ブロックチェーンの相互運用性について‥‥Polkadot(DOT)編④くりぷと知っ得情報8月7日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、ブロックチェーンの相互運用性(異なるブロックチェーン同士での送金・やり取りを可能にする技術:インターオペラビリティ)について、Cosmosプロジェクトとのライバルプロジェクト、Polkadot(DOT)について書いています。

前回までのおさらい

polkadotの相互運用性

CosmosがTendermintとIBCによる相互運用性であったように、Polkadot(ポルカドット)は、メインチェーンである「Relay Chain(リレーチェーン)」とRelay Chainに接続された次世代レイヤー1ブロックチェーンの「Para Chain(パラチェーン)」という2種類のブロックチェーンの運用と、外部のブロックチェーンとPara Chainを接続することができる「Bridge(ブリッジ)」の3つの要素を中心にして構成されていて、相互運用性を高めています。
Relay Chain(リレーチェーン)は、セキュリティ面でも、Polkadot全体のセキュリティを提供し、各Para Chainは自分でセキュリティを確保する必要がなく、セキュリティも共有しています。

XCMの採用

Polkadot(ポルカドット)は、通信プロトコルとして、「XCM(cross-consensus messaging format)」を採用することで、トークンだけでなく、あらゆるタイプのデータや資産のブロックチェーン間転送が可能です。
◻︎Polkadot(DOT)編①/くりぷと知っ得情報7月17日号

Substrate(サブストレート)上の開発チェーン

Substrate(サブストレート)とは、Polkadotの創業者である、Gavin Wood(ギャビン・ウッド)氏が率いる、Parity Technologies(パリティ)によって開発された、Substrate(サブストレート)を使用して構築されたチェーンは、Polkadot(ポルカドット)と互換性があるように設計されています。
Substrateのテンプレートとモジュールを利用することで、CosmosプロジェクトのSDK同様、開発者がゼロからの開発よりもはるかに迅速にブロックチェーンを構築できます。

RUST言語での開発

RUST(ラスト)言語は、Webブラウザソフトウェア「Firefox」を開発しているMozillaが支援するオープンソースのプログラミング言語で、RUST言語は、脆弱性の解決をすべく、安全性と性能を兼ね備えたプログラミング言語で、Polkadot(ポルカドット)は、Rust言語の性能と安全性により、高速で信頼性の高いブロックチェーンを実現します。
◻︎Polkadot(DOT)編②/くりぷと知っ得情報7月24日号

NPoSの採用

Polkadot(DOT)のコンセンサスアルゴリズムは、NPoS(Nominated Proof-of-Stake)という方式をとっていて、セキュリティの維持に取り組んでいます。

低い二酸化炭素排出量

Proof of Stakeネットワークを採用するブロックチェーンネットワークのエネルギー効率とカーボンフットプリントについて、Polkadotは最も低い二酸化炭素排出量を記録しました。
◻︎Polkadot(DOT)編②/くりぷと知っ得情報7月31日号

Polkadot(DOT)まとめ

Polkadot(DOT)は、「Relay Chain(リレーチェーン)」(ポルカドットの中心に位置するメインチェーン)を中心に、複数の「Para Chain(パラチェーン)」(リレーチェーンに接続しているチェーン)がトランザクションを並行処理して処理速度を上げることで、取引遅延・手数料高騰といったスケーラビリティ(拡張性=利用者や取引の増大に適応できる能力・度合いのこと)問題を解決することができるブロックチェーン構造となっています。
これにより、複数のトランザクションを同時に処理することが可能となり、トランザクションの遅延が解消され、相互運用性が強化されて、スケーラビリティの向上に役立っているわけです。
また、ネットワーク全体のセキュリティ向上のために、Relay Chain上のバリデータ(※)を各Para Chainに割り当て、ネットワークの検証作業を行います。

そのため、小規模のPara Chainであっても、Relay Chainのセキュリティ共有によってセキュリティ侵害を受ける可能性を低くすることができ、結果としてネットワーク全体のセキュリティが向上することとなります。

セキュリティを共有できることで、全体のセキュリティ向上が叶っています。

(※)「バリデータ」(Validator)は、特にプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS)やその派生形態のコンセンサスメカニズムにおいて、適切に記述されているかを判断し、不適切な箇所があった場合にはエラーとして通知してトランザクションの検証や新しいブロックの生成に関わる重要な役割を担う参加者のことです。

パラチェーン(スロット)オークション

パラチェーン(スロット)オークションとは、ポルカドットのPara Chainのスロット(枠)を獲得するために行われるオークションです。
このスロットは現在100を上限に用意されており、スロットを獲得することでリレーチェーンに接続する権利が付与されるものです。
スロットを獲得した代表的なプロジェクト、にはアスターネットワークがあります。

日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network(アスターネットワーク)」も、パラチェーンオークションで勝ち上がり、接続先に選ばれたプロジェクトの一つです。

ハードフォーク不要でアップデート可能

ポルカドットでは、開発者が指定した任意のブロック高において、全ノードのアップデートが自動的に実行されるように設計されています。

そのため、ブロックチェーンチェーン上に新たな機能を実装する際やバグ修正を行う際には、ハードフォークすることなく、アップデートが可能となります。

おわりに

4回にわたって、Polkadot(DOT)について、書いてきました。
以前シリーズで書いたCosmos(ATOM)とPolkadot(DOT)は、相互運用性という面で、ライバルといえますが、
大まかにいうと‥‥
◻︎Cosmos(ATOM)独立したブロックチェーン同士が対等な関係で通信を行う
◻︎Polkadot(DOT)独自性のある子チェーンを親チェーンがまとめて通信を行う
という点があることを、書いてきました。
ブロックチェーンのトリレンマを解決すべく、数多くのプロジェクトが鎬を削っているという訳でですね
お読みいただいてありがとうございました。