ブロックチェーンのレイヤー2とは⑨くりぷと知っ得情報3月20日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、ブロックチェーンのレイヤー2について、書いています。
前回までの関連記事
◻︎くりぷと知っ得情報「ブロックチェーンのトリレンマとは」1月17日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ビットコインのレイヤー2」1月24日号
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◻︎くりぷと知っ得情報「Immutable X(IMX)」3月13日号
前回は、Immutable X(イミュータブル・エックス)について書きましたが、今回はMantle(マントル:MNT)についてです。
Mantle(MNT)マントル
暗号通貨MNTは、Mantle(マントル)のガバナンストークンです。
そしてMantleとは、BitDAOからリブランディングしたプロジェクト「Mantle」が手掛けるレイヤー2のブロックチェーンです。
MantleはDAOとして運営され、Mantle Networkなどを開発しています。(※)
(※)DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、「分散型自立組織」と訳され、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織のことを言います。
そして、DAO組織の運営に関わる意思決定に関与するためのトークンをガバナンストークンと言います。
トークン名称 | |
ティッカーシンボル(通貨) | MNT |
発行枚数 | 60億枚 |
コンサンセスアルゴリズム | PoS(Proof of Stake) |
価格(日本円) | 123.68円 |
時価総額ランキング | 46位 |
時価総額(日本円) | 約3,945億円 |
2024年3月19日現在、CoinMarketCap調べ
BitDAOのBITトークンから派生
BitDAOは、大手取引所Bybitが支援するDAOです。
DeFi(分散型金融)関連プロジェクトに投資し、同分野の発展への貢献を目的としています。
BitDAOがMantleにブランド変更
2023年5月、BitDAOのリブランディングについてDAOで投票があり、可決しMantleが誕生し、BITトークンはMantleトークン(MNT)としてスタートしました。

BybitはBitDAOを継続的に支援しており、Mantle Network支援を表明しています。
CEOのBen Zhou(ベン・チョウ)氏は、Mantle Networkについて、「待ちに待ったBitDAOのレイヤー2です。BybitはBitDAO同様にMantle Networkをサポートします」とコメントを残しています。
BybitのローンチパッドでMNTが使用可能に

Bybitのローンチパッドでは、USDTと並んでMNTを使用可能であり、事実上の取引所トークンとして使われています。
取引所トークンとは、各取引所が発行する独自の暗号通貨で、保有者に対して、取引手数料の割引やIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)への参加権などの特典が付与されます。
代表的なものとして、BinanceのBNBがあります。
Bybitのローンチパッドは、Bybitに上場予定の暗号通貨を上場直前に購入できるサービスです。
取引所が主体となるローンチパッド(IEO)なので、詐欺プロジェクトを排除でき、暗号通貨プロジェクトにとっても投資家にとっても安心できる仕組みといえます。
Mantle(MNT)Networkの特徴
財産の規模で世界一
分析サイトDeFi Llama(※1)によると、Mantleは資産額世界一のプロトコル(3兆4730億万ドル)となっています。
潤沢な資産を使って各種DeFi関連プロジェクトに投資・支援しています。(※2)

(※1)DefiLlamaはブロックチェーンにおける分析ダッシュボード。
分散型金融(DeFi)のための最大のTVL(DeFiプロトコルに預けられた暗号資産の総価値)アグリゲーターです。
「aggregate(アグリゲート)」は、「集める」とか「合計する」「総計する」といった意味。
(※2)主な支援先として、zkDAO(イーサリアムレイヤー2開発)、EduDAO(大学などの教育支援)、PleasrDAO(NFTアートへの支援)、Game7(ブロックチェーンゲーム開発)、AfricaDAO(アフリカのWeb3.0支援)などがあります。
モジュラー式のブロックチェーン
モジュラー型ブロックチェーンは、ブロックチェーンの構成要素を、分業で行っていくムーブメントです。
ブロックチェーンの機能として、大事な4大要素(実行・決済・コンセンサス・データ可用性)において、Mantle Networkはこのような形式になっています。
実行 | Mantle Network |
決済 | イーサリアム |
コンセンサス | イーサリアム |
データ可用性 | EigenDA |
ビットコイン、イーサリアム、ソラナのように1つのチェーンで全てを完結させるのを、モノリシック型と言い、Mantle Networkはいろんなレイヤーを得意なものに担当させて、合体させていくモジュール型を採用しています。
セキュリティ面で強化
Mantle Networkのベースは、イーサリアムのブロックチェーンです。
レイヤー1のブロックチェーンで非常にセキュリティが高いとされているイーサリアムのセキュリティの高さを継承しています。
高速かつガス代の安さ
Optimisticロールアップ技術を採用することで、高速かつ安価なガス料金の取引を実現しています。
データ可用性レイヤーにEigenDAを採用
データ可用性(DA:Data Availability)とは、必要なデータをいつでも安全に使える状態に維持することを言います。
イーサリアムなどのレイヤー1プロジェクト(モノリシック型)(※1)については、データ可用性レイヤーについても、イーサリアム独自のものを採用しているため、ガス代の高騰問題があり、開発者・ユーザーに対しても、決して友好的とは言えない状況でした。
Mantle Networkは、EigenLayerのEigenDA(※2)の技術を採用することで、このような問題に取り組んでいます。
(※1)モノリシック(monolithic)とは直訳すると「がっしりとかたまっている」「一枚岩のような」という意味です。 このことに由来し、ソフトウェア設計の際、部分的に分割をせず、全て同一のモジュールとして作り上げることをモノリシックな設計と言います。
(※2)Eigen(アイゲン)DAは、4 つの主要なDAレイヤー (Avail、Celestia、Ethereum、EigenDA)の一つです。Avail(アベイル)は、ブロックチェーン上のデータの可用性を高めることを目的として、急速に成長しているモジュラー エコシステムの一部ですが、Availに加えて、Celestia(セレスティア)やEigenDA など、同じ目標に向かって取り組んでいる他のデータ可用性 (DA)ソリューションがあります。ブロックチェーンのスケーラビリティを実現するために、さまざまなソリューションがさまざまな戦略と技術的パスを採用しているというわけです。
Dappsの開発が容易
Mantle Networkは、イーサリアムの技術がベースにあり、EVM(※)環境が整っています。
Web3.0のDapps(ブロックチェーンとスマートコントラクトを基に構築される、次世代の分散型アプリケーション)開発といえば、スマートコントラクトの実装が可能なイーサリアムですが、他のチェーンでEVM環境を整えることで、その常識を打ち壊しつつあります。
開発者にとって、イーサリアム上で開発したDappsの移行が比較的簡単なMantle Networkの需要も高まっています。
(※)EVMは、イーサリアム仮想マシンと訳されます。イーサリアムがDappsのプラットフォームとなるために必要な技術で、この技術によりスマートコントラクトの実装が可能になります。
おわりに
今回も、イーサリアムのレイヤー2銘柄について、書きました。
ビットコイン半減期というタイミングで現在、暗号通貨市場は一旦調整入り。
そんな中でも、クリプトスタディ(クリスタ)やJAMDAOで一緒に学んでいければと思う次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました。