暗号通貨の未来を拓くKaspa(カスパ)③くりぷと知っ得情報10月30日号

クリプトスタディ(クリスタ)の、水野です。
シリーズで、暗号通貨の期待銘柄「Kaspa(カスパ)」について書いています。
ビットコインに次ぐ民主的でフェアな暗号通貨Kaspa。
DAG(Directed acyclic graph/有向非巡回グラフ)構想を実現し、「PHANTOM」および「GHOSTDAG」プロトコルを実装するブロックチェーンに進化したKaspa。
今回は、ビットコインとKaspaの違いや、Kaspaのスタートの経緯について、書いていきます。
🔶Kaspa考案者とその最初の論文について。くりぷと知っ得情報10月16日号🔶Kaspaの、今日までの主な開発者、論文について。くりぷと知っ得情報10月23日号
KaspaのPoW(ビットコインとの違い)
高いスループット
Kaspaの「Proof of Work(PoW)」は、ビットコインのPoWと同様に、計算競争を資源としてブロックを生成し、ネットワークのセキュリティと合意形成を確保します。
ただし、Kaspaは「ブロックDAG(Directed Acyclic Graph)」構造を採用することで、ブロックが並行して作成され、パフォーマンスを犠牲にせずに高速な処理を実現します。
ビットコインのブロック生成が約10分を要するのに対し、現在Kaspaのブロックダグは1秒で1ブロック生成が実現しています。
🔶参考:くりぷと知っ得情報10月16日号
エネルギー効率の大幅改善
例えば、ビットコインの場合、ネットワークで一時的に有効だと認識されたものの、最終的なブロックチェーンの主なチェーン(長いチェーン)に含まれなかった「孤立ブロック(Orphan Block)」が発生します。
孤立ブロックは、マイナーがほぼ同時に異なるブロックを解決した際に生じ、孤立ブロックは正式なブロックとしてカウントされず、含まれていたトランザクションは再度次のブロックに含まれます。
一方、Kaspaは、通常のPoWでは無効になる「孤立ブロック」を排除し、すべてのブロックがネットワークのセキュリティに貢献するため、従来のマイニングモデルと比較して無駄が少なく、エネルギー効率の向上を図ることができます。
より優れたセキュリティ
ビットコインのPoW(取引データの暗号化やブロック生成)に使用されるハッシュ関数は、SHA-256を採用しています。
SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit)は、アメリカ国家安全保障局(NSA)が設計し、強力なセキュリティを提供するために採用されています。
SHA-256はビットコインのセキュリティと分散化の基盤として重要な役割を果たしています。
一方、KaspaのPoWは、Kaspa専用のハッシュ関数、「KHeavyHash(ケーヘビーハッシュ)」というアルゴリズムを採用しています。
「KHeavyHash」は、Kaspaの目的に特化して設計されていて、ビットコインのSHA-256よりもさらに高度なセキュリティを提供し、これにより、データ改ざんが難しく、二重支払いなどの不正行為を防止します。
さらに、このKHeavyHashの採用によって、さらにビットコインとKaspaと違いが明確になります。
🔶参考:くりぷと知っ得情報1月17日号
KHeavyHash採用による進化
マイニングの分散化
KHeavyHashは、GPU(グラフィック処理装置)で効率的に計算できるように設計されています。
GPUはGraphics Processing Unit(画像処理装置)の略であり、画像や映像の描画に必要な計算処理に適した半導体チップのことで、複数の計算処理を同時に行なう並列処理能力に優れ、近年はディープラーニング処理にも用いられています。
Kaspaのマイニングでは、KHeavyHashの採用により効率的に計算できるように設計されていて、ASIC(特定用途向け集積回路)による一極集中を抑え、マイニングの分散化を促します。(※)
(※)ASIC(エーシック)回路(Application-Specific Integrated Circuit)とは、特定の用途向けに設計・製造された集積回路のこと。
ビットコインなどのマイニングでは、SHA-256などの特定のハッシュアルゴリズムを高速に計算する必要があるため、ASICが広く使われています。
しかし、ASICの普及により一部の人々がマイニングを独占しやすくなるため、Kaspaなどの一部のプロジェクトではASIC耐性を意識したアルゴリズムを採用しています。
メモリの軽量化
Kaspaの高速ブロック生成をサポートするため、KHeavyHashはメモリ消費を抑え、効率的な計算ができるよう工夫されています。
処理の高速化
Kaspaのネットワークでは、毎秒ブロックが生成されるため、マイニング速度と効率が重要になりますが、KHeavyHashという設計により、その要件を満たすわけです。
🔶参考:くりぷと知っ得情報22年9月7日号
Kaspaは、ビットコインのセキュリティモデル(PoW)を維持しながら、高速なブロック生成とスケーラビリティを実現するよう設計されています。
これにより、ビットコインのようなセキュリティの高さを持ちながら、取引の遅延を大幅に改善しています。
両者は同じPoWのコンセプトを共有していますが、Kaspaはビットコインの限界を克服するための次世代型の技術を試みているということですね。
連続減衰モデルのKaspa
その、ビットコインとKaspaのPoWについて、大きな違いがもう一つあります。
それは、マイニングにかかるブロック報酬の減衰プログラムです。
以前、ビットコインの半減期について書きました。
ビットコインは、約4年に一度ブロック報酬が半減する半減期というプログラムで、動いています。
🔶最近よく耳にするビットコインの半減期について②/くりぷと知っ得情報23年10月11日号
連続減衰モデル
Kaspaは、ビットコインのように一定期間(約4年ごと)に一気に報酬が半減するのではなく、毎月徐々に減少する「連続減衰モデル」を採用しています。
Kaspaの半減期は、約1年でブロック報酬が半減するように設計されています。
この報酬減少は、毎月1%程度ずつ連続的に行われという「連続減衰モデル」という設計(※)になっています。
この「連続減衰モデル」によるメリットは、報酬が徐々に減少するため、市場への急激な影響を緩和し、価格の安定性を図ることや、ビットコインのようなマイナーの突然の報酬減少がないため、ネットワークのセキュリティとマイナーのインセンティブ維持を図ることができます。
さらに、供給の安定した減少は、プロジェクトの持続可能性を高め、長期的なエコシステムの成長につながります。
(※)ビットコインのマイニングが終了する(ビットコインの供給が終了する)する時期は、2140年頃というプログラムですが、Kaspaの供給が終了するのは、 あと13年後の2037年7月4日頃です。
以上、ビットコインとKaspaのPoWの違いについて、書きました。
さて、ここからは、Kaspaの現在のデータと、Kaspaがどのようにスタートしたかについて、書いていきます。
Kaspaデータ
ブロックチェーン名称Kaspa(カスパ)トークン名称Kaspa(カスパ)ティッカーシンボル(通貨)KASローンチ(公開)日2021年11月7日発行枚数(最大供給量)287億枚循環供給量(※)
87.22%(25,035,324,179Kas)
コンセンサスアルゴリズム
PoW(Proof of Work)
GOAST DAGプロトコル
価格(日本円)18.24円
世界時価総額ランキング29位
時価総額
約4566億円
2024年10月22日現在、CoinMarketCap調べ
(※)循環供給量とは、市場で流通し、公に取引されている暗号通貨の量。
株式市場で言えば、流通している株式に相当します。
Kaspaを育てたDAGLabs
Kaspaは、2013年の「GHOST(ゴースト)プロトコル論文」=「Secure High-Rate Transaction Processing in Bitcoin」以降、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とする、ブロックチェーン・暗号資産系プロジェクトへの投資に特化したベンチャーキャピタル=Polychain Capital(ポリチェーンキャピタル)の出資を受け、DAGLabs(ダグラボス)という研究開発チームを設立し、発展してきました。
DAGLabsは、高速でスケーラブルなブロックチェーン技術を研究・開発し、Kaspaのエコシステムを強化することを目指し、他のプロジェクトや研究者とも協力し、分散型技術の進化や、DAG技術の可能性を広げる大きな貢献を果たしました。
解散
DAGLabsはKaspaのローンチの2021年に解散しています。
Kaspaの現在の開発チームは、「ヨナタン・ソンポリンスキー(Yonatan Sompolinsky)氏、アビブ・ゾハール(Aviv Zohar)氏、ヨアド・レーベンベルク(Yoad Lewenberg)氏、シャイ・ウィボルスキー(Shai Wyborski)氏、マイケル・サットン(Michael Sutton)氏等に加え、DAGLabsの元メンバーから構成されていて、彼らはボランティアとしてKaspaに貢献しています。
DAGLabsは頭初、Kaspaのために資金調達を行いましたが、2021年に解散し、その知的財産権を放棄することで、Kaspaを「コミュニティ所有のプロジェクト」としています。
おわりに
今回はここまでです。
次回は、現在のKaspaの運営に関わるコミュニティについて書いていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。