大きく成長するカーボンクレジット市場とブロックチェーン技術①くりぷと知っ得情報(6月21日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

今回からは、今後大きなマーケットへと成長が見込まれる「カーボンクレジット(Carbon Credit)」とブロックチェーン技術による変革について書いていこうと思います。

その前に‥‥

そもそも、カーボンニュートラルとか、カーボンフリー、COP(コップ:Conference of the Parties)=「気候変動枠組条約締結国会議やSDGs(エスディジーズ)など、よく聞くけどあまりピンと来ないという方もいらっしゃるかもしれません。

自分を含めて(笑)‥‥

地球環境に関して世界でいろんな動きがあるんだな、多分‥‥国々の思惑もあるような‥‥

今回は、まずその辺りを整理していきたいと思います。

温室効果ガスを整理

私たちが生活する上で必要なエネルギーとして、石炭、石油、天然ガス等の化石燃料は、今から約2億年前の古い時代の植物が変化したもので、限りある資源です。

色も匂いもない二酸化炭素(CO2)は、温室効果といって地球の平均気温を上げる性質のあるガス(温室効果ガス)のひとつです。(※)

成分には炭素(C)が含まれており、燃焼によって、炭素と空気中の酸素(O)が結合するため、二酸化炭素(C02)が発生することになります。

(※) 温室効果ガスは大気中にわずかに存在しており、地球の平均気温は約14℃に保たれています。仮にこのガスがないと-19℃になってしまい、温室効果ガスはある程度は必要です。現在の地球温暖化の主な要因は、温室効果ガスが増え過ぎているということです。

現在、利用しているエネルギーの大部分はこれら化石燃料の燃焼によるもので、火力発電にも石油・石炭が使われ、私たちが電気を使用することも、二酸化炭素(CO2)を出すことにつながっています。

近年、化石燃料の大量消費と、さらにCO2を吸収する森林伐採によって大気中のCO2濃度が増えてきており、地球温暖化への影響が問題とされてきました。

また、生産の場、流通の場、販売の場でも、さらに廃棄物処理でもエネルギーが使われていることを考えると、二酸化炭素(Co2)の排出は人間が生きていく上で、避けられないことです。

二酸化炭素( CO2)だけではない温室効果ガス

温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)以外にも、湿地帯や家畜などから排出されるメタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)等もあります。

湿地帯の地下には、メタンを発生させるメタン菌が潜んでいますが、例えば、シベリアの湿地帯では水温が5℃以上になるとメタン菌が活動し始め、冬の間に溜まった枯れた植物が放つ酢酸や水素と反応して、メタンが発生します。温暖化が進むと、メタンも同時に増え、さらに温暖化を加速させることになります。(参考)

カーボンニュートラルという概念

最近よく耳にするカーボンニュートラル(※)は、CO2の「排出量と除去率・吸収率を中立させる」こと、温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするという考え方です。

(※)温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引いた合計がゼロとなる、実質0と同じという意味で、カーボンニュートラル=ネットゼロと記述することもあります。

カーボンフリーという概念

対して、カーボンフリーとは、CO2を含む温室効果ガスを全く排出しないことを意味します。

例えば、太陽光・風力・水力・地熱などの自然の力を利用したエネルギーをカーボンフリーエネルギーと言います。

カーボンフリーには、多くの課題が‥‥

カーボンフリーは、温室効果ガスを全く発生しないという点で、救世主のようなイメージがありますが、反面、多くの課題もあります。

例えば、太陽光発電のメガソーラ設置の際の森林破壊、風力発電の際の騒音やバードストライク(鳥の衝突)、ダム設置時の森林破壊など、開発時に自然環境を破壊してしまう課題があります。

また、安定したエネルギー供給が難しいという課題もあります。

今、世界が目指しているのは、カーボンニュートラルです。

2021年11月時点で、154カ国・1地域が、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを表明しています。

COP(コップ:Conference of the Parties)=「気候変動枠組条約締結国会議」

こちらもよく耳にするコップ(COP)。

コップ(COP)とは、「締約国会議(Conference of the Parties)」の略称で、「気候変動枠組条約」の加盟国が、地球温暖化に対する具体的政策を定期的に議論する会合のことです。

COPの歴史(要点を振り返る)

簡単にCOPの歴史、節目を振り返りましょう。

地球サミット(1992年)

リオデジャネイロ(ブラジル)で開催された、地球サミット。
持続可能な開発を目指すリオ宣言はじめ、諸条約の一つに気候変動に関する国際連合枠組条約「気候変動枠組条約」条約(UNBFCCC:地球温暖化防止条約ともいう)が採択(1994年発効)され、毎年COP(締約国会議)を開催することが決定概念的な取り決めにとどまり、温暖化について何をいつまでに、どうするところまでは踏み込んでません。

京都議定書/COP3(1997年)

日本(京都)で開催。

気候変動に対する国際的な取り組みを定めた条約。世界各国が協力して地球温暖化を防止するため、先進国の温室効果ガス排出量を減少させることを目標として、1997年に採択。

重要なポジションにいたアメリカ・ロシアが参加を見送ったため、1997年の採択以降も京都議定書はしばらく発効されず、2004年に、ロシアが京都議定書を締結したことで、2005年に京都議定書は発効しました。

京都議定書は、2020年までの温暖化対策の目標を定めたもので、温室効果ガスの排出量削減の努力は先進国のみでしたたが、温室効果ガスの排出枠をお金で買ったり、あるいはその後の対策で帳尻を合わせることが求められる義務であり、法的拘束力、排出量取引、CDM(クリーン開発メカニズム)、共同実施といった3つの取り組み「京都メカニズム」(※)という法的拘束力(※)を持つものでした。

主要経済国(アメリカ・中国等)の不参加による不公平という観点から、日本は2013年以降、離脱しました。

(※)京都メカニズムとは

 

排出量取引

温室効果ガスの排出枠が余った先進国と、排出枠を超過した先進国のあいだで排出枠を取引できる制度

CDM(クリーン開発メカニズム)

先進国が途上国を技術・資金的に支援し、排出量削減に貢献した場合、途上国における削減量を自国の削減分から差し引ける制度

共同実施

先進国が他の先進国を技術・資金的に支援し、排出量削減に貢献した場合、他国での削減量の一部を自国の削減分から差し引ける制度

パリ協定/COP21(2015年)

2020年以降の温室効果ガス削減に関する世界的な取り決めで、京都議定書が先進国を義務の対象にしていたのに対して、途上国を含めた世界中の参加国が温暖化対策をするということを約束。
京都議定書と違い、パリ協定では各国が計画を立ててこれだけ温室効果ガスを減らしますという目標を提出することが義務で、その目標を達成することは義務とは書かれてません。
2016年に発効。
2021年6月には「欧州気候法」がEU理事会で採択され、パリ協定の目標達成に向けて公約した2030年排出量55%以上削減という目標が、EU域内で法的拘束力を持つものとなっています。

長期目標

世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。

できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる。

 

以上が、「締約国会議(COP:Conference of the Parties)」の簡単な経過です。

おわりに

京都議定書(COP3)を引き継ぐ形で、パリ協定(COP21)が発効しました。

米国トランプ政権時の2017年に、一旦米国は離脱しましたが、2021年に復帰。

世界では、京都議定書の「京都メカニズム」、そしてパリ協定からの流れを汲み、2050年のカーボンニュートラルに向けて動いています。

今回はここまでです。

次回からは、地球温暖化と深い関わりのあるSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)について。
SDGsの17目標を達成するためにも温室効果ガス削減に取り組むべきとされている背景、また、国が定める認定制度SBT(「パリ協定」が求める⽔準と整合した、5~10年先を⽬標として企業が設定する、温室効果ガス排出削減⽬標:Science Based Targets)、更には、企業が2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みを通じて経済成長を実現し社会システムの変革へ挑戦し協働する場=GX League(グリーントランスフォーメーション: green transformation)についても、書いていこうと思います。

お読みいただいて、ありがとうございました。