次世代DEXで注目を集めるハイパーリキッド(HYPE)⑫くりぷと知っ得情報9月9日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、いま世界中のトレーダーから注目されている、ハイパーリキッド(HYPE)について、書いています。

🔶ハイパーリキッド(HYPE)の概要くりぷと知っ得情報6月24日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)がDEX市場のトップに立つまでの軌跡
くりぷと知っ得情報7月1日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)はなぜそこまで速いのか⁉︎
くりぷと知っ得情報7月8日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)の収益モデルの核心
くりぷと知っ得情報7月15日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)のトークンの使い道と価値の源泉
くりぷと知っ得情報7月22日号🔶HyperliquidはBinance(バイナンス)の代わりになれるのか?くりぷと知っ得情報7月29日号🔶「HYPEジェネシスエアドロップ」の全貌
くりぷと知っ得情報8月5日号🔶伝統的金融資産の24時間取引市場に進出するHyperliquid
くりぷと知っ得情報8月12日号🔶Hyperliquidとライバルたちとの比較くりぷと知っ得情報8月19日号🔶HYPEは2027年に向けてどこへ向かうのか
くりぷと知っ得情報8月26日号🔶HYPEの「5つのリスク」
くりぷと知っ得情報9月2日号

前号では、ハイパーリキッド(HYPE)の大きな可能性の一方、無視できない「5つのリスク」について、考察しました。

HYPE価格について、8月27日に86.84ドルと、最高値更新のアナウンスをしましたが、9月6日に89.6ドルと、また更新しましたね。

さて、今回は最終回。

HYPEの価値を長期的に支える「5つの柱」を整理、考察して、未来を総点検してみたいと思います。

HYPEの未来を支える5つの柱

シリーズ全体を通じて見えてきた、HYPEの価値を長期的に支える5つの柱を整理していきましょう。

①フライホイール収益モデル

7月15日号で詳しく解説したとおり、Hyperliquidの収益モデルは「使えば使うほどHYPEの希少性が高まる」という好循環(フライホイール)を生み出しています。

HYPEのバイバック率は、時価総額の年間約7%で、ETH(約1.5%)・BNB(約1.2%)の約4〜5倍という驚異的なペースで稼働しています。

さらに2026年8月26日から、ハイパーリキッド(HYPE)は、USDCの準備金運用益をHYPEの買い戻し(バイバック)、焼却(バーン)に充てる新制度「AQAv2」が加わり、年間1億3,500万〜1億6,000万ドル(約250億円)の新たな買い戻し原資が追加されました。(出典:CoinPost)

仕組みはシンプルで、Hyperliquid上に存在するUSDC(約50億〜55億ドル規模=約8800億円)を年率約3%で運用することで得られる利息(年間約1億5,000万〜1億8,300万ドル)の約90%が自動的にAssistance Fund(アシスタンスファンド)に送金され、HYPEの買い戻し、焼却に充てられます。

これにより年間1億3,500万〜1億6,000万ドル(約250億円)の新たなバイバック原資が生まれます。

焼却(バーン)の状況はリアルタイムで、

🔹CoinGlass HYPE Burn

🔹HYPEBurn.fun

といったサイトから確認できます。

②RWA(実物資産)取引という新市場

8月12日号で解説したとおり、2025年10月13日に稼働を開始したHIP-3(Builder-Deployed Perpetuals)により株式・コモディティ・指数の先物を24時間365日取引できる環境が整いつつあります。

2026年中頃時点でHyperliquidの取引量の約52%を占めるまでに成長したRWA取引(※)が、2027年に向けて75%に達すると予測されています。

これにより暗号資産市場の価格変動に依存しない安定した収益基盤が確立されれば、Hyperliquidは「暗号資産取引所」から「真の24時間グローバル金融インフラ」へと進化します。

米国の大手銀行シティグループ(Citi:Citigroup)は、トークン化証券市場が2030年までに5兆5,000億ドル規模に成長すると予測しており、Hyperliquidはその最前線に位置しています。(出典:Citi公式)

(※)RWA(Real World Asset:現実資産)とは、不動産や債券、金などの現実世界にある資産をブロックチェーン上でトークン化し、デジタル上の取引を可能にする仕組みです。

③ETFと機関投資家マネーの本格流入

8月26日号で解説したとおり、21Shares(※)が2026年5月12日にHYPEのETF(ティッカーTHYP:Nasdaq上場・手数料0.30%)を、Bitwiseが2026年5月15日にBHYP(NYSE上場・手数料0.34%)をそれぞれ上場させました。

米大手デジタル資産運用会社のGrayscale(グレースケール)と米国拠点の世界的な独立系資産運用会社VanEck(ヴァンエック)も申請中であり、機関投資家が規制された投資手段でHYPEに投資できる環境が着実に整備されています。

また、米系投資銀行のGoldman Sachs(ゴールドマンサックス)が2026年第1四半期に、Hyperliquid関連株への出資を開示したことも、ウォール街の本格的な関与を示す象徴的な出来事でした。(出典:MotleyFool)

HYPEのETFの資金流入状況は、hl.ecoや、Datawallet ETF Trackerでリアルタイムに確認できます。

(※)21Sharesは、2018年にスイスのチューリッヒで設立された、世界最大級の物理的裏付け型暗号資産ETP(上場投資商品)・ETFの発行会社です。

④米国規制対応という最大の追い風(カタイスト)

カタリスト(触媒)とは、投資の世界で「価格や状況を大きく動かすきっかけとなる出来事」のことです。

HYPEにとって2027年に向けた最大の追い風となりうるのが、米国への合法的な参入です。

HyperliquidはKYC認証(本人確認)なしで使える一方で、現在、米国居住者のアクセスをジオブロック(地理的アクセス制限)しています。

ですが、

2026年8月19日、トランプ大統領はホワイトハウスでの業界幹部との会合で

「CFTC(Commodity Futures Trading Commission:米国商品先物取引委員会)のマイク・セリグ委員長が、Hyperliquidを完全にコンプライアント(規制対応)かつ合法的な形で米国に持ち込むために懸命に取り組んでいると理解している」

と、発言しました。

この発言を受けて、HYPEは24時間で最大19%急騰しました。

翌8月20日にはCFTC委員長が「Hyperliquidのような取引所が米国で運営できる新しい規制区分の創設を検討している」と示唆しています。(出典:TheBlock、CryptoSlate)

ただしこの発言はCFTCの正式な承認ではなく、実現にはKYC認証の導入、レバレッジ制限など現在の強みの一部を犠牲にする可能性があります。

「完全にコンプライアントなHyperliquid」がどのような形になるのかは、まだ何も決まっていません。

また同じ8月19日、CoinbaseのBase AppがHyperliquidのパーペチュアル先物取引を統合し、米国・英国・カナダを除く世界中のユーザーに提供を開始しました(出典:FinanceMagnates)。

Coinbaseは、競合でありながらHyperliquidのインフラを活用するパートナーでもあるという、業界でも異例の関係が生まれています。

⑤HyperEVMエコシステムの拡大

7月8日号で解説したHyperEVMは、Hyperliquidを「単なる取引所」から「開発者が自由にアプリを構築できるエコシステム」へと進化させました。

Hyperliquidはもともと「パーペチュアル先物取引所」として生まれましたが、7月8日号で解説したHyperEVMの登場によって、その上に銀行・両替所・証券会社に相当するような「DeFiアプリ」が次々と構築されていて、Hyperliquidというプラットフォームが「取引所」から「金融エコシステム全体」へと進化していることを示しています。

たとえるなら、最初は「高速道路(パーペチュアル先物)」だけだったインフラに、「コンビニ(スワップ)」「銀行(レンディング)」「両替所(ステーブルコイン発行)」「ATM(流動性提供・ステーキング)」が次々と建ち並び始めたイメージです。

つまり「HyperliquidだけでDeFiのすべてが完結する」エコシステムが生まれつつあり、これがHyperliquidをただの取引所ではなく、暗号資産業界の金融インフラとして位置づける理由の一つになっています。

現在HyperEVM上では以下のようなDeFiアプリが稼働しています。

プロジェクトURL概要HyperLend(ハイパーレンド)https://hyperlend.finance HYPE・USDT・kHYPE(※)を預けて利息を得る HYPEを担保にUSDTを借りる ワンクリックでレバレッジポジションを作るFelix(フェリックス)https://felix.finance kHYPEを担保にfeUSD(ドルペッグのステーブルコイン)を発行する ステーキング報酬を受け取りながら同時に流動性を得られる 発行したfeUSDを取引・運用に使うKinetiq(キネティック)https://kinetiq.xyz HYPEを預けてkHYPEを受け取り、約2.37%の利回りを得る KinetiqをEarn Vault(アーンボルト) に預けて約5.37%の利回りを得る(複数のDeFiに自動分散) kHYPEをHyperLend・Felixの担保として活用するProjectX(プロジェクトエックス)https://www.prjx.com HyperEVM上のトークンを手数料0%でスワップ(交換)する 流動性プールに資金を預けて手数料収入を得る ポイントを貯めて将来のPRJXエアドロップに参加するHybra Finance(ハイブラファイナンス)https://www.hybra.finance ガス代ゼロで即時スワップする 集中流動性プールに資金を提供して高い手数料収入を得る HYBRをステーキングして週次のHYPE報酬を得る総括:ハイパーリキッド(HYPE)の未来をどう見るかこのシリーズ全体を通じて、ハイパーリキッド(HYPE)というプロジェクトの本質が見えてきたと思います。
「使った人が報われる」という設計思想の一貫性VCへの配分ゼロ、手数料の97%から99%をバイバック・バーンに充てる設計、ジェネシスエアドロップで31%をコミュニティに配布という実績は、すべて「取引所の利益をコミュニティに返す」という一つの哲学から来ています。2022年に11人のチームと自己資金だけで始めたプロジェクトが、この哲学を4年間一貫して守り続けてきたことが、最大の信頼の源泉です。
「暗号資産取引所」から「金融インフラ」への進化🔹HIP-3(Builder-Deployed Perpetuals)による伝統的資産の24時間取引。🔹HyperEVMによるDeFiエコシステムの拡大CoinbaseのBase Appとの統合。🔹ETFによる機関投資家の参入という流れ。これらは、Hyperliquidが「暗号資産ユーザー向けの取引所」という枠を超え、より広い金融市場のインフラになりつつあることを示しています。プエルトリコのビーチ沿いのアパートで、一人で自動売買プログラムを書きながらトレードをしていた男、Jeff Yan(ジェフ・ヤン)氏が2022年に始めたプロジェクトが、わずか4年でニューヨーク証券取引所(NYSE:New York Stock Exchange)の親会社、インターコンチネンタル取引所(ICE:Intercontinental Exchange)のCEO、Jeffrey Sprecher(ジェフリー・スプレッチャー)氏に「HyperliquidはNASDAQより規模が大きい」と言わせ、また、トランプ大統領が名指しで言及し、ゴールドマン・サックス(GoldmanSachs)が2026年第1四半期の保有開示書「13F」(※)で、HYPEを約2,940万枚保有するNASDAQ上場企業「Hyperliquid Strategies Inc(PURR)」の株式を約330万ドル(5.15兆円)相当取得していた事実は、それ自体がすでに歴史的な出来事です。(※)13Fとは、米国のSEC(証券取引委員会)が定めた機関投資家の保有株式開示ルールのことです。
「5つのリスク」と「5つの追い風」フライホイール収益モデル、RWA取引の拡大、ETFによる機関投資家マネー、米国規制対応、HyperEVMエコシステムという5つの追い風がすべて実現すれば、HYPEは現在の価格水準を大きく超える可能性があります。一方でアンロックによる売り圧力、規制リスク、競合の台頭という逆風も現実のものとして存在しますが‥‥。おわりにVCへの配分ゼロ、11人のチームと自己資金だけで4年間この哲学を守り続けてきた事実が、他のプロジェクトにはない信頼の源泉と言えます。
以上、ハイパーリキッド(HYPE)についてお読みいただきありがとうございました。