ブロックチェーンのレイヤー2とは⑩くりぷと知っ得情報3月27日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、ブロックチェーンのレイヤー2について、書いています。
◻︎くりぷと知っ得情報「ブロックチェーンのトリレンマとは」1月17日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ビットコインのレイヤー2」1月24日号
◻︎くりぷと知っ得情報「イーサリアムのレイヤー技術『ロールアップ』」1月31日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ロールアップの検証技術「Optimistic Rollups」2月7日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ロールアップの検証技術「ZK-Rollups」2月14日号
◻︎くりぷと知っ得情報「MATIC(Polygon)」2月21日号
◻︎くりぷと知っ得情報「Optimism(Op)」2月28日号
◻︎くりぷと知っ得情報「Arbitrum(ARB)」3月6日号
◻︎くりぷと知っ得情報「Immutable X(IMX)」3月13日号
◻︎くりぷと知っ得情報「Mantle(MNT)」3月20日号
前回は、Mantle(MNT)マントルについて書きましたが、今回はStarkNet(STRK)スターク・ネットについてです。
StarkNet(STRK)
StarkNetはイスラエルに拠点を置くStarkWare Industriesが開発を進める、レイヤー2(セカンド)スケーリングソリューションです。
StarkWare社は2018年創業のユニコーン企業(※1)で、これまでにEthereum財団からの助成金1,200万ドルを含め2億7,300万ドル(約405億円)の出資を受けています。(crunchbase(※2)から)


(※)「創業10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」の4条件を満たす企業。ユニコーン企業の中で、評価額が100億ドルを超える企業は「デカコーン企業」、1,000億ドルを超える企業は「ヘクトコーン企業」と呼ばれます。
Crunchbase はビジネスに関する情報を提供する会社です。
コンテンツには、投資や資金調達の情報、指導的地位にある個人、企業ニュースなどが含まれます。
2024年3月26日現在、CoinMarketCap調べ
StarkNetは、2021年11月に「StarkNet Alpha(スタークネット アルファ)」という名前でメインネットが公開され、2022年2月に正式稼働しました。
Dapps(分散型アプリケーション)の開発者は、StarkNet上にCairo(カイロ)と呼ばれる独自言語を使ってDappsを開発する事ができます。
また、今後イーサリアムとの連携がより強化されていく事が発表されています。
StarkNetプロジェクトの特徴
StarkNetの開発会社は、先述のStarkWare Industriesですが、多くのレイヤー2プロジェクトに採用されているソリューションを開発しています。
StarkWareのソリューションを採用するプロジェクトは、
dydx(分散型取引所)、sorare(NFTゲーム)、Immutable X(レイヤー2ネットワーク)
などの有名プロジェクトが名を連ねています。
赤枠は、StarkWareのソリューションを採用するプロジェクト。↓↓


L2Beat(イーサリアムレイヤー2ネットワークのTVLランキング)から
StarkNet(STRK)の特徴
手数料が安い
ゼロ知識証明ロールアップを用いたレイヤー2のガス代は、イーサリアム・ネットワークを利用するよりも安く済むことがわかっています。
レイヤー2のガス代をランキング形式でまとめた海外サイトL2FEESでは、「Ethereum レイヤー 1 は高価です」というタイトルで、イーサリアムのレイヤー2ソリューション利用にかかるガス代などを公開しています。

トランザクション並列処理の実装
スタークネット財団(Starknet Foundation)は、2024年度のロードマップを公開し「トランザクションの並列処理」の実装予定を、3月20日に公開しています。

バージョンV0.13.2では、シーケンサー(※)におけるトランザクションの並列化(パラレル処理)を行います。
これにより、独立したトランザクションの同時実行が可能になり、複数のトランザクションを同時に行えるようになります。
Starknet財団のEli Ben-Sasson理事は、
バージョンV0.13.2よりボトルネックが解消され、より迅速かつ効率的に取引が行われるようになる。入口が1つだけの地下鉄の駅が、より多くの入口を開設することで混雑に対処するようなものだ。
と解説しています。
(※)シーケンサーとは、シーケンス(順番)を制御するコントローラのこと。
「トランザクションの並列処理」が実装されると、独立したトランザクションの同時処理が可能になるとのことで、今年第2四半期にV0.13.2として実装される予定です。
「トランザクションの並列処理」が可能にする事例として、異なるユーザーからERC-20規格のトークンが転送されてきた場合に、トランザクションの処理を順番に処理せず、同時に処理できると発表にて説明されています。
因みに「トランザクションの並列処理」が実装されている他ブロックチェーンには、新興レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」があります。
おわりに
現在同ネットワークの手数料はイーサリアム(ETH)ですが、「STRK」でも支払可能になる予定です。
最終的には「STRK」のみをサポートする体制への移行が予定されてます。