ブロックチェーンのレイヤー2とは⑦くりぷと知っ得情報3月6日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。

シリーズで、ブロックチェーンのレイヤー2について、書いています。

前回までの関連記事


◻︎くりぷと知っ得情報「ブロックチェーンのトリレンマとは」1月17日号

◻︎くりぷと知っ得情報「ビットコインのレイヤー2」1月24日号

◻︎くりぷと知っ得情報「イーサリアムのレイヤー技術『ロールアップ』」1月31日号

◻︎くりぷと知っ得情報「ロールアップの検証技術「Optimistic Rollups」2月7日号
◻︎くりぷと知っ得情報「ロールアップの検証技術「ZK-Rollups」2月14日号
◻︎くりぷと知っ得情報「MATIC(Polygon)」2月21日号
◻︎くりぷと知っ得情報「Optimism(Op)」2月28日号


今回のくりぷと知っ得情報は、シリーズで書いているイーサリアムのレイヤー2(セカンド)の中でも、総額が最も多い「Arbitrum(アービトラム)」のことを書いていきます。

Arbitrumは、イーサリアムのレイヤー2プロジェクトの総資金ロック額の40%を占めており、いかに注目されている、そして既に利用されているプロジェクトかがわかります。

トークン名称

Arbitrum

ティッカーシンボル(通貨)

ARB

発行枚数

100億枚

コンセンサスアルゴリズム

PoS(Proof of Stake)

価格(日本円)

320.99円

時価総額ランキング

46位

時価総額(日本円)

約4,090億円

2024年3月5日現在、CoinMarketCap調べ

Arbitrum(ARB)

Arbitrum(アービトラム)の開発を手がけるのは、アメリカのニュージャージー州プリンストンに拠点を置き、2018年にスタートアップしたOffchain Labsです。

2019年4月にPantera Capitalをリードインベスターとして、370万ドル(5.5億円)の出資を受けてます。

Offchain Labsの共同創業者は、プリンストン大学のコンピューターサイエンス分野でつながる3名で、プリンストン大学の講義を書籍化した「仮想通貨の教科書」(原題:Bitcoin and Cryptocurrency Technologies)の著者も含まれます。

Arbitrum(アービトラム)の特徴

2種類のレイヤー2ブロックチェーン

Arbitrumには、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」という2種類のレイヤー2ブロックチェーンがあります。

Arbitrum OneはDeFi(分散型金融)プロトコルや、NFTでの利用に適している一方、Arbitrum Novaはブロックチェーンゲームとソーシャルアプリでの利用に特化しています。

ロールアップによる高速、低コストを実現

ロールアップは、トランザクション(取引)の一部をレイヤー1の外(レイヤー2)で処理した後、ひとまとめにしてレイヤー1に記録する技術ですが、Arbitrumのレイヤー2ブロックチェーンでは、そのロールアップの1種である「オプティミスティック・ロールアップ」が採用されています。

オプティミスティック(Optimistic)は日本語に訳すと「楽観的」で、オプティミスティック・ロールアップには、「基本的には不正はない」という楽観主義が前提でしたよね。

不正がないという前提で処理を行い、セキュリティの一部をレイヤー1、イーサリアムチェーンに担保してもらうことで、安全かつ高速・低コストでの処理を可能にしているというわけです。

ただしデメリットとして、万が一不正が発見された場合には、不正が行われた時点までの時系列の巻き戻しと、正しいデータへの差し替えが必要になるため、処理にそれ相応の時間を要することになります。

EVM(イーサリアム仮装マシーン)との互換性

EVMは、Ethereum Virtual Machineの略で、イーサリアム仮想マシンいう意味です。

簡単にいうと、スマートコントラクト(※1)を実行するために必要な、いわばプログラミング言語の翻訳機です。

Arbitrumの2つのレイヤー2ブロックチェーン、Arbitrum One、Arbitrum NovaはどちらもEVM互換性を有していて、イーサリアムで用いられるプログラミング言語「Solidity(※2)で書かれたソースコードを、修正なしで稼働させられます。

つまりイーサリアムチェーンを基盤として開発されたDApps(分散型アプリ)を、Arbitrumのレイヤー2ブロックチェーンへと容易に移植できるということです。

(※1)ある契約・取引について「特定の条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」といった、契約履行管理の自動化をスマートコントラクトと言います。

(※2)Solidityとはスマートコントラクトを作成するための機能を備えたプログラミング言語のこと。

DAOへ移行

Arbitrumは元々、開発元のOffchain Labsによって運営されていましたが、2023年3月に開発を支援するArbitrum財団から、DAO(分散型自律組織)による運営に移行することが発表されました。

Arbitrum DAOへの移行により、ガバナンストークンのARBが発行されることなりました。

ARBの保有者はDAOでの投票権を得ることで、Arbitrum OneとArbitrum Novaの運営の意思決定に参加することができるわけです。

ガバナンストークンのARBは、2023年3月23日に、一定の条件を満たしたArbitrumのネットワーク参加者へエアドロップされました。

おわりに

今回は、イーサリアム(ETH)のレイヤー2の代表格の一つ、Arbitrumについて書きました。

ビットコイン(BTC)が過去最高値(ATH)が更新した今、ブロックチェーンの進化は、これからもすごい勢いで変化していきます。

クリプトスタディ(クリスタ)と、クリスタとコラボするJAMDAOでも、少しずつでも学んでいくことができる環境を作っていけたらと思っています。

お読みいただいてありがとうございました。