ブロックチェーンのレイヤー2とは⑥くりぷと知っ得情報2月28日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、ブロックチェーンのレイヤー2について、書いています。
前回までの関連記事
◻︎くりぷと知っ得情報「ブロックチェーンのトリレンマとは」1月17日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ビットコインのレイヤー2」1月24日号
◻︎くりぷと知っ得情報「イーサリアムのレイヤー技術『ロールアップ』」1月31日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ロールアップの検証技術「Optimistic Rollups」2月7日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ロールアップの検証技術「ZK-Rollups」2月14日号
◻︎くりぷと知っ得情報「MATIC(Polygon)」2月21日号
今回も、イーサリアムのレイヤー2(セカンド)の代表的な銘柄について書きます。
Optimism(OP)
Optimism(OP)は、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンの上に構築された、レイヤー2ネットワークです。
Optimismは、非営利団体のOptimism Foundationによって、2019年に開発されたイーサリアム(ETH)のブロックチェーン上に構築されたレイヤー2ネットワークです。
レイヤー2ネットワークとは、イーサリアムのメインネットワーク(レイヤー1)で直接処理することなく、別のネットワーク(レイヤー2)でトランザクションを処理する方法です。
前回取り上げたMATIC(Polygon)は、Plasmaという、イーサリアムなどのルートチェーンとは別のチェーン(サイドチェーン)で取引を処理し、一部のデータのみをルートチェーンに返すことで、高い処理能力を実現するのに対し、Optimismは、メインネットワーク上に構築されOptimistic Rollup(オプティミステックロールアップ)を採用して、取引を高速化させています。

トークン名称 | Optimism(オプティミズム) |
ティッカーシンボル(通貨) | OP |
発行枚数 | 42.9億枚 |
コンサンセスアルゴリズム | PoS(Proof of Stake) |
価格(日本円) | 576.11円 |
時価総額ランキング | 34位 |
時価総額 | 約5,515億円 |
2024年2月27日現在、CoinMarketCap調べ
オプティミズムは、イーサリアムのレイヤー2として分散型アプリケーション(DApps)が安価な手数料で高速な取引を実現できるように設計されています。
2021年10月には、EVM(Ethereum Virtual Machine)と互換性のあるメインネットがローンチ(公開)し、同年、メインネットを一般公開しています。(EVMについては、別の機会に書きます)
OPは、DAOプロジェクトの運営や意思決定に関わるガバナンス投票に使用することができます。
また、レイヤー2の1年間のTVL(=Total Value Locked:資産量)を見ると、レイヤー2の需要が急上昇していることがわかります。

出典:L2BEAT
Optimismの特徴
取引を高速化するOptimistic Rollupを採用
Optimistic Rollupについては、2月7日号でも書きましたが、取引を高速化させる前提として、取引に不正がないことを前提としています。(オプティミズムは「楽観主義」という意味を持ち、不正を疑って検証しません。)
レイヤー2で処理されたデータは、一旦レイヤー1に書き込まれ、不正が見つからない限り、そのまま保存され、一定期間中に不正を検知した場合は、イーサリアムのメインチェーンに訴えることができます。
Fault Proofの導入による安全性の向上
昨年10月、オプティミズム(Optimism)の開発に携わるOP Labが「Fault Proof」の機能をテストネットの「OP Goerli Testnet」にローンチしたことを発表しました。

Fault Proofによってネットワークの信頼性が高まることで、より多くのユーザーや開発者がオプティミズム(Optimism)のエコシステムに参加する可能性も高くなると言われています。
Optimism Superchain構想
Optimismの公式サイトによると、これまでOPメインネットは約30億ドルのガス代を削減してきたものの、イーサリアムはまだインターネットレベルの処理能力には届かず、イーサリアムのエコシステムやアプリケーション、コミュニティを壊さないマルチチェーンソリューションが必要だとしています。

OptimismはOPスタックを使用して、Optimism Superchainの構想を展開しています。
OPスタック(OP Stack)とは、Optimismの技術に基づくオープンソース(※)のブロックチェーン開発技術提供のことです。
(※)オープンソース(Open Source)とは、新しい機能や修正に貢献することを想定して、ソースコードを無償で公開、再使用、改変、再配布しているソフトウェアです。
SuperchainとはOptimismが提唱するという概念であり、セキュリティ、通信レイヤー、オープンソースのOPスタック(OP Stack)を共有し、オプティミズムの技術を利用した、独自ブロックチェーン構築をサポートするソフトウェアです。

Superchain構想が実現すれば、イーサリアムネットワークは、さらに多くの取引を処理できるようになると思います。
OPスタックでのブロックチェーンシステムでは、誰もが新しいOPチェーンを追加でき、複数のブロックチェーンが効率的に動作し、また、イーサリアムと互換性があります。
おわりに
OPスタックを使用して開発されたL2チェーンの数は増えています。
例えば、くりぷと知っ得情報でも特集したOpenAIが開発する「Worldcoin」も、OPスタックを使用して開発されたレイヤー2チェーンです。
誰もが新しいOPチェーンを追加でき、開発者は自身のOPチェーンから手数料を受け取れる仕組みも考えられているようです。
今回もお読みいただいてありがとうございました。