EVMと互換性を持つレイヤー1ブロックチェーン③くりぷと知っ得情報6月12日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
イーサリアムのEVM(Ethereum Virtual Machine)をコピーして、実装したブロックチェーンを”EVM経済圏”と呼びます。
今回は、前回に続き、EVM(Ethereum Virtual Machine)と相互互換性を持つレイヤー1の暗号通貨の銘柄、
Solana(Sol):ソラナ(ソル)について、その特徴を書いていきます。
◻︎EVMと互換性を持つレイヤー1ブロックチェーンSOL前編(くりぷと知っ得情報5月29日号)
◻︎EVMと互換性を持つレイヤー1ブロックチェーンSOL中編(くりぷと知っ得情報6月5日号)

Solana(sol)のユースケース

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)をはじめとするブロックチェーンの活用事例として、DApps(Decentralized Application:分散型アプリケーション)、DEX(Decentralized Exchange:分散型取引所)、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)などがありますが、それらの多くはスマートコントラクトを実装しているイーサリアムのブロックチェーン上で展開されてきました。
しかし、イーサリアムの需要が高まるにつれてトランザクション処理が追いつかなくなり、ガス代(送金手数料)高騰などスケーラビリティ(拡張性)に問題を抱えるようになり、次第にイーサリアム以外のパブリックブロックチェーンの勢力が拡大してきていますが、現在その代表格と言えるのが、Solana(Sol)です。
Solana(Sol)のユースケースの一部をご紹介します。

分散型金融(DeFi)

Serum(Dex:分散型取引所)

DEX(分散型取引所)とは、スマートコントラクト技術により、管理者がいない(必要としない)取引所のことです。

Solana上で動作するDEX、Serumは、暗号資産取引所FTXが2020年8月に立ち上げたDEXで、Solanaの最初の主要プロジェクトの1つになりましたが、2022年11月のFTX破綻により閉鎖に追い込まれ、新たに「Open Book」がローンチされました。

Raydium

Raydiumは、2021年3月にリリースされたSolanaを基盤にしたDEX(分散型取引所)です。
自動マーケットメーカー(Automated Market Maker:AMM)および流動性プロバイダーとして機能し、分散型取引(DEX)
「Open Book(Serum)」にサービスを提供しています。
DeFiで重視されるTVL(Total value locked)は、DeFiプロトコルに預けられた暗号通貨の価値ですが、RaydiumのTVLは約9億1700万ドル(約1,440億円)とDeFiのTVLランキングでは35位に位置しています。
(1位のLidoのTVLは、約350億ドル(約5兆4950億円)です。)

Defilamaから

NFT(非代替性トークン)

Solanart

NFTと言えばイーサリアム(ETH)がを思い浮かべると思いますが、Solana(ソラナ)チェーン上でミントされたNFTも注目を集めています。
Solanart(ソラナート)は、SolanaのNFTを低コストで売買できるマーケットプレイスです。

Metaplex

2024年3月、クリエイターが簡単にNFTを作成できるツールキット「Metaplex」は、ソラナ上の新たなNFT標準となる「Core」の立ち上げを発表しました。

分散型アプリケーション(DApps)

Audius

Audiusとは、Solanaとイーサリアムのブロックチェーン技術を活用した分散型の音楽ストリーミングサービスです。
従来型の音楽配信サービスよりも、アーティストに収益が分配されやすい仕組みが構築されています。
中央集権型のプラットフォームは、運営会社が儲かる仕組みですが、Audiusはブロックチェーン技術によって収益の90%がアーティストに分配される仕組みを採用しています。
Coinbase Ventures・Binance Labsなど、有名なVC(※)から出資を受けています。
Audiusは「AUDIOトークン」をプラットフォーム内に流通させて、持続的な運営を行っています。

VC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)とは、未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのことを指します。

また、Solana(Sol)上のブロックチェーンゲームは、140件以上誕生していており、Solana上のDAppsは非常に多く開発されています。
2021年にリリースされた、STEPN(ステップン)は、Walk to Earn(W2E:歩いたり走ったりすることで稼げる)、このブームの火付け役となりました。

分散型クラウドストレージ

分散型ストレージとは、地理的に分散した複数のノードをP2Pネットワークで接続し、ブロックチェーン技術でデータファイルを分散保存する方法で、ファイルが消えない、バックアップを必要としない技術です。
Solana上では、分散型クラウドストレージのプロジェクトも存在していますが、Arweaveはデータの永続的な保存を提供するプロジェクトで、Solanaと統合されています。

おわりに

Solana(Sol)のユースケースは、まだまだたくさんあります。
支払いや決済のプラットフォームや、他のブロックチェーンとの相互運用性を持つことを目指しており、クロスチェーンブリッジを通じて異なるブロックチェーン間の資産転送を容易にします。
これらのユースケースにより、Solanaは幅広い用途に対応できるプラットフォームとして成長しています。

中央集権が故の落とし穴

Solana(Sol)は、Solana Foundationにより、開発・推進されており、性能の高さ、トランザクション処理速度や取引コストの優位性から、「スケーラビリティ(拡張性)」問題を解決したという点で評価が高く、現在の時価総額ランキングでも5位となっています。
しかし、分散性、安全性という点で問題も抱えていて、本当の意味でのブロックチェーンのトリレンマを解決しているとは言えないのかもしれません。
過去に先述の分散型取引所Raydiumでハッキングが発生したり、トランザクションに障害が発生したり
しています。

今年の4月にも発生していて、プロジェクトチームが都度修正しています。
分散性、安全性という点で未解決な問題も抱えていて、本当の意味でのブロックチェーンのトリレンマを解決しているとは言えないのかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。