) |
このように、ベンチャーキャピタルなどを中心に、計3回にわたり約325億円の資金調達の実績があることから、外部の機関投資家からの評価が高いことがわかります。
外部の機関投資家から評価を受けているということは、今後のワールドコイン(WLD)プロジェクトの展開に期待が持てるということでもあり、将来の可能性があると言えるかもしれません。
ローンチ後のサム・アルトマンのX(Twitter)
対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発したオープンAIのCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)氏が手掛ける新たな暗号通貨「ワールドコイン(WLD)」。
スタートして3日後、7月27日のサム・アルトマンのX(Twitter)が、話題になっています。
原文
day 3 of @worldcoin launch, crazy lines around the world. one person getting verified every 8 seconds now.
翻訳
ワールドコインのスタートから3日目、世界中でクレイジーな行列ができてます。現在、8 秒に1人のペースで認証を受けています。

(※)先回の、くりぷと知っ得情報でも書きましたが、現在のOrb認証スポットは、東京に集中していますが、3箇所あります。(最新情報は公式X(Twitter)が有効)
現在の価格と分析サイトの評価
CoinMarketCapの時価総額ランキングによると、執筆時点の、ワールドコイン(WLD)の価格は、約204円($1.376)で推移しています。(ATH:過去最高額504円)

時価総額ランキングでは、130位代あたりで推移しています。

私が応援している、コミュニティ「JAMDAO」とアライアンスを結んでいるCoinMarketScore=AIを使った、暗号通貨分析サイトで、ワールドコイン(WLD)を調べてみると、総合評価47点(100点満点)とありました。


最も評価の高いビットコイン(BTC)の評価が、75点(100点満点中)なので、ある程度の評価を得ていると分析されています。
ワールドコイン(WLD)のリスク
ワールドコインのプロジェクトは、「新しいアイデンティティ(存在証明)と金融ネットワーク」を目指し、サインアップした人々にデジタルIDを割り当てるもので、プロジェクトの独自トークン「ワールドコイン(WLD)」は、いくつかの国でサインアップしたユーザーに配布されています。(ユニバーサルベーシックインカム:UBI)
ワールドコイン(WLD)をローンチ(公開)した、7月24日、プロジェクトは、200万人のユーザー獲得し、20カ国で虹彩のスキャン業務を拡大したと発表しました。
しかし、そこに潜むリスク等、いくつかの問題点があるようです。
ここからは、ワールドコイン(WLD)のリスクについて、書いていきます。
セキュリティ、プライバシーのリスク
ワールドコイン・ファウンデーションが「虹彩」に基づくIDという個人データをどう扱っていくのか?
現在のインターネットは、Google、Appleをはじめとする、一握りのテック企業が支配しています。
それに対し、ブロックチェーンを活用して個人やグループがデータやコンテンツを非中央集権的に管理する、第3のインターネットの世界を「Web3」と言います。
ワールドコイン・ファウンデーションは、「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof)」(※)と呼ばれるプライバシーを保護する新しい暗号方式を採用していて、Orb(オーブ)に保存された生体認証データはアップロードされた時点で削除されるとしてますが、その仕組みについての説明はされていません。
ワールドコイン・ファウンデーションというテック企業が、個人データをAIの訓練に利用できるのでは、という危険性も指摘されています。
実際には登録時に多くの個人情報を収集しており、十分な同意が得られていないとの指摘もあります。
(※)ゼロ知識証明は、ある知識を持っていることを、その知識に関する何の情報も明らかにすることなく、証明する方法のことです。
少なくとも4カ国で調査、規制を開始
ワールドコイン(WLD)をローンチ(公開)した翌日、7月25日には、英国のデータ規制機関の情報コミッショナーズ・オフィス(ICO:Information Commissioner's Office)が、ワールドコイン(WLD)を調査すると発表しています。
また、フランスのデータ保護機関(CNIL:La Commission Nationale de l'Informatique et des Libertés)でも、ワールドコインのデータ収集の合法性について、疑わしいと表明。
なお同調査は、ドイツのバイエルン州のプライバシー規制当局が監督権をもつとのこと。
また、ケニアでは、8月2日、「ワールドコイン」の活動を調査する合同特別調査委員会が結成され、ケニア国内での活動を一時停止したと発表しました。
その後、ケニアデータ保護局はプロジェクトに関して「多くの正当な規制上の懸念」が見つかったとの声明を出していました。
また、ケニア警察がワールドコインのナイロビ事業所を強制捜査し、事業所から書類や機械を押収し、分析のためワールドコインのデータを刑事捜査局本部に持ち込んだと報じられています。
なお、押収した機械には、ケニアの機密情報が保存されていると思われる‥‥、とも報じられています。
イーサリアム創設者も懸念を表明
イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、ブログで「ワールドコイン」のプロジェクト設計について、「プライバシー」、「アクセシビリティ(アクセスのしやすさ)」、「中央集権性」、「セキュリティ」の4つの重大なリスクがあるとも、述べています。
おわりに
ワールドコイン(WLD)は米国での上場を見送る予定で、米国の取引所であるコインベース(Coinbase)やクラーケン(Kraken)では上場されていません。
プロジェクトは、米国における規制の懸念が決定の主な理由だと述べていますが、WLDが未登録証券に該当するといった見解もあります。
また、ワールドコイン(WLD)の価値がいくらになるのか、あるいは価値を持つのかについても、他の暗号通貨と同じく、様々な要因により変化する可能性ががあります。
お読みいただいてありがとうございました。
本記事は、特定の暗号通貨の購入をすすめるものではありません。購入等につきましては、自己責任でお願いします。