RWA銘柄ステラ(XLM)について②くりぷと知っ得情報6月4日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、RWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)について書いています。
RWAは、株式・不動産・金・国債などの金融資産=「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化する技術・概念のことになります。
🔶RWAが誕生した背景について
くりぷと知っ得情報2月26日号🔶RWAを支える技術=オラクル(Oracle)について
くりぷと知っ得情報3月5日号🔶RWA銘柄ステラ(XLM)の概要くりぷと知っ得情報5月28日号
ステラ(XLM)は、「誰でも簡単に送金・資産交換ができる世界」を目指すプロジェクトで、特に新興国での利用や金融包摂(貧困や差別などによって金融サービスから取り残され、経済的に不安定な状況にある人々が、基本的な金融サービスにアクセスできるようにする取り組みのこと)に強くフォーカスしています。
リップル(XRP)と似たビジョンを持ちながらも、非営利的でオープン性の高い姿勢が特徴です。
ステラ(Stellar)? ルーメン(Lumen)?
ステラ(Stellar)とは?
ステラ(XLM)とは、プロジェクト名、ネットワーク名、ブロックチェーンの名前のことです。
開発元は、Stellar Development Foundation(SDF)。
それに対し‥‥
Lumen(ルーメン)とは?
ステラ(XLM)ネットワーク上のネイティブ通貨(暗号通貨)です。
トランザクション手数料の支払い等で使われる、ステラ(XLM)上で動作する燃料(Gas代)的な役割になります。
つまり、ステラ(XLM)はシステム、ルーメン(XLM)はその中を流れるお金です。

(翻訳)
Stellarネットワークにルーメンが必要な理由
ルーメンの必要性は、Stellarネットワークの台帳システムの基本設計から生まれました。
端的に言えば、あまりにも使いやすすぎます。何らかの名目上の障壁やコストがなければ、台帳はスパムや無意味な情報で溢れかえったり、一種の恣意的なデータベースシステムのように使われたりする可能性があります。
こうした結果は、Stellarネットワークの目的である、高速で効率的な決済システムという理念に反することになります。
Stellarネットワークはデジタルマネーの普遍的なシステムであるため、人々がこれらの費用をドル、ペソ、人民元など、あらゆる通貨で支払えるようにすることもできました。
しかし、私たちはいずれも適切ではないと感じました。まず、ネットワークが特定の国の通貨を「優遇」するようなことは望んでいませんでした。
例えば、ネットワークがドルを使用すると、アメリカ人にとってはネットワーク価格が固定され、それ以外の人にとっては変動することになります。そしてさらに、私たちはインターネットのオープン性を受け入れ、経済的・政治的要因に左右されない、デジタルファーストの資産を作りたかったのです。
Learn STELLAR LUMENS(ステラルーメンを学ぶ)から抜粋
イーサリアム(ETH)がシステムで、イーサ(ETH)が通貨であるのと同じですね。
さて、ここからは、ステラ(XLM)の特徴について書いていきましょう。
Stellar Consensus Protocol(SCP)
Stellar Consensus Protocol(ステラコンセンサスプロコトル:SCP)は、ステラ(XLM)ネットワークのノード(取引データやブロックチェーン情報を保持・検証するコンピュータ端末たち)が、
「この取引は本当に正しい?承認していい?」
ということを全員で合意する仕組みで、「合意アルゴリズム(コンセンサス・アルゴリズム)」の一種です。
コンセンサス・アルゴリズムといえば、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)とPoS(プルーフ・オブ・ステーク)が代表的なアルゴリズム(※)として有名ですが、ステラ(XLM)の場合は、
「Stellar Consensus Protocol(ステラコンセンサスプロコトル:SCP)」
になります。

(※)
PoW(プルーフ・オブ・ワーク)ビットコイン(BTC)などのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)は、ネットワークで取引の正当性を確認し、ブロックを追加するための仕組みです。
参加者(マイナーと言います)は膨大な計算を競い合い、最初に正解を見つけた人が報酬を得てブロックを作成します。
この仕組みにより、不正が起きにくくなりますが、大量の電力と処理に時間がかかる点が課題とされています。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)イーサリアム(ETH)などのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)は、ネットワークでブロックの生成者を、保有している通貨の量や保有期間に応じて選ぶ仕組みです。PoWのような大量の計算は不要で、省エネかつ高速な処理が可能です。
通貨保有者がネットワークの安全性に責任を持つ形となり、不正行為には保有資産の没収などのリスクがあるため、経済的インセンティブで正当性が保たれますが、通貨を多く持つ人が有利になりやすく、権力が偏る可能性がある点が課題とされています。
Stellar Consensus Protocol(SCP)
ステラ(XLM)のStellar Consensus Protocolはエネルギー効率が高く、かつスピーディです。
そのキーワードは、
「投票」と「信頼の輪」。
Stellar Consensus Protocolは、
「信頼する相手の輪」を広げることで、早く・安全に合意を取る
ステラ(XLM)独自の“対話型コンセンサス”で、BFT(ビザンチン障害耐性)に基づく独自の合意アルゴリズムです。
以前、くりぷと知っ得情報で、BFT(ビザンチン将軍問題:Byzantine fault tolerance)について書きましたが、BFTは、「一部のノードが故障したり不正をしても、残りの正直なノードたちで合意できる仕組み」を指します。
ネットワークの一部が悪意を持っていても、全体の安全性や整合性を守れるのが強みでした。
では、何が独自の合意アルゴリズムなんでしょうか?
従来のBFT=Quorum
従来のBFTは、ネットワーク全体でノード構成が固定、全ノードが事前に知られている状態で、合意形成に全ノードの事前登録と同意が必要で、固定された少人数の信頼で全体が一つのQuorum(クォーラム)となって合意を得ます。
Quorum(クォーラム)とは定足数という意味で、ネットワーク全体が合意に達するのに必要な十分なノードの集合を意味し、全体でのコンセンサス形成の単位のことです。
💡Quorumは「全体で物事を決めるために必要なメンバーの組み合わせ」
SCPの革新=Quorum Slice
一方、SCP(Stellar Consensus Protocol)は、各ノードが信頼する相手を決め、重なり合いから合意を作るQuorum Slice(クォーラムスライス)という「信頼するノードのリスト」を形成し合意を作る、という柔軟で分散的な特徴を持っています。
その結果、ネットワーク構成がオープンで柔軟になり、Quorum Slice(クォーラムスライス)の重なりによって、ネットワーク全体がBFT的合意に至るというものです。
💡Quorum Sliceは「自分が合意に参加するために信頼している最小限のメンバー集団」
実例を挙げてみましょう。
Stellar Consensus Protocol(SCP)実例
SCP(Stellar Consensus Protocol)について、「音楽フェス実行チームが”メインアクトを誰にするか?”を決める場合」という実例で説明します。
音楽フェスのメインアクトを決める
この場合、
🔶ノード=プロデューサー、関係者
🔶Quorum Slice=各人が信頼してる他のプロデューサー、関係者
🔶コンセンサス(合意)=「このアーティストに決めよう」という全体の一致
です。
シナリオ
候補は:
①人気バンド
②ソロシンガー
③人気のDJ
でも、みんなで一斉に話し合って決める時間はない‥‥。
なので、「信頼するメンバーの意見に従う」スタイルで合意形成をします。
これがまさにSCP(Stellar Consensus Protocol)の考え方です。
Qurum Slice(クォーラムスライス)
プロデューサー | 信頼している相手(クォーラムスライス) | 発言ルール |
A | B、C | BかDが同意したら私もOK |
B | A、D | AかDが同意したら私もOK |
C | B、E | BかEが同意したら私もOK |
D | C、E | CかEが同意したら私もOK |
E | A、D | AかDが同意したら私もOK |
コンセンサス(合意)の進み方
1、最初にプロデューサーEが、"ソロシンガー"推しを表明。
2、Dが「Eが言ってるなら、自分も"ソロシンガー"でいいかな」と同意。
3、AはDを信頼してるので、「それなら"ソロシンガー"にしよう」。
4、BとCも自分のスライス(信頼する人)が"ソロシンガー"を支持しているので、"ソロシンガー"に同意。
5、全体として「ソロシンガーに決定」という合意が完成。
SCP(Stellar Consensus Protocol)は、
💡「信頼する関係者がOKと言えば、自分もOK」
その重なりでライブイベントのメインアクトが自然に決まる仕組です。
おわりに
今回は、ステラ(XLM)のコンセンサスアルゴリズムの特徴である、Stellar Consensus Protocol(ステラコンセンサスプロコトル:SCP)について、書きました。
次回は、その開発者等について書いていこうと思います。
お読みいただいてありがとうございました。