暗号通貨モネロ(XMR)について⑦くりぷと知っ得情報3月4日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズでプライバシー重視の分散型暗号通貨、「モネロ(XMR)」について書いています。

🔶モネロ(XMR)の概要と誕生の歴史
くりぷと知っ得情報1月21日号🔶モネロ(XMR)の創業メンバーと現在の中心メンバー(匿名多数)
くりぷと知っ得情報1月28日号🔶モネロ(XMR)の「テールエミッション」とは?
くりぷと知っ得情報2月4日号🔶モネロ(XMR)のマイニングにASICは要らない?
くりぷと知っ得情報2月11日号🔶モネロ(XMR)のハッシュアルゴリズム「RandomX」
くりぷと知っ得情報2月18日号🔶モネロ(XMR)の優位性について
くりぷと知っ得情報2月25日号

 

前号では、モネロ(XMR)の優位性について書きました。
 

モネロ(XMR)は、

ブロックチェーン上でありながら機密性を保てる 

といった特徴、利点があり、

「追跡されない現金のような暗号通貨」としての価値

が認められています。

 

一方‥‥、
 

デジタル社会では、KYC(Know Your Customer)認証やAML(Anti-Money Laundering:アンチ・マネー・ローンダリング)が強化され、資金の透明性が求められており、その環境下で、強い匿名性を持つモネロ(XMR)については

リスク、デミリットもあります。

KYC(本人確認)やAML(マネーロンダリング対策)については、こちら。
今回は、「モネロ(XMR)」について最終回になります。
「モネロ(XMR)」の匿名性がもたらすリスク、デメリットについて書いていきます。
 

監視が強まる時代におけるモネロ(XMR)のリスク・デメリット

先に書きましたように、デジタル社会ではKYC(本人確認)やAML(マネーロンダリング対策)が強化され、資金の透明性が求められています。

規制のリスク

各国政府は

🔹マネーロンダリング対策(AML)

🔹テロ資金対策

🔹脱税防止

を最重要視しています。

しかし、モネロ(XMR)は、これまで書いてきましたように、


「誰が」「誰に」「いくら送ったか」を追跡しにくい設計

です。

これは、監督当局から見ると

「管理しにくい資産」

という位置づけになります。

実際に、

一部の国や取引所で上場廃止(デリスト)や、取扱い制限

が起きています。

(国内では、Coincheck:コインチェックでも上場していましたが、金融庁の規制方針に基づき、2018年に上場廃止しています。)

モネロ(XMR)はプライバシーを守る強みがある一方で、

その匿名性ゆえに規制対象になりやすい

という構造的リスクを抱えています。

上場している取引所が限られると、

🔹売買量が少なくなる

🔹スプレッド(売値と買値の差)が広がる

など、モネロ(XMR)は「使う時は匿名」でも、

取引所で買う段階ではハードルが高くなりやすい通貨

となる可能性大です。

監視が強まる時代ほど、思想的価値と制度的リスクは表裏一体というわけですね。

機関投資家マネーが入りにくい

コンプライアンスを重視する大手機関投資家(ファンド・銀行・上場企業など)は、「規制リスク」の高い資産を避ける傾向があります。

ダークウェブとの関連報道

モネロ(XMR)は、かつて、違法マーケットやランサムウェア(※1)で利用されたということが報じられています。
🔹報道例1

ランサムウェアでモネロ(XMR)が選好されているという報道。

2021〜2022年のランサムウェア増加に伴い、複数の攻撃グループが モネロ(XMR)支払いを求めていた。(報道例1)

🔹報道例2

ダークウェブ(※2)市場での採用拡大を示す報道。

2025年のダークウェブ市場では、約48%の新規市場が、モネロ(XMR)支払いに対応していると分析(報道例2)

(※1)ランサムウェアは、Ransom(身代金)+ Malware(悪意あるソフト)の造語で、パソコンや会社のデータを勝手にロック(暗号化)し、「元に戻してほしければお金を払え」と身代金(ランサム)を要求するウイルスのことです。

(※2)ダークウェブ(Dark Web)とは、私たちが、Googleなどのブラウザーで見る「ニュースサイト」や「YouTube」などは、「みんなが使う場所」なのに対し、特別な入り口やソフトを使わないと入れない、かくれた場所のことです。
政府の監視が強い国の報道記者とか、違法な物の売買など、プライバシーを守りたい人や悪いことに使われることが多く、匿名性を強く確保したインターネットの一部領域になります。
Tor(The Onion Router:トーア)という、通信を“玉ねぎの皮”のように何重にも暗号化し、世界中の複数サーバーを経由させることで、発信元を特定されにくくする仕組みです。

機関投資家マネーが入りにくい背景

大手機関投資家(ファンド・銀行・上場企業など)は、

🔹規制順守(コンプライアンス)

🔹透明性

🔹監査対応

などを最優先します。

しかしモネロ(XMR)は、取引履歴の追跡が困難な設計なところから、

🔶 「規制当局から説明を求められた時に対応しづらい」

🔶「AMLポリシーに合致しにくい」

という理由で、組織マネーが入りづらい構造になっています。

モネロ(XMR)は、

”個人のプライバシーを守る技術”として評価される

一方で、

匿名性の高さゆえに犯罪利用と結び付けられやすい面

で、機関投資家の慎重姿勢を招いてきました。

つまり、思想的な強みが、そのまま市場拡大の壁にもなっている、これがモネロ(XMR)の持つ二面性です。

将来的な規制強化のリスク

モネロ(XMR)のような強い匿名性を持つ暗号通貨は、今後の規制環境によって大きな影響を受ける可能性があります。

各国政府は現在、

🔹マネーロンダリング対策(AML)

🔹テロ資金対策

🔹税務透明化

🔹資金移動のトラッキング強化

などを重要政策としています。

その中で、「追跡が難しい通貨」は監督が困難と見なされやすいのが現実です。

想定される規制強化の例

将来的に起こり得るシナリオとしては、

🔹取引所での上場禁止

🔹法人による保有制限

🔹送金時の追加報告義務

🔹特定国での利用禁止

などが考えられます。

暗号通貨は「技術」だけでなく制度との相性にも大きく左右されます。

これは価格リスクになるのか?

今後、流通経路の制限が強化されると、

🔶流動性の低下

🔶投資家層の縮小

🔶市場参加者の減少

につながる可能性があります。

まとめ

モネロ(XMR)の強みである「匿名性」は、今後の規制環境によっては逆風にもなり得ます。
技術的優位性があっても、制度的な制約が強まれば市場は縮小する可能性があります。将来性を考える上では、
技術だけでなく規制との関係性も注視する必要があるのかもしれません。

おわりにここまで、モネロ(XMR)について、その優位性、またその匿名性からくる規制リスクがあることを書いてきました。
お読みいただき、ありがとうございました。