RWA銘柄アバランチ(AVX)について③くりぷと知っ得情報10月15日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、RWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)について書いています。

RWAは、株式・不動産・金・国債などの金融資産=「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化する技術・概念のことになります。

🔶RWAが誕生した背景について
くりぷと知っ得情報2月26日号🔶RWAを支える技術=オラクル(Oracle)について
くりぷと知っ得情報3月5日号🔶アバランチ(AVX)のRWA=債権・クレジット商品(信用商品)編
くりぷと知っ得情報10月1日号🔶アバランチ(AVX)のRWA=国債・公債編
くりぷと知っ得情報10月8日号

前号では、アバランチ(AVX)が、「国債」という現実世界の資産をトークン化し、一般投資家等でも参入、購入できるようにしている点について、さらに、同様のプロジェクトOndo Financeとの違い等について、書きました。
今回は、「ステーブルコイン」におけるアバランチ(AVX)の取り組みについて、買いていこうと思います。
ステーブルコイン(Stablecoins)のステーブル(Stable)は、「安定した」という意味で、価格の安定性を実現するように設計された暗号通貨のことです。

ステーブルコイン発行のRWAにおける意味

USDCやUSDTといったステーブルコインは、現実のドル(USD)などを裏付けにして発行されますが、それは、「現金」というRWAをトークン化したものです。
これによって、ブロックチェーン上でも「実際の価値(法定通貨)」をやり取りできるようになります。
「ステーブルコインの発行」は、RWA(Real World Asset:現実資産のトークン化)の中心的な役割を果たしています。

アバランチ(AVX)上のステーブルコインの代表的プロジェクト

ここからは、アバランチ(AVX)上のステーブルコインで動いてるプロジェクトの具体例を、最近の情報をもとにいくつか共有させていいただきます。

アバランチ(AVX)×CCTP(Cross-Chain Transfer Protocol)

「CCTP(Cross-Chain Transfer Protocol)」とは、Circle社が開発した仕組みで、異なるブロックチェーン間で 「ネイティブUSDC」を直接やり取りできる公式プロトコルです。

Circle社

Circle社は、2013年に設立された、アメリカニューユークに拠点を置く金融会社です。
主な事業として、米ドルにペッグされたステーブルコイン、USDC(USD Coin)の発行と、その周辺の金融インフラを構築していて、その他にもブロックチェーンネットワーク、支払いサービス、トークン化資産、流動性サービスなどを提供しています。
2025年6月にニューヨーク証券取引所(NYSE)で 「CRCL」のティッカー(取引所に上場する銘柄の識別コード)で株式を上場しています。
USDCの発行において、Circleは常にドル準備金および短期米国債(Treasury 等)などの流動性資産で裏付けを保有するとされていて、完全準備(fully reserved)体制を表明しています。

CCTP

CCTP(Cross-Chain Transfer Protocol)はCircle社が開発した仕組みで、異なるブロックチェーン間でも、「USDC」を直接やり取りできる公式プロトコルです。
Circle社が直接管理する「USDC」なので、裏付け資産(米ドル準備金)が完全に保証されるので、アバランチ(AVX)上でも「法定通貨と同等の安全性」を持ったドルが使える点が、とても有意義になります。

例えば、イーサリアム(ETH)、アービトラム(ARB)、ポリゴン(POL)など間で、セキュリティリスクが懸念される「ブリッジ」を経由せず「USDC」をバーン(償却)&ミント(生成)して移動することができ、アバランチ(AVX)⇄イーサリアム(ETH)間の資金移動がより安全・スピーディーにできます。

チェーンリンク(LINK)の章で書いた「CCIP」と似ていますが、「USDC」をバーン(償却)&ミント(生成)して移動する点で違いがあります。


ネイティブのUSDCが、RWAトークンの購入通貨となり、利回り支払い通貨にもなり、ステーブル資産の担保として使えるので、アバランチ(AVX)上で、RWA→USDC→RWAの循環金融が実現することが可能です。

Avant Protocol(アバントプロトコル)


Avant Protocolは、アバランチ(AVX)ネットワーク上で動くDeFi(※)プロジェクトで、「ステーブル価値トークン」+「利回り型トークン」の組み合わせを提供する仕組みです。

(※)DeFiは、仲介者を必要としない金融サービス全般を指し「分散型金融」と訳されます。ブロックチェーン技術、主にスマートコントラクトと呼ばれるプログラムによって、銀行や証券会社を介さずに、ユーザー間で暗号資産の取引、貸付、借入、保険などが自動的に行われます。

avUSDとsavUSDavUSDとsavUSDは、セットで動く「安定トークン」と「利回りトークン」の関係にあります。

avUSD(Avant USD)「avUSD」は、アバランチ(AVX)ネットワーク上のステーブルコイン型トークンで、価値は1ドル前後で安定しているものです。
avUSD(Avant USD)には、USDC、USDTなどの安定資産が裏付けとして存在します。

🔹ユーザーが、スマートコントラクトを通じて、USDC(またはUSDT)などを預け入れると、Avantプロトコルがそれを担保としてロック。

🔹同等価値の「avUSD」が発行される。

🔹ユーザーが「avUSD」をバーン(償還)すると、担保のUSDC等が返還されます。

savUSD(Staking Avant USD)「savUSD」は、「avUSD」をステーキング(預ける)と、その代わりに受け取る「利回り付きトークン」です。アバランチ(AVX)ネットワーク上での流動性プール「savUSD/avUSDペア」が稼働中で、執筆時点で「savUSD」は、1savUSD=1.09avUSDくらいの比率で取引されています。
avUSD/sAVUSD運用の中身

①現実世界資産(RWA)‥‥T-Billなどで運用Avantが預かったUSDCやUSDTなどの一部は、Securitize(セキュリタイズ)などのRWAプロトコルを通じて、米国短期国債(T-Bill)などの安全・安定な実世界資産に投資されます。(参考)

②DeFi利回り運用‥‥オンチェーン運用
Avalanche上で、Benqi(ベンキ)(※1)やAave(アーべ)(※2)などのDeFiプロトコルに一部の担保資産を預け、ステーブルコイン貸出利息を得ています。

(※1)Benqi(ベンキ)は、アバランチ(AVX)上に構築された分散型レンディング(貸借)プロトコルで、アバランチ(AVX)初の大規模DeFiレンディングです。
仕組みとして、ユーザーが「USDC」などをBenqiに預け、他のユーザーがその資産を借りると、借り手が支払う利息の一部が、預けた人の報酬になるというものです。
ガバナンストークンは、QI(キューアイ)トークンです。

(※2)Aave(アーべ)は、世界最大級の分散型レンディング(貸借)プロトコルで、アバランチ(AVX)、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)など、多数のネットワークに対応しています。暗号通貨の貸し出し・借り入れ・ステーキングといった機能のほか、「フラッシュローン(無担保即時融資)」機能でも有名です。
ガバナンストークンは、AAVE(アーべ)トークンです。(参考)

具体例としては、
🔹「USDC」などをAave(アーべ)に貸し出して利息を得る。

🔹USDTをBenqi(ベンキ)にステークして報酬トークンを得る。

🔹一部を流動性プール(DEX)に供給してスワップ手数料を得る。

みたいに、ブロックチェーン上で自動的に利息が発生することで、国債より高めの利回りを狙うものです。ただし、米国短期国債(T-Bill)といった現実資産に比べ、リスクが伴うので①②の二本柱で運用しています。
整理すると‥‥

savUSDの利回りは、

「現実資産(RWA)+DeFi利回り運用」から生まれます。
ONDOのUSD vs AvantのsavUSD最後に、「米ドルを裏付けにした利回り付きRWAトークン」であるOndo FinanceのUSDYと今回書いたAvant ProtocolのsavUSDは、似ていますが仕組みとリスク構造に違いがあります。
次に、簡単に整理しました。項目ONDO:USDYAvant:savUSD基盤ネットワークイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、
アプトス(APT)などアバランチ(AVX)裏付け資産米国短期国債(T-Bill)+銀行預金T-Bill+DeFi運用利回り原資現実世界の金利(RWAのみ)RWA(T-Bill)+DeFi利回り想定年利約 5.0〜5.3%約 5〜8%(市場により変動)トークンタイプERC-20(USDY)アバランチ(AVX)トークン(savUSD)償還(換金)USDY→USDCに償還可能savUSD→avUSD→USDCで償還可能ONDOのUSDYOndo FinanceのUSDYは、完全に現実世界(RWA)ベースの米国短期国債を直接保有し、その金利を還元するトークン化債券なので、非常に「保守的で安全」 で、オンチェーン版マネーマーケットファンド(MMF)のような存在で、安全・安定・国債100%のRWA投資トークンです。

MMFとは、「預金より少しリスクを取って、少し多くの利回りを得る安全運用型ファンド」です。

AvantのsavUSD

Avant ProtocolのsavUSDは、アバランチ(AVX)上のDeFi利回りも組み合わせたハイブリッド型で、「RWA+DeFi」の両輪で利息を生むので、Ondo FinanceのUSDYよりリターンは高めだが、その分リスクもやや高いものになります。

おわりに「ステーブルコイン」におけるアバランチ(AVX)の取り組みについて、続きは次回です。
お読みいただきありがとうございました。