RWA銘柄ステラ(XLM)について④くりぷと知っ得情報6月18日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、RWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)について書いています。

RWAは、株式・不動産・金・国債などの金融資産=「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化する技術・概念のことになります。

🔶RWAが誕生した背景について
くりぷと知っ得情報2月26日号🔶RWAを支える技術=オラクル(Oracle)について
くりぷと知っ得情報3月5日号🔶RWA銘柄ステラ(XLM)の概要くりぷと知っ得情報5月28日号🔶RWA銘柄ステラ(XLM)の特徴
くりぷと知っ得情報6月4日号🔶RWA銘柄ステラ(XLM)の特徴と社会実装例
くりぷと知っ得情報6月11日号

ステラ(XLM)は、「誰でも簡単に送金・資産交換ができる世界」を目指すプロジェクトで、特に新興国での利用や金融包摂(貧困や差別などによって金融サービスから取り残され、経済的に不安定な状況にある人々が、基本的な金融サービスにアクセスできるようにする取り組みのこと)に強くフォーカスしています。
リップル(XRP)と似たビジョンを持ちながらも、非営利的でオープン性の高い姿勢が特徴です。
今回は、前回に引き続き、ステラ(XLM)の社会実装例、提携企業について書いていこうと思います。

ステラ(XLM)の社会実装の進捗

金融・テクノロジー大手との提携

Stripe(ストライプ)の戦略的支援

Stripeは、オンライン決済サービスを提供するアメリカのフィンテック企業です。
企業や開発者が自社のウェブサイトやアプリに簡単にクレジットカード決済などを導入できるようにするAPI(※)を提供しています。
2010年にパトリック&ジョン・コリソン兄弟によって創業され、現在では世界中のスタートアップから大企業まで広く利用されています。

API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアやシステム間で情報をやり取りするためのインターフェース(境界面、接点)の仕様で、自分のソフトウェアに他の機能を埋め込めるので、アプリケーション同士で連携することが出来るようになるものです。

ステラ(XLM)の採用背景

Stripe(ストライプ)は、2014年にStellar Development Foundation(SDF)に3,000,000ドルを融資し、創業期を支援しました。

Stellar Development Foundation(SDF)は融資の返済として、20億ルーメン(XLM)をStripeに提供しましたが、これは当時のステラ(XLM)総供給量(1000億XLM)の2%に相当します(※)。

2015年にステラ(XLM)ネットワークがローンチされた際、総額1000億XLMが発行されました。しかし、現在の総供給量は500億XLMで、循環している供給量は207億XLMです。
2019年、SDFは、通貨の供給量の半分以上を焼却(バーン)していると発表しています。

現段階での状況

Stripe(ストライプ)は約2%分のルーメン(XLM)を取得しましたが、SDFの返済後、さらに「売却利益はSDFへ寄付」され、非営利運営を継続という、再投資スキームになっています。

Stripeの出資により、ステラ(XLM)は大手テック企業の支援を得たという認識から、信頼性向上に繋がっています。

また、現在、SDFの公式メンバーリストには、StripeのCEO(最高経営責任者)のPatrick Collison(パトリック・コリソン)がアドバイザーとして名を連ねています。

Mastercardの「Crypto Credential(クリプト・クレデンシャル)」

Mastercardの「Crypto Credential」(クリプト・クレデンシャル)という、ブロックチェーン向けの本人認証と送金先確認の認証技術が、2024年10月からステラ(XLM)ネットワークに統合されています。

ステラ(XLM)の採用背景

「Crypto Credential」(クリプト・クレデンシャル)とは、

◻︎受取人のメールアドレス等を使った送金を可能にし、

◻︎「正しい相手か?その人はどの通貨を受け取れるか?規制要件に準拠しているか?」を裏側で自動検証し、

◻︎ユーザー体験を劇的にシンプルかつ安全にする仕組み

です。

ユーザーは複雑なウォレットアドレスの代わりに「簡単な識別子(例:メールアドレス)」を使うことができ、システムが裏側で「その相手が受け取れる通貨かどうか」、「規制(KYC/AML)に準拠しているか(※)」を自動で確認、誤送金や不正送金を防止し、安全なやりとりができる仕組みです。

(※)KYCは、「Know Your Customer」の略で、日本語では「本人確認」の意味。
AMLは、「Anti-Money Laundering(アンチ・マネー・ローンダリング)の略で、マネーロンダリング(資金洗浄)を防止するための対策のこと。

現段階での状況

現在、主要ウォレットで稼働が始まっています。

Coins.ph(フィリピン)

Coins.ph(コインズ・ピーエイチ)は、フィリピン発のモバイルファイナンス&暗号通貨ウォレットアプリで、2014年に創業されました。
その特徴は、
◻︎銀行口座不要でスマホから利用可能(電子財布機能)。
◻︎暗号通貨(BTC, ETHなど90種類以上)の売買、取引をサポート。
◻︎公共料金支払い、購入、送金、キャッシュイン〜アウトがアプリで完結 。
◻︎BSP(The Bangko Sentral ng Pilipinas)=フィリピン中央銀行の認可済み(暗号通貨交換業と電子マネー発行者ライセンス) 
◻︎ISO27001(※)取得でセキュリティ管理が国際標準に準拠。

(※)ISOは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、国際的な規格を制定する機関です。
ISO27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS:Information Security Management System)の国際規格になります。

Mercado Bitcoin(ブラジル)

Mercado Bitcoin(メルカド・ビットコイン)は、ブラジル最大級の暗号通貨取引所で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を始め、ステーブルコインなど多様なトークンを扱っています。

2024年10月に、ステラ(XLM)がMastercardのCrypto Credential技術を統合した際、Mercado Bitcoinはステラ(XLM)ネットワーク上でメールアドレス等を使った簡便・安全な送金を利用可能な第一波の取引所として紹介されました。

Wirex(イギリス)

Wirex(ワイレックス)は、イギリス・ロンドンを拠点とする暗号資産対応の決済プラットフォームです。

暗号資産と法定通貨をシームレスに利用可能で、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ステラ(XLM)、USDCなど多数の暗号通貨に対応の他、EUR(ユーロ)やGBP(ポンド)などの法定通貨とも簡単に両替や送金が可能となっています。

また、Visaカード(Wirexカード)を提供していて、暗号通貨で支払いが可能なプリペイドVisaカードを提供しています。

ステラ(XLM)ネットワークの導入により、効率化高速かつ低コストのトランザクションに加え、スマートで手数料が安く効率化を実現し、欧州、アジア太平洋、中南米などで利用可能になっています。

Wirex(ワイレックス)は、「暗号通貨を実生活で使えるようにする」というビジョンから、Stellar Development Foundation(SDF)とも協業してUSDC on Stellarなどを普及させています。
ステーブルコインUSDCの発行で知られるアメリカの金融テクノロジー企業Circle社は、今月ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たし、USDCを規制準拠型のデジタル資産として確立へ前進しました。
ステラ(XLM)はイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などに次ぐ主要チェーンとして位置付けられ、Circle社のマルチチェーン展開計画の中核となっています。

おわりに

今回は、ステラ(XLM)と金融テクノロジー大手との提携例について書きました。
次回も、ステラ(XLM)の社会実装について書いていこうと思います。
お読みいただいてありがとうございました。