大きく成長するカーボンクレジット市場とブロックチェーン技術⑤くりぷと知っ得情報(7月19日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
いやぁ、暑いです。暑すぎます‥‥。
体調管理に十分お気をつけください。
先回までは、2050年のカーボンニュートラルに向けての、科学的知見と整合した目標SBT(Science-based target)と、世界的認定制度SBTi(Science Based Targets initiative)について、また、サプライチェーン排出量や関連するイニシアチブ、情報開示タスクフォース(専門チーム)のことを書いてきました。
前回までの記事
カーボンニュートラルに向けての、世界の動き
カーボンニュートラルとSDGs
SBTとSBTi、サプライチェーン排出量について
「RE100」「EP100」「EV100」というイニシアチブ、「TCFD」という情報開示タスクフォースについて
さて、今回からは、いよいよ私達に身近な話になっていきます。
というのは‥‥、
日本の企業の99.7%を占める中小企業が今後、SBT認定に向けてどう向き合っていくか‥‥
まだ、情報が降りてきてない内容について、書きます。
自分に関係ないって言ってる場合ではないからです。
各国の温室効果ガス削減目標
ここで、日本と世界主要国の暗室効果ガス削減の目標を見てみましょう。

日本政府は、2020年の菅政権で2050年までに、温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを宣言しました。
さらに、2021年4月に、2030年度において、温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明しました。
二酸化炭素(温暖化効果ガス)排出実質ゼロ表明自治体
先月末時点で、973の自治体が、2050年までに二酸化炭素(温暖化効果ガス)排出実質ゼロを表明しました。
(46都道府県、552市、22特別区、305町、48村/表明自治体総人口1億2,581人)
環境省資料から
自分に関係ないって言ってる場合ではない‥‥ですよね。
中小企業版SBT認定
都道府県、市町村区などのこういった表明により、すでに脱炭素への企業の取り組みは、「企業の存続」や「成長戦略」に欠かせない必須要素となってくることは間違いないないようです。
むしろ、取り組まないリスクの方が大きくなりつつあります。
中でも、日本の全企業数のうち99.7%を占める中小企業。
SBTに取り組む企業は、SBTi(SBTイニシアチブ=運営事務局)に申請を行い、自社が設定した削減目標について「認定」を受けることができます。
SBT認定の取得は、投資家、顧客、サプライヤー、社員などのステークホルダー(利害関係者)に対して「サステナブルな企業である」ことのアピールにつながるわけです。
まずは始めることが大切、中小企業のSBT認証取得
ここまで、カーボンニュートラルに向けたイニシアチブや情報開示タスクフォースについて書きました。
中でも、SBTは、先回のくりぷと知っ得情報にも書きましたが、パリ協定の指標(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃抑える)に整合した企業が、独自に設定する温室効果ガスの排出削減目標にかかる認定で、世界で最も権威のあるイニシアチブです。
サプライチェーン排出量おさらい
SBTの削減対象は「サプライチェーン排出量」、すなわち、その企業自らの排出だけではなく、企業の事業活動に関係するあらゆる排出量でした。
排出量を排出の方法や主体で分類するときに用いられる区分が、
Scope1
自社による直接排出
Scope2
他社から供給された電力などの使用に伴う間接排出
Scope3
Scope1とScope2以外の、調達、製造、物流、販売、廃棄など、各段階での排出
でした。
加速する中小企業版SBT
SBT認定企業は、Scope3の排出量削減目標を設定する必要があります。
つまり、大企業と取引のある中小企業の排出量は、大企業にとってはScope3の排出量算定の対象となるため、中小企業にも排出量の算定、ひいてはSBT認定の取得の必要性が生じてくるというわけです。
この必要性をいち早く認識した企業が、次々とSBT認定の取得に動き出しています。
中小企業向けSBTの独自ガイドライン
SBTの認定を行うSBT事務局は、中小企業向けSBTの独自ガイドラインを設定しています。


通常のSBTと異なる点は‥‥
基準年と目標年があらかじめ定められている
削減対象をScope1、Scope2に絞っている
目標レベルをWB2℃か1.5℃から選ぶこと
認定費用が通常より安い
1,000USDT(日本円約140,000円税別)
承認までのプロセスが簡略化されている
具体的アクション
中小企業が環境対応の取り組みを進める際のポイントや、具体的なステップについては、金融機関や公的機関である産業経済振興センター等が支援機関として、セミナーを開催したり、窓口を開設しています。
しかし、サプライチェーン排出量の算出、コスト面からの費用対効果等、自社の状況の把握や、担当部署の不在等、二の足を踏んでしまう中小企業も多いと聞きます。
中小企業のSBT認定取得に関しては、サポートをしてくれる会社もあります。
例えば‥‥
もはや、自分に関係ないって言ってる場合ではないこの状況で、1日でも早く取り組むべき課題と言えそうです。
おわりに
今年に入ってから、私も応援しているコミュニティ、JAMDAOでも、カーボンクレジット事業を応援しようという動きがあります。
次回からは、いよいよ本題、カーボンクレジットとは、に言及していきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。