大きく成長するカーボンクレジット市場とブロックチェーン技術⑧くりぷと知っ得情報(8月9日号)

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

シリーズで書いています、カーボンクレジット。

今回からは、ボランタリークレジットについて、書いていきます。

カーボンクレジットの取引制度と仕組については、こちら

国が主体となって行なっているJークレジットについては、こちら

ボランタリークレジット

ボランタリークレジットとは、日本ではまだあまり馴染みが少ないですが、世界で広く使用されているクレジットす。

政府が主導しているクレジットとは違い、NGO(※)や企業、団体、個人などの民間が主導となったプロジェクトから発行されるクレジットであり、温室効果ガス(GHG)の削減または吸収量として扱うことができることから近年注目を浴びています。

ここで、まとめです。

(※)NGO(Non-governmental Organization)は非政府組織,NPO(Nonprofit Organization)は非営利組織の略称です。 どちらも市民が主体となり、営利を目的とせずに,課題を解決したり、よりよい社会をつくる活動を行う団体のことを指します。

民間事業者によるボランタリーなクレジットメカニズム

NGOや企業、団体、個人など、民間によって実際に利用されている代表的なボランタリークレジットとしては、次の4つが挙げらます。

VCS‥‥Verified Carbon Standard

GS‥‥Gold Standard

CAR‥‥Climate Action Reserve

ACR‥‥American Carbon Registry

実際に活用されているボランタリークレジットについて、全体の約80%を占める、

「Verified Carbon Standard(VCS)」と「Gold Standard(GS)」の2つを見ていこうと思います。

VCS(Verified Carbon Standard)

現在、世界で最も市場に流通している民間認証クレジットは、2005年にアメリカの民間企業団体によって設立された

Verified Carbon Standard(VSC)です。

VCSとは、温室効果ガス排出量を削減するプロジェクトに、クレジットを発行するためのカーボンクレジットメカニズムで、VCSは国際的なカーボンオフセット基準管理団体、アメリカのVerra(ベラ)によって開発・管理されており、世界中の様々なプロジェクトが認証を受けています。

「REDD+」(※)に代表される途上国の森林保全や湿地保全によるGHG排出削減プロジェクトなど、多種多様なプロジェクトが実施されていることが特徴です。

認証を受けたプロジェクトにはVCS事務局からクレジットが発行され、発行されたクレジットは「VCS Program Registry」で管理されます。

(※)森林の減少ないしは劣化の抑制を対象とするREDDに対し、森林減少・劣化の抑制に加え、森林保全、持続可能な森林経営および森林炭素蓄積の増加に関する取組を含む場合にはREDD+(REDDプラス)と呼ばれます。REDD+ : Reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation,
sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries
途上国における森林減少・森林劣化に由来する排出の抑制、並びに森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の増強 

Gold Standard(GS)

Gold Standard(GS)は、2003年にWWF(※)などの国際的な環境NGOが設立したボランタリークレジットでプロジェクトの「質」の高さに関する評価基準です。

京都議定書の中で導入された CDM(Clean Development Mechanism:クリーン開発メカニズム)は、その条文において、

温室効果ガス削減に寄与すること

ホスト国の持続可能な発展に貢献すること

この2つが目的とされています。

しかし、個々の CDMプロジェクトの実施において、それらの目的が確実に達成されるとは限りません。

Gold Standard(GS)は、 CDMプロジェクトが、本当の意味で環境保全上の利益を生み出すことを支援するために作られた基準となります。

プロジェクトが、気候変動防止と持続可能性により高い水準で貢献をし、結果としてより品質の高いクレジットを生み出すことを保証するというのが、Gold Standard(GS)の目的です。

持続可能な開発に貢献することを支援しており、買い手に対してはその「質」を保証しています。

(※)1961年の設立当初はWorld Wildlife Fund(世界野生生物基金)でしたが、その後、活動を野生生物の生息地を含めた環境の保全に拡大したため、1986年、名称もWorld Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)となりました。

おわりに

今回は、NGOや企業、団体、個人などの民間が主導となったプロジェクトから発行されるクレジット=ボランタリークレジットについて書きました。

次回は、カーボンクレジットの取引所、市場について書いていきます。

お読みいただいて、ありがとうございました。