電気料金をはじめとする値上げのラッシュがつづく②くりぷと知っ得情報(10月25日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

今回は、先回に続き、電気料金について書いていきます。

電気料金は、今後も上がるのか?

結論からいきましょう。

上がります。

例えば、住宅ローンとか、車のローンとか、ローンが終わると自分の所有となります。

が、電気とか水道といった光熱費は、生きている限り必要なライフラインなので、

「一生払い続ける、ローン」と同じで、今後そのローンがさらに上がると思ったほうがいいということです。

各国で高騰する電気料金

日本政府が今年6月に閣議決定した2022年度のエネルギー白書によると、日本の23年1月の電気料金は20年1月から3割上昇⬆️しました。

欧州連合(EU)は5割上昇、最高はイタリアで3倍にもなっています。

要因の多くは、ロシアのウクライナ侵攻が世界の電気代高騰に拍車をかけたことが一番と言えます。

202020年1月を100として、イタリア307、イギリス192、EU154とロシアに大きく依存してきたヨーロッパが、やはり最も大きな影響を受け、電気料金は高騰しています。

日本でも、今年の6月に大手電力会社7社が値上げをしたところです。(※)


(※)中部電力、九州電力、関西電力については、互いの営業エリアで電力の販売しないようカルテルを結んでいた問題を受け、公正取引委員会から独占禁止法違反での数百億円規模の課徴金納付のほか、値上げ申請に対して受理されなかったためで、今後の値上げは必至です。

国の政策や補助金

電気料金の上昇については、電力に関する国の政策や補助金が大きく影響しています。

再エネ賦課金

電気を使うすべての家庭が毎月1,000円くらい必ず負担しなければならない「再エネ賦課金」(正式名称:再生可能エネルギー発電促進賦課金)。

その特徴は

  • 電気使用量に対して、全国一律、契約者全ての人が負担する
  • 太陽光発電などの再エネ利用分に関しては、再エネ賦課金をかけない

です。

その目的は

  • 再エネ普及のための「固定価格買取制度(FIT)(※)を運用するため

です。

(※)FITは、「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ=関税を織り込む)」の頭文字を取っており、日本語に訳すと「固定価格買取制度」で、2012年から導入されました。

その内容は

  • 電力会社がFIT制度を通して買い取った「再生可能エネルギーの費用」を、電気代に反映させたもの

です。

具体的には、太陽光や風力で発電した電気を、電力会社が一定期間、国が決めた固定価格で買い取る制度で、それを電気の契約者の家庭、事業所に負担させるというものです。

これによって収益性が安定するため、日本の再エネ導入量を増加させることができます。

逆にいえば、FIT制度(固定価格買取制度)を維持していくために、年々増加する総売電料に見合うだけの資金を再エネ賦課金として、国民から回収する必要があり、これは、2050年までのカーボンニュートラルに向けての国のアクションです。

一旦は下がっている再エネ賦課金

再エネ賦課金制度は、2013年から実施されてきました。

今年の5月、2023年度再エネ賦課金が、引き下げられました。

朗報といえば朗報です。

前年度の3.45円/kWh(キロワット時)から大幅に低下して、半分以下の1.40円/kWhになりました。

なぜ引き下げられたのか?

日本で唯一の電力卸価格の取引所「日本卸電力取引所(JEPX :Japan Electric Power Exchange)」。

日本における電力自由化の流れを受けて、2003年に設立されました。

再エネ賦課金の単価を算定する時に参照する日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格ですが、2022年以降、コロナ禍、ウクライナ戦争等の影響を受け、電力市場価格が高騰したことで、回避可能費用(※)が増加したことが、今年度の引き下げの主な要因です。

(※)回避可能費用とは、電力会社がFITによる再エネ電力を買取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることができる費用のことです。

再エネ賦課金はいつまで続くのか?

再エネ賦課金がいつまで続くかについては、国の公式な発表、見解は出ていません。

2023年の現在でもFIT制度があることから、少なくとも産業用太陽光発電の買取期間である20年後(2043年)までは再エネ賦課金が続くと思われます。

再エネ賦課金はまだ上がっていく

再エネ賦課金は年々上昇しており、2030年までは上がり続けると予想されていて、今後、電力市場価格が落ち着いた折には、上がり続けていくものと考えられます。

激変緩和措置の打ち切り

激変緩和措置は、国が実施する、電気料金等の値上げに対する経済的補助で、2023年1月から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が施行されました。

これにより、一般家庭の低圧契約(※1)について、2023年1月検針から9月検針まで、燃料費調整額(※2)が次のように値引きされました。

(※1)低圧契約については、こちら

(※2)燃料調整額(制度)とは、原油価格や液化天然ガス価格など、貿易統計から算出される、その時々の平均燃料価格により毎月変動する調整額のことです。

1月検針〜9月検針について

激変緩和措置=値引き単価:7円/kWh

つまり、2月~10月に支払いう電気料金について、1kWhあたり7円の補助金適用を予定していました。

経済産業省により、激変緩和措置は、12月まで延長されることが決定していますが、

10月検針〜12月検針について

激変緩和措置部分延長=値引き単価:3.5円/kWh

つまり、11月から2024年1月に支払う電気料金については、激減緩和措置が半分になるため、全国一律、電気使用量に応じて、1,000円から1,700円が値上がりします。

計算シミュレーション

激変緩和措置は、12月まで延長されましたが、半分はカットされましたので、来月支払い分からさらに、電気料金が値上がりするということです。

燃料費調整額の上限撤廃の動き

大手電力会社は、消費者の負担が大きくなりすぎないよう、燃料費調整額に上限を設けています。

しかし、上限を超えた分は電力会社の負担となるため、燃料費調整額の上限を超えた状態が続いてしまうと、電力会社の負担は増え続けていきます。

東北電力では、燃料費調整額の上限を撤廃する動きも出てきています。

今後、大手電力各社についても、今後同様な動きが出てくることも考えられます。

おわりに

今回は、電気料金にかかる国の政策や補助金について書きました。

再エネ賦課金の今後、激変緩和措置の打ち切り、大手電力会社の燃料調整額の上限撤廃等、まだまだ、私たちの電気料金については、値上がりしていくと考えられます。

次回は、再エネについての国や都道府県の政策等について書きます。

お読みいただいて、ありがとうございました。