RWA銘柄アバランチ(AVX)について②くりぷと知っ得情報10月8日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、RWA(Real World Assets:リアル ワールド アセット)について書いています。
RWAは、株式・不動産・金・国債などの金融資産=「現実世界の資産」をブロックチェーン技術を使って、トークン化する技術・概念のことになります。
🔶RWAが誕生した背景について
くりぷと知っ得情報2月26日号🔶RWAを支える技術=オラクル(Oracle)について
くりぷと知っ得情報3月5日号🔶アバランチ(AVX)のRWA=債権・クレジット商品(信用商品)編
くりぷと知っ得情報10月1日号
前号では、アバランチ(AVX)が、債権・クレジット商品(信用商品)という現実世界の資産をトークン化し、一般投資家等でも参入、購入できるようにしている点について書きました。
今回は、「国債 / 公債分野」におけるアバランチ(AVX)の取り組みについて、買いていこうと思います。
AvalancheのRWAにおける「国債・公債」分野
アバランチ(AVX)のRWA(現実資産トークン化)では、「国債・公債(Treasuries)」の分野が特に注目されています。
Treasuries(トレジャリーズ)とは、アメリカ政府が発行する国債の総称で、政府が「お金を借りる」ために発行する借用証書のようなものです。
投資家はそれを買うことで、政府にお金を貸し、利息(利回り)をもらいます。
T-Billの種類(期間の違い)
種類 | 満期までの期間 | 呼び方 |
短期国債 | 1年未満 | T-Bill(Treasury Bill:財務省証券) |
中期国債 | 2〜10年 | T-Note(Treasury Note:財務省支払手形) |
長期国債 | 10年以上 | T-Bond(Treasury Bond:財務省債権) |
この中でも、アバランチ(AVX)は、「現物のT-Bill(短期国債)」をブロックチェーン上でトークン化しています。
T-Bill(Treasury Bill)は、アメリカ政府が発行する「満期1年以内の国債」=「借金の証書」みたいなもので、政府が発行したものを投資家が買い、満期に利息付きで返済されます。
アメリカ政府が元本を保証するもので、信用リスクがほぼゼロですから、年利4〜5%という現在の金利から世界中の投資家から人気の商品になります。
つまり、このT-Bill(Treasury Bill)を裏付けにしたデジタルトークンを発行し、このトークンはアバランチ(AVX)のブロックチェーン上で発行・保管・取引できるようになっているということです。
具体的な仕組み
それでは、短期国債(T-Bill)をトークン化して、ブロックチェーン上で運用する仕組み」について、説明します。

現実世界でT-Billを購入
「現物のT-Bill(短期国債)」の購入
まず、Securitize(セキュリタイズ)のような金融企業が、アメリカ政府が発行する「現物のT-Bill(短期国債)」を購入します。
Securitizeは、2017年にアメリカ・サンフランシスコで創業した、株式・債券・ファンドなどの現実資産(RWA)をブロックチェーン上でトークン化して発行・取引できるプラットフォームを展開しています。
米国証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)に正式登録済みの証券ブローカーで、Securitizeは、合法的に「証券トークン」を扱うことができる数少ない企業になります。
信託銀行やカストディアン(保管機関)にT-Billを保管
購入した証券は、通常、以下のような大手金融機関で保管されます。
🔹BNY Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)
🔹State Street Bank(ステート・ストリート銀行)
これらはいずれも「世界最大級のカストディアン(資産保管銀行)で、国債などの安全資産を厳格に管理していることで、
「現物のT-Bill(短期国債)」
が、
「オンチェーン資産の裏付け」
として存在することの証明をします。
T-Bill(米国短期国債)をトークン化
Securitizeは、米国証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)に登録されたデジタル証券発行プラットフォームのため、「現物のT-Bill(短期国債)」をもとに、「デジタル証券」としてアバランチ(AVX)上に発行できます。
「証券トークン(Security Token)」を発行
Securitizeは、アバランチ(AVX)のスマートコントラクト(※)を使い、「現物のT-Bill(短期国債)」の価値を反映したトークンを発行します。
実例として、
STBT(Securitize Treasury Bill Token)
STBTは、Securitizeが発行する「T-Bill(短期国債)を100%裏付けにしたデジタル証券」で、アバランチ(AVX)のブロックチェーン上で運用。
T-Bill(短期国債)の利息に基づき、年利5%前後の利回りで運用されます。
(※)スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で「あらかじめ決められた条件が満たされると、契約内容が自動的に実行される」プログラムのことです。
トークンが「投資家の証券」として機能
投資家はこのトークンを、Core Walletなどのアバランチ(AVX)ウォレットで保有可能で、利回りは定期的にUSDCなどのステーブルコインで分配されます。
トークンの裏付け保証
Securitizeは定期的に、
🔹保管中のT-Bill残高
🔹トークン発行量との一致
🔹信託銀行の確認書類
を監査機関を通じて公表します。
まとめると、
Securitizeは「現実の国債を持っている銀行側の役割」
アバランチ(AVX)は「それをデジタルで安全に取引できるプラットフォーム」
投資家にとっては、小口で国債利回りを得られ、ブロックチェーン上で取引可能なことが大きなメリットになります。
オンド(ONDO)と比較
今回、「米国短期国債(T-Bill)」をブロックチェーン上で扱っているアバランチ(AVX)について書きましたが、よく似た特徴のプロジェクト
オンド(ONDO)について、以前書きました。(参考)
どちらも「米国短期国債(T-Bill)」をブロックチェーン上で扱っていますが、アプローチ・目的・対象層がまったく異なるようです。
以下に、整理してみました。
項目 | アバランチ(AVX) | オンド(ONDO) |
主な提携先 | ||
裏付け資産 | 米国短期国債(T-Bill)、CLOファンド等 | 米国短期国債(T-Bill)、マネーマーケットファンド(MMF) |
トークン | STBT(Securitize Treasury Bill Token) | |
法的性格 | SEC登録済みの証券トークン(Security Token) | 一部は規制外or登録申請中(ステーブル+利回り型) |
カストディ | BNY Mellonなど伝統的銀行 | BlackRock 、Morgan Stanley系信託銀行 |
利用範囲 | アバランチ(AVX)エコシステム内の機関運用、流動性提供 |
アバランチ(AVX)=伝統金融とブロックチェーンの橋渡し役
オンド(ONDO)=DeFiユーザーが国債利回りを得る新しい形
おわりに
今回は、「国債・公債(Treasuries)」分野における、アバランチ(AVX)の取り組みについて、書きました。
次回は、ステーブルコインのエコシステムについて書いていきます。
お読みいただき、ありがとうございました。