ブロックチェーンの相互運用性について‥‥COSMOS(ATOM)編④くりぷと知っ得情報7月10日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
連載でブロックチェーンの相互運用性(異なるブロックチェーン同士での送金・やり取りを可能にする技術:インターオペラビリティ)について、代表銘柄であるCosmos(ATOM)について書いています。
今回も、Cosmos(ATOM)のユーティリティ(有益性)や注目のプロジェクトについて書いていきます。


前号までのおさらい

Cosmos(ATOM)は、
◻︎2014年にJae Kwon氏によってアメリカで設立された、All in Bits, Inc.(通称:Tendermint Inc)
◻︎2016年にCosmosのビジョンを推進・資金提供するために、スイスで設立された非営利財団ICF(Interchain Foundation)
です。
コンセンサスアルゴリズムとして
・DPoS(Delegated Proof of Stake)を採用
・安全な合意を達成するためのTendermint BFT(Byzantine fault-tolerance:ビザンチン将軍問題に由来する障害に抵抗できるシステムの特性)を採用しています。
◻︎COSMOS(ATOM)編①/くりぷと知っ得情報6月19日号
独自の通信技術
として
2021年に開発されたCosmosの独自技術IBC(Inter-Blockchain Communication protocol)というCosmos独自技術で通信の規格を採用しています。
「Cosmos Hub」という中継地点とそこに接続する「Zone」構造は、「Zone」ひとつひとつと「Hub」が、IBCによって接続されているという構造をとっています。
さらに、「Peg Zone」というブロックチェーンがあり、Cosmos Hubと他のブロックチェーンネットワークを繋ぐ役割を担い、異なるブロックチェーンや暗号通貨間でのデータ交換や取引を可能にしています。
◻︎COSMOS(ATOM)編②/くりぷと知っ得情報6月26日号
ブロックチェーン開発キット
として

「Cosmos SDK」(Software Development Kit)を公開していて、比較的簡単なプログラミング言語でブロックチェーンを作る事ができます。
◻︎COSMOS(ATOM)編③/くりぷと知っ得情報7月3日号

Cosmosチェーンの可能性

コスモスには「クロスチェーン」という仕組みが備わっており、各ブロックチェーンを「Zone」という単位の中に配置し、中継地点となる「Hub」で繋いでいくことで、取引所を通さなくても暗号通貨同士を交換することを可能にしました。
また、「Cosmos Hub」によってブロックチェーン同士を繋ぐことにより、処理によって発生する負荷を下げることができれば、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)が抱えているスケーラビリティ問題を解決できる可能性があります。

引用:Cosmos公式サイト

ATOMのユーティリティ(有益性)

取引手数料

ATOMトークンはCosmos Hubのネイティブトークンで、Cosmos Hubでの取引手数料を支払う際に、ATOMが使われます。

ステーキング

Cosmos HubはATOMをステーキングするバリデーター(トランザクション(取引)を承認する人)により維持されています。
バリデーターはコンセンサスアルゴリズム(PoS)に参加して、報酬としてATOMを獲得します。

ガバナンストークン

Cosmos Hubのガバナンスシステム(運営・管理体制)にATOMが使用されます。
ATOMを多く保有するほど、より多くの投票権を持つことになります。

Cosmosで注目されるプロジェクト

dYdX

dYdXは、Cosmos SDK上に構築されたDEX(分散型取引所)です。
分散型取引所とは企業などの第三者が仲介に立つことのない暗号通貨取引所のことで、自分で資産管理をする必要がありますが、取引所が倒産したりハッキングされたりするリスクがないのが特徴です。
また、日本語に対応し、クロスマージンのパーペチュアル取引(※)が可能な分散型取引所です。

(※)クロスマージンとは、口座内の資産のすべてを証拠金として利用することが可能なこと。
パーペチュアル取引とは、有効期限のない先物取引のことで、ポジションを無期限に保有できるので、より取引の成功確率を挙げられます。

THORChain

THORChain(ソーチェーン)は、Cosmos SDK上に構築された、異なるブロックチェーン間で暗号通貨を交換するためのプロジェクト(DEX)になります。
2019年にBinance DEXの資金提供を受け、メインネットを2021年1月にローンチしています。
THORChainの独自通貨であるRUNEがベーススワップペアとなり、取引が行われます。

Osmosis

Osmosis(オズモシス)は、Cosmos Hubを使用した、DEX(分散型取引所)です。
ユーザー同士で直接暗号通貨を売買できるので、手数料が安いという特徴があります。
Osmosis(OSMO)は通貨の売買のときに支払う手数料や、取引所に通貨を預けて流動性を確保する、イールドファーミングの報酬としても利用されます。

おわりに

連載でブロックチェーンの相互運用性=ブロックチェーンをつなぐプロジェクトの代表銘柄であるCosmos(ATOM)について書いてきました。
Cosmosは開発しやすさ、および他のブロックチェーンとの相互運用性があることで、多くのアプリや金融サービスが構築されています。
海外取引所Binance(バイナンス)による独自チェーンの「バイナンスチェーン」は、Cosmos SDKとTendermintをもとに作られました。
他にも、トヨタファイナンシャルサービスが行った車両の所有権に関する実証実験にも、CosmosのTendermintが活用されています。
LINE株式会社が開発しているLINE BlockchainもCosmosをベースに構築されています。
さらに多くの大手企業や新興企業がCosmosブロックチェーンで開発を進め、本格的に採用されることが続くようになれば、Cosmosの普及とともに、そのネイティブトークンである暗号通貨ATOMについても普及していくことが想定できます。
今回は、ここまでです。
次回からは、Polkadot(ポルカドット)について、書いていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。