大きく成長するカーボンクレジット市場とブロックチェーン技術④くりぷと知っ得情報(7月12日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

先回は、2050年のカーボンニュートラルに向けての、科学的知見と整合した目標SBT(Science-based target)と、世界的認定制度SBTi(Science Based Targets initiative)について、また、サプライチェーン排出量について書きました。

前回までの記事

カーボンニュートラルに向けての、世界の動き

カーボンニュートラルとSDGs

SBTとSBTi、サプライチェーン排出量について

SBTへの参加は、企業の脱炭素の取り組みを「数値化」することで、「企業の強化」「脱炭素社会への貢献」を同時に実現することができます。

The Climate Group

さて、そのSBTiの他にも、The Climate Groupという協働イニシアチブがあり、それぞれ密接な関係性を持っています。

The Climate Group は、世界中の企業や政府の指導者と協力して気候変動に取り組む非営利団体で2004年に発足。

英国、米国、インドにオフィスを構え、再生可能エネルギーと温室効果ガス排出量の削減に焦点を当てたプログラムを実施しています。

簡単にまとめますと‥‥

RE100(100%Renewable Electricity)

RE100は、100%Renewable Electricityの略で、世界で影響力のある企業が、事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする協働イニシアチブです。

RE100日本参加企業(2023年7月現在)

(株)リコー、積水ハウス(株)、アスクル(株)、大和ハウス工業(株)、ワタミ(株)、イオン(株)、城南信用金庫、(株)丸井グループ、富士通(株)、(株)エンビプロ・ホールディングス、ソニー(株)、芙蓉総合リース(株)、生活協同組合コープさっぽろ、戸田建設(株)、コニカミノルタ(株)、大東建託(株)、(株)野村総合研究所、東急不動産(株)、富士フイルムホールディングス(株)、アセットマネジメントOne(株)、第一生命保険(株)、パナソニック(株)、旭化成ホームズ(株)、(株)髙島屋など80社

EP100(100%Energy Productivity)

EP100は、100%Energy Productivityの略で、事業のエネルギー効率を倍増させること(省エネ効率を50%改善等)を目標に掲げる企業が参加する国際企業イニシアチブです。

EP100は、The Climate GroupがAlliance to Save Energy(※1)、World Green Building Council(※2)のパートナーシップの下で運営しています。

EP100日本参加企業(2023年7月現在)

大和ハウス工業(株)、日本電信電話(株)、大東建託(株)、オムロン(株)、以上4社

(※1)ワシントンD.C.に拠点を置く企業、政府、環境、消費者グループの超党派の非営利団体です。同盟は、「社会と個人消費者のコストを最小限に抑え、削減するエネルギー効率化政策を提唱している」と述べています。

(※2)世界グリーンビルディング評議会=ネットゼロを見据え、建築および建設業界において、緑の建物、持続可能性に焦点を当てた実践を促進する非営利組織。

EV100(100%Electric Vehicles)

EV100は、100%Electric Vehiclesの略で、急速に成長する輸送部門において、輸送手段の電化(Electro-mobility)への主なソリューションを提供すると同時に、輸送に関わる大気汚染や騒音公害を抑えることを目的としたイニシアチブです。

EV100は、The Climate Groupが運営しています。

EV100日本参加企業(2023年7月現在)

イオンモール(株)、アスクル(株)、日本電信電話(株)、東京電力ホールディングス(株)、(株)髙島屋、(株)関電工、ニチコン(株)、以上7社

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)

TCFDは、Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略で、G20(※1)の要請を受け、金融安定理事会=FSB(※2)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、マイケル・ブルームバーグ氏(※3)を委員長として設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(※4)」です。

企業が気候変動のリスク・機会を認識し、経営戦略に織り込むことは、ESG投融資(※5)を行う機関投資家・金融機関が重視しており、TCFDの報告書においても、その重要性が言及されています。

環境省は、報告書を踏まえた民間の取組をサポートしていく姿勢を明らかにしていくため、TCFDに対して正式に賛同の意を表明しています。

(※1)G20(Group of Twenty)は、G7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7か国+EU=ヨーロッパ連合)に加え、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコの首脳が参加して毎年開催される国際会議。

(※2)金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)は、各国の金融関連省庁及び中央銀行からなり、国際金融に関する監督業務を行う機関。

(※3)マイケル・ルーベンス・ブルームバーグは、アメリカ合衆国の政治家、実業家。大手情報サービス会社のブルームバーグの創業者。

(※4)タスクフォースはもともと軍事用語で、軍隊がある特定の任務を遂行するために組む機動部隊(チーム)のこと。 ビジネス用語としては、組織内部で緊急かつ重要な課題を解決するために一時的に編成され、課題を達成した時点で解散となるチームを指し示す場合によく使われます。

(※5)ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字です。 環境や社会に配慮して事業を行っていて、適切なガバナンス(企業統治)がなされている会社に投資しようというのが「ESG投資」です。

おわりに

今回は、先回の「SBT認定」に続き、「RE100」「EP100」「EV100」というイニシアチブ、さらに「TCFD」と情報開示タスクフォースについて書きました。

次回は、カーボンニュートラルに向けた世界と日本の具体的目標値、さらに中小企業のSBT取得について書いていこうと思います。

お読みいただいてありがとうございました。