RWA銘柄オンド(ONDO)について②くりぷと知っ得情報7月23日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、RWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)について書いています。
RWAは、株式・不動産・金・国債などの金融資産=「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化する技術・概念のことになります。
🔶RWAが誕生した背景について
くりぷと知っ得情報2月26日号🔶RWAを支える技術=オラクル(Oracle)について
くりぷと知っ得情報3月5日号🔶オンド(ONDO)の概要と創設者
くりぷと知っ得情報7月16日号
オンド(ONDO)は、現実世界資産(RWA)をブロックチェーン上でトークン化し、機関投資家クオリティの金融商品を誰でも利用可能にすることを目指す、DeFi プロジェクトです。
オンド(ONDO)の特徴
オンド(ONDO)の特徴はの一つとして、その創設会社としてのOndo Financeと、非営利財団としてのOndo Foundationがあります。
名前が似ていますが、役割も立場もまったく違います。
Ondo Finance(オンド・ファイナンス)
前号でご紹介したNathan Allman(ネイサン・オールマン)CEOが率いる、アメリカの株式会社です。
株式会社ですので、For-Profit=商業組織になります。
主な役割
RWA(実世界資産)のトークン化サービスの開発・提供など。
例)
USDY(Ondo US Dollar Yield Token:米国債トークン)
OUSG(Ondo Short-Term US Government Treasuries:オンチェーン米国政府債ファンド)
OMMF(Ondo US Money Marets:投資信託トークン)
など、TradFiとDeFiの橋渡しをする役割、これらについて、順を追って後述して行きます。
💡Ondo Financeがプロダクト開発を主導
Ondo Foundation(オンド・ファンデーション)
スイス拠点の非営利財団(Non-profit)で、いわゆる「エコシステムガバナンス組織」です。
主な役割
ONDOトークンの管理・配布、Ondoチェーンのガバナンス運営サポート、開発者コミュニティやエコシステム支援など。
プロジェクトの持続可能性、中立性を確保するのが目的になります。
💡Ondo Foundationは、
ONDOトークンの管理・コミュニティ支援
でプロジェクトを「脱中央化」へ主導
Ondo Finance(オンド・ファイナンス)のプロダクト

USDY(米国債トークン)
今回は、このプロダクトについて書いて行きましょう。
USDY(正式名称:USD Yield)は、Ondo Financeが提供する実世界資産(RWA)トークンです。
初期展開チェーンとしては、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、スイ(Sui)といった、マルチチェーン展開でしたが、現在は機関投資家向けの金融商品であり、スマートコントラクトや信託の仕組みは、イーサリアム(ETH)チェーンを基盤に構築されています。
米国短期国債(T-Bills)+銀行預金
その仕組みは、Ondo Financeが米国短期国債と銀行預金で裏付け資産を確保し、それをトークン化してUSDYを発行。
購入者はUSDYをスマートコントラクトによって、ウォレットで受け取り、保有するだけで利息が反映するというものです。
米国短期国債(T-Bills)
T-Bill(ティービル)とは、Treasury Billsの略で、一般的に米国財務省が発行する1年以内の割引債=短期国債のことを指します。
国庫の一般会計や特別会計の一時的な資金不足を補うためや、国債の償還に伴う借り換えのために発行される割引債になります。
米国の普通預金(Demand Deposits)
デマンド・デポジット(demand deposit)とは、預金者が銀行などの金融機関に預けているお金で、いつでも引き出しが可能な預金のことで、当座預金や普通預金などがこれに当たります。
USDYの構成比(目標)
USDYの裏付け資産(米国短期国債+預金)の構成比は固定ではなく、目標レンジに基づいて柔軟に調整されています。
構成目標は「65%預金:35%国債」
なぜ、銀行預金が65%なのか
USDYの持つ構成比の内、65%をDemand Deposits(銀行預金)で、残りがT-Bill(短期国債)で構成されているのには、理由があります。
Demand Depositは、要求払預金と言い、これは預けたらすぐに引き出せる現金扱いの預金のことで、銀行にある分は即時に資金化可能なものになります。
安定性と安全性
Demand Depositsはいつでも引き出し可能で、ユーザーの出金やリデンプション(※)にも対応しやすく、銀行の信用による信頼性や、国債に次ぐリスクの低さがあります。
また、短期国債(35%)には利回りがつきますが、流動性が低いので、流動性確保のため預金比率を高めているようです。
(※)リデンプション:Redemptionとは、「償還」という意味です。
即出金可能なのは全部?それとも65%?
結論から書きますと、65%の「Demand Deposit(銀行預金)」部分については、即時出金可能で、35%の「T-Bills(短期国債)」部分については、満期があるため、即時出金ではなく、数日〜数週間程度かかる可能性があります。
米国債は政府保証付きで超低リスクなのに加え、預金者が銀行などの金融機関に預けている銀行預金はいつでも引き出しが可能です。
流動性が高い銀行預金の高流動性と、米国債の裏付け資産の高安全性を組み合わせた商品、オンチェーン上で利回りを自動で得られる設計になっているのが、USDY(米国債トークン)です。

即時性(流動性)と安全性を担保する銀行預金がUSDYの設計
国債(35%)には利回りがつきますが、流動性が低いので、流動性確保のため預金比率を高めるわけですね。
3%以上の過剰担保
続いて、ここからは、USDY(米国債トークン)で確保される「3%以上の過剰担保(オーバーコラテラル:Collateral)」の仕組みについてです。
Collateralとは、担保のことで、オーバーコラテラルとは、貸付金額よりも担保価値が高い状態を指す金融用語になります。
具体的には、融資を受ける際に、担保として提供する資産の価値が、借りる金額よりも上回る状態のことです。
この状態は、貸し手のリスクを軽減するために用いられます。
なぜ、3%以上の過剰担保が必要なのか?
主な目的はリスク管理と価格安定です。
想定として、
1、価格乖離リスクの防止‥‥市場でUSDYの価格が1ドルを割らないように担保価値を確保。
2、預金や国債の価格変動や決済遅延リスクへの備え。
3、運用資産のマーケットタイミングによる下落に備えるため。
実際にUSDYを1ドルでいつでも償還できることを保証するために、
1USDY ≦ 担保資産バリュー÷発行量
となるよう必要があります。
オーバーコラテラル(Collateral)の仕組み
Ondo FinanceはUSDYを発行する際、
1USDYごとに約1.03ドル相当の資産を用意
することで、銀行預金65%と米国短期国債35%に加え、
余剰分(3%+)は、価格変動・利回り・流動性コストに備えて確保
している形になり、信頼性の高いステーブル資産として信頼を維持しています。
USDYの信頼度の維持
スマートコントラクト
スマートコントラクトについては、何度も触れていますが、ブロックチェーン上で動く「自動契約プログラム」のことです。
人の手を介さず、自動でルール通りに動くので、投資家がUSDYを返却すれば、スマートコントラクトが自動で資産に応じたドル額を返すといった処理をブロックチェーン上で自動で実行できるものです。
メリットとしては、不正ができない(改ざん不可)、手数料が低く、24時間いつでも利用でき、誰でもコードを確認できるという透明性があります。
トラスト口座
トラスト口座とは、中立的な第三者が管理する、資産を安全に保管するための口座のことで、「信託銀行」や「カストディアン(保管管理者)」に預けられた本物の米ドルや国債などの実資産が入っている口座のことになります。
例えば、アメリカに拠点を置く信託会社Ankura Trust Company(アンクラ・トラスト・カンパニー)が、USDY(米国短期国債+預金に裏付けられたトークン)の信託管理者として機能しています。
信頼の仕組み
ユーザーや投資家から受け取ったドル(USD)は、発行元のOndo Financeが直接持つのではありません。
代わりに、そのお金はAnkura Trust Companyなどが管理する「監査可能な専用口座(トラスト口座)」に分別保管されます。
信託会社は法律に基づいて、Ondo Financeや他の誰からも独立した存在なので、万が一、Ondo Financeが破綻しても、ユーザー資産が保護される仕組みになっています。
トラスト口座に保管されている資産は、定期的に第三者監査
監査と透明性
Ankura Trust Companyを通じて保管されている資産については、監査法人による定期的なレポート(例:Proof of Reserves)が作成されます
Ondo Financeや監査法人が「この資産はきちんと担保されています」とレポートを出すことで、透明性を確保しています。
安全性
USDYのスマートコントラクトに関わる重要な資金の操作(資産の移動など)は、Gnosis Safe(グノーシス・セーフ)を使った、「マルチシグ(複数署名)」によって管理されています。
Gnosis Safeは、イーサリアム(ETH)ベースのスマートコントラクトウォレットで、安全性と信頼性が非常に高い特徴があります。USDYは米国債などのリアル資産をトークン化しており、資産の裏付けや管理が非常に重要です。そのため、以下の理由でGnosis Safeが採用されています。
項目内容セキュリティ一人の署名者では操作不可(内部不正やハッキングリスク低減)透明性オンチェーン上で署名履歴が確認可能ガバナンスチーム・監査人・第三者などが署名者になっていることが多い
おわりに今回は、Ondo Financeのプロダクトの一つ、米国短期国債と銀行預金で裏付け資産を確保し、それをトークン化するUSDY
について、書きました。
次回も、Ondo Financeのプロダクトについて、書いていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。