次世代DEXで注目を集めるハイパーリキッド(HYPE)⑦くりぷと知っ得情報8月5日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、いま世界中のトレーダーから注目されている、ハイパーリキッド(HYPE)について、書いています。
🔶ハイパーリキッド(HYPE)の概要くりぷと知っ得情報6月24日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)がDEX市場のトップに立つまでの軌跡
くりぷと知っ得情報7月1日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)はなぜそこまで速いのか⁉︎
くりぷと知っ得情報7月8日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)の収益モデルの核心
くりぷと知っ得情報7月15日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)のトークンの使い道と価値の源泉
くりぷと知っ得情報7月22日号🔶HyperliquidはBinance(バイナンス)の代わりになれるのか?くりぷと知っ得情報7月29日号
前号では、Hyperliquid とBinance(バイナンス)の徹底比較をお届けしました。
今回は、Hyperliquidが一夜にして世界中の注目を集めるきっかけとなった「HYPEジェネシスエアドロップ」の全貌を深掘りします。
なぜ「史上最大級」と呼ばれたのか、誰がどれだけ受け取ったのか、そして価格はどう動いたのかを詳しく解説します。
Hyperliquidエアドロップ伝説~史上最大級と言われた理由
エアドロップとは?
暗号資産やブロックチェーン業界における、「エアドロップ(Airdrop)」の基本を説明します。
エアドロップ(Airdrop)とは、プロジェクトが無償でトークンをユーザーに配布する仕組みのことです。
企業にたとえると「株主優待」に近いイメージですが、株主でなくても「プラットフォームを使ったことがある人」が対象になる点が特徴です。
ただし一般的なエアドロップには問題があります。
VC(ベンチャーキャピタル:Venture Capital)や大口投資家が大量のトークンを受け取り、上場直後に売り抜けて一般ユーザーが損をする「VCダンプ」が頻繁に起きてきました。
ハイパーリキッド(HYPE)のエアドロップは、この構造を根本から覆したことで、業界に衝撃を与えました。
エアドロップ前夜〜誰も予想しなかった規模
2024年11月29日の発表直前まで、HYPEのエアドロップがどれほどの規模になるかは誰も知りませんでした。
当時、ハイパーリキッド(HYPE)のポイントプログラムに参加していたユーザーの多くは「少し報酬がもらえるかも」という程度の期待感でした。
ところが蓋を開けてみると、その規模は業界の常識を大きく超えるものでした。
ジェネシス(創世記)エアドロップの全貌
くりぷと知っ得情報7月1日号でも触れましたが、ジェネシスエアドロップの全貌について、基本データをまとめました。
配布の基本データ
2024年11月29日、ハイパーリキッド(HYPE)はネイティブトークン「HYPE」の大規模なエアドロップを実施し、暗号資産史上最大規模のコミュニティ配布として注目を集めました。
総供給量10億HYPEの31%(3.1億枚)を94,000アドレスに配布し、VC配分を排除した完全コミュニティ主導型の分配が特徴で、従来のプロジェクト平均(5〜15%)を大幅に上回る配分率を実現しました。(参考)
配布の仕組みはシンプルでした。
2024年10月15日までの累積ポイント(取引量に応じて貯まる)に基づいて配布量が決まり、ロックアップなしで即座に使えるという設計でした。
開始価格は1HYPE=約2ドル(約310円)でしたが、発表からわずか3日で約9.8ドルまで急騰し、約5倍に上昇しました。(現在ドル)
受取額の分布


指標金額・枚数最大受取額約198万枚(当時約5.9億円相当)平均受取額約2,881〜2,916枚(当時約86万円〜約400万円相当)(※)配布対象ウォレット数約9万4,000配布総額(開始価格ベース)約6.2億ドル(約970億円)(※)平均受取額の円換算は配布直後(約300円)と12月2日時点(約1,400円)の価格差によるものです。
「史上最大級」と呼ばれた理由HYPEのエアドロップが「史上最大級」と呼ばれる理由は、単に規模が大きかっただけではありません。以下の4つの点で業界の常識を覆しました。
①VCへの配分がゼロ最も衝撃的だったのがこの点です。通常の暗号資産プロジェクトでは、VCや創業者向けに総供給量の20〜40%が割り当てられ、一般ユーザーへのエアドロップは5〜15%程度がほとんどでした。HYPEはVCへの配分がゼロで、コミュニティへの直接配布が31%という、業界では前例のない設計でした。「本当に使ったユーザーだけが報われる」という設計思想が完全に実現された瞬間でした。
②ロックアップなしの即時配布配布されたHYPEは即座に使用・売却・ステーキングが可能でした。よくある「6ヶ月後に解放」といったロックアップ制限がなく、受け取ったその瞬間から自由に使えるという点も異例でした。
③エアドロップ後も上昇し続けた価格一般的に、エアドロップ後はトークンを受け取ったユーザーが一斉に売却するため価格が暴落します。これが「エアドロップダンプ」と呼ばれる現象です。
しかしHYPEは配布後も価格が安定し、むしろ上昇を続けたことで大きな話題となりました。2024年11月29日の開始価格2ドルから、2026年6月16日に史上最高値76.85ドルに到達まで、約38倍に上昇しています。
エアドロップで受け取ったHYPEを持ち続けていた人は、平均でも当初の約86万円分が約3,200万円に育った計算になります。
④公平な配布基準配布量は「実際にHyperliquidを使った取引量」で決まりました。
招待コードも、インフルエンサーへの優遇もなく、純粋に「どれだけプラットフォームに貢献したか」が基準でした。これが「真に公平なエアドロップ」として高く評価された理由です。
他の大型エアドロップと比較してみたHYPEエアドロップの規模感を理解するために、他の主要プロジェクトと比較してみました。
プロジェクトユーザーへの直接エアドロップVC配分ロックアップHYPE(Hyperliquid)31%(参考)なしなしUNI(Uniswap)15%(参考)あり(18%)あり(4年)ARB(Arbitrum)11.62%(参考)あり(17.53%)あり(4年)OP(Optimism)5%(第1回のみ)(参考)あり(36%)ありDYDX(dYdX)5%(参考)あり(27.7%)あり配布率・VC配分なし・ロックアップなしという3点すべてで、ハイパーリキッド(HYPE)が他を圧倒しているのがわかります。日本でも「億り人」が‥‥HYPEのエアドロップをきっかけに、日本でも「億り人(1億円以上の資産を得た人)」が続出したと報告されています。たとえば、クローズドアルファ(※)期間(2022年〜2023年10月)から参加していたユーザーの中には、最大198万枚を受け取ったケースがありました。
開始価格2ドルで計算しても約396万ドル(約5.9億円)相当で、現在の価格(約70ドル前後)では約1億3,860万ドル(約216億円)規模になります。また、平均2,881枚を受け取ったユーザーは、開始価格2ドルで約57万円相当でした。
2026年7月時点の価格(約70ドル)で計算すると約2,900万円相当(約50倍)に成長しています。ほんと、羨ましい限りです‥‥(※)クローズド(Closed)は、非公開の意味。アルファ版は開発の初期段階の試作品。対し、ベータ版は開発の最終段階のテスト版で、ほぼすべての機能が揃っており、一般ユーザーに公開して不具合の洗い出しや調整を行う段階。
エアドロップ後の市場への影響HYPEエアドロップは単にユーザーを豊かにしただけでなく、業界全体に大きな影響を与えました。
①DEXへの信頼回復FTX崩壊(2022年)以降、「中央集権型取引所は危ない」という意識が高まる中、HYPEエアドロップは、「分散型取引所でも大きな利益が得られる」という実例を世界に示しました。
②コミュニティ主導モデルの普及「VCなし・コミュニティファースト」というハイパーリキッド(HYPE)の設計思想は、後続プロジェクトの設計に影響を与え、「VCへの過度な依存を避ける」動きが業界全体で広まるきっかけになりました。
③新規ユーザーの爆発的増加エアドロップ後、ハイパーリキッド(HYPE)のユーザー数は、2024年末の約30万人から2025年末の約140万人へと急拡大しました。
「使っていれば報われる」という口コミが世界中に広がった結果です。まとめ
HYPEのジェネシスエアドロップが「伝説」と呼ばれる理由を一言でまとめると、「VC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)」 ではなく、実際に使ったユーザーが最大の恩恵を受けた、業界初の本格的なコミュニティ主導型エアドロップ」だったからです。規模の大きさ・公平性・ロックアップなし・エアドロップ後の価格上昇という4つの要素が重なったことで、暗号資産業界の歴史に残るエアドロップとなりました。
おわりに次号では、「ハイパーリキッド(HYPE)がウォール街を変える? ~株式・金・為替の24時間取引へ~」として、ハイパーリキッド(HYPE)が伝統的な金融市場に与える影響と、24時間365日取引可能な新しい金融の姿を探っていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。