次世代DEXで注目を集めるハイパーリキッド(HYPE)⑩くりぷと知っ得情報8月26日号

クリプトスタディ(クリスタ)の水野です。
シリーズで、いま世界中のトレーダーから注目されている、ハイパーリキッド(HYPE)について、書いています。

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くりぷと知っ得情報7月15日号🔶ハイパーリキッド(HYPE)のトークンの使い道と価値の源泉
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くりぷと知っ得情報8月5日号🔶伝統的金融資産の24時間取引市場に進出するHyperliquid
くりぷと知っ得情報8月12日号🔶Hyperliquidとライバルたちとの比較くりぷと知っ得情報8月19日号

前号では、Aster・dYdX・GMX・Jupiterといったライバルたちとの比較を通じて、Hyperliquidが圧倒的なシェアを誇る理由を明らかにしました。

第10回では視点を未来に向けて、「HYPEは2027年に向けてどこへ向かうのか」を多角的に考察します。

現在地の確認

まず、現在の状況を整理しておきましょう。

指標数値現在価格(執筆時点)約80ドル前後史上最高値83.27ドル(2026年8月23日)時価総額ランキング暗号資産全体で9位流通供給量約2億5,300万枚(総供給量の約25.3%)次回アンロック2026年9月6日(コアコントリビューター向け)

ローンチ価格2ドルから83.3ドルまで約42倍という驚異的な上昇を記録したHYPEですが、2027年に向けてさらなる成長が期待される理由が複数存在します。

①ETFを通じた機関投資家マネーの本格流入

2026年最大のトピックの一つが、米国での現物HYPEのETFの上場です。
ETFは、「Exchange Traded Fund:上場投資信託」の略で、証券取引所に上場し、暗号資産Hyperliquidのネイティブトークンである「HYPE」の現物価格(または関連指数)に連動するよう運用される金融商品です。

21Shares(※)が2026年5月12日にHYPEのETF(ティッカーTHYP:Nasdaq上場・手数料0.30%)を、Bitwiseが2026年5月15日にBHYP(NYSE上場・手数料0.34%)をそれぞれ上場させ、わずか10営業日でHYPEの時価総額の1.04%に相当する資金を吸収しました。
これはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)の現物ETFを上回る異例のスタートダッシュで、100億円超の資金が流入しています。

(※)21Sharesは、2018年にスイスのチューリッヒで設立された、世界最大級の物理的裏付け型暗号資産ETP(上場投資商品)・ETFの発行会社です。

21SharesのTHYP

21SharesのHYPEのETFはティッカーTHYPで、2026年5月12日にNasdaqに上場しました。
手数料は0.30%で、FTSE Hyperliquid Indexに連動します。
FTSEは、Financial Times Stock Exchangeの略で、「フィツィ」と読みます。
FTSE Russell(フィツィ・ラッセル)は、ロンドン証券取引所グループ(London Stock Exchange Group:LSEG)傘下の世界的グローバル・インデックス・プロバイダー(※)で、株式や債券などの多様なベンチマーク指数(インデックス)を算出・提供しており、世界中の投資家や機関投資家が運用・リスク管理の基準として活用しています。
また、THYPのカストディアン(資産保管担当)は、3社の役割分担でHYPEを安全に保管・管理しています。

(※)インデックス・プロバイダーは、市場インデックス(指標)を開発、算出、管理し、そのデータを提供する専門企業のことで、投資信託やETF(上場投資信託)のベンチマークとして利用されます。

その3社ですが、

カストディアン
:Anchorage Digital Bank

Anchorage Digital Bank(アンカレッジ・デジタル・バンク)は、米国で唯一、連邦政府から正式な銀行免許を取得した暗号資産専門銀行です。
米系投資銀行のGoldman Sachs(ゴールドマンサックス)、米投資会社のKohlberg Kravis Roberts(コールバーグ・クラビス・ロバーツ: KKR)、米決済ネットワークシステムVisaなども出資しており、機関投資家向けの最高水準のセキュリティで資産を保管します。(参考)

カストディアン
:BitGo Bank & Trust

BitGo Bank & Trust(ビットゴー・バンク・アンド・トラスト)は、米の信託会社免許を持つ「適格カストディアン」で、最大2億5,000万ドルの保険を提供する機関投資家向けの暗号資産保管サービスです。
BlackRockのBUIDLファンドなど、世界最大規模の機関投資家向けファンドの保管も担っています。(参考)

アドミニストレーター(現金保管)
:Bank of New York Mellon

The Bank of New York Mellon (BNYメロン)は、世界最大の資産管理銀行の一つで、BlackRockのBUIDLファンドでも現金部分の保管を担う伝統的金融機関の雄です。
ETFが保有するHYPEの時価を毎日計算し「1口あたりの値段(NAV)」(※)を算出・公表するほか、投資家への報告・現金管理など日常的な事務処理全般を担います。(参考)

(※)NAV(Net Asset Value:純資産価値)とは、ETFが保有するHYPEの時価総額を、発行済みETF口数で割った「1口あたりの値段」のことです。
「今日時点でこのETFは1口いくらの価値があるか」を毎日計算して公表する作業で、投資家はこの数字を見て、ETFが適正価格で取引されているかを確認します。

このように、21Sharesは「カストディアンの分散化により、単一障害点のリスクを最小化する」という方針を採用しています。

項目

内容

ティッカー

THYP

上場取引所

Nasdaq

上場日

2026年5月12日

手数料

0.30%

カストディアン

Anchorage Digital Bank、BitGo Bank & Trust

BitwiseのBHYP

BitwiseのHYPEのETFはティッカーBHYPで、2026年5月15日にNYSE(New York Stock Exchange:ニューヨーク証券取引所)に上場しました。(参考)
手数料は0.34%で、自社内製のステーキングインフラを活用した初のHYPEのETFで、HYPEへの100%エクスポージャーを提供します。

「エクスポージャー」とは「どの資産にどれだけ値動きの影響を受けるか」という意味の金融用語で、「100%エクスポージャー」とは「HYPEの値動きをそのまま100%受ける」という意味です。

たとえば「50%エクスポージャー」であれば、HYPEが10%上がっても5%しか上がらない設計になります。

つまり、ここでは、BHYPを1口買うと、その資金がそのままHYPEの購入に充てられ、HYPEが10%上がれば、BHYPも約10%上がり、HYPEが10%下がれば、BHYPも約10%下がると言う意味になります。

項目内容ティッカーBHYP上場取引所NYSE(ニューヨーク証券取引所)上場日2026年5月15日手数料0.34%特徴自社内製ステーキングインフラ搭載

(参考)

またヨーロッパでも、Bitwiseが2026年4月9日にドイツのフランクフルト証券取引所(Deutsche Börse Xetra)にHYPEのステーキング型ETP(Exchange Traded Products:上場取引型金融商品)(ティッカー:BHYP)を上場させており、欧州の機関投資家向けの規制された投資手段としても整備が進んでいます。

Grayscaleの期待

米大手デジタル資産運用会社のGrayscale(グレースケール)も、HYPEのETFの申請(ティッカー:GHYP)をSEC(Securities and Exchange Commission:米国証券取引委員会)に提出しており、承認されれば機関投資家マネーの流入がさらに加速すると期待されています。

JPMorgan Chaseの期待、そして指摘

アメリカ・ニューヨークに本社を置く、世界最大級の総合金融グループJPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co.)では、2026年3月19日にマネージング・ディレクターのNikolaos Panigirtzoglou(ニコラオス・パニギルツォグル)氏率いるチームが「Hyperliquidは、暗号資産以外の投資家からも注目を集めており、24時間365日の原油先物取引市場として急速にトラクション(勢い)を獲得している」と報告書で言及しました。

特にイランとの紛争が週末に激化した際、米国シカゴの世界最大の先物取引所「シカゴ・マーカンタイル取引所(CME:Chicago Mercantile Exchange)が閉鎖している間に、Hyperliquid上のWTI原油先物取引が急増したことを指摘し、「このトラクションは今後も拡大し、コモディティ以外の資産にも広がるだろう」と結論づけています。(参考)

WTIとは、「West Texas Intermediate(ウエスト・テキサス・インターミディエート)」の略で、米国テキサス州で産出される軽質低硫黄の原油の銘柄名のことで、主に米国・北米の原油価格の基準となります。

世界の原油価格の基準(ベンチマーク)は主に2つ(2大原油)あり、もう一つは、英国北海のBrent(ブレント)。
世界の原油取引の約60〜70%はBrentを基準に価格が決まりますが、WTIは世界最大の原油先物取引所CME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ・マーカンタイル取引所)グループのNYMEX(ニューヨーク商業取引所)に上場しており、「世界で最も流動性が高い原油先物契約」として知られています。

ですが‥‥

2026年8月6日に、JPモルガン・チェースは「5月・6月に記録的な流入を見せたHYPEのETFへの資金流入が、7月・8月に大幅に鈍化した」と指摘しています。
規制対応済みの競合取引所の台頭が原因とされており、Hyperliquidが市場シェアを維持できるかどうかが今後のHYPE価格の重要な分岐点になりそうです。(出典:CoinDesk)

JPモルガン・チェースが指摘した「規制対応済みの競合取引所」については、次回書こうと思います。

②RWA(実物資産)取引量の爆発的拡大

2027年に向けて最も注目されている成長ドライバーが、RWA(Real World Assets:実物資産)取引量の拡大です。

2026年7月の分析によると、2027年までにHyperliquidの取引量の約75%がコモディティ・指数・個別株などの実物資産から生まれると予測されています。

これは2026年中頃の52%から大幅に拡大する見通しです。

この予測が実現すれば、Hyperliquidの収益基盤は暗号資産市場の価格変動に左右されにくくなり、より安定した手数料収入を確保できます。

それはAssistance Fund(アシスタンスファンド)を通じた、HYPEのバイバック・バーンの安定化にも直結します。(参考)

③HIP-4予測市場の完全パーミッションレス化

予測市場という新しい金融商品、HIP-4(Outcome Markets)が今年、2026年2月2日に発表され、同週にテストネットで稼働を開始し、2026年5月2日にメインネットで公開されました。(参考)

2026年7月20日、Hyperliquidは「HIP-4の拡張により、将来的に誰でも自由に予測市場を開設できるパーミッションレス(Permissionless)化を実現する」と発表しました。現在は予測市場の開設にバリデーターの承認が必要ですが、この制限が撤廃されることで、スポーツ・選挙・経済指標など多様なイベントの予測市場が爆発的に増える可能性があります。

これはHIP-3(Builder-Deployed Perpetuals)がパーペチュアル市場で起こした革命を、予測市場で再現することを意味します。新しい市場が増えるほど取引量が増え、手数料収入が増え、HYPEのバイバック・バーンが増えるというフライホイールが加速します。

④ネットワークのさらなる分散化

Hyperliquidは「完全な分散化」を長期目標に掲げており、2027年に向けて段階的な分散化が進む予定です。

バリデーター数は2026年5月に24人から27人へと拡張され、さらに将来的には50人以上への拡大が計画されています。
バリデーターが増えるほど、ネットワークの耐障害性と分散性が高まり、「少数のバリデーターによるネットワーク支配」というリスクが低下します。

また、伝統的金融インフラ企業との連携も着実に進んでいます。

Circle

USDC発行元のCircleは2026年5月にHyperliquidの技術的デプロイメントパートナー(※1)となり、USDC準備金収益の90%をHyperliquidに提供することに合意しました。(参考)

チェーンリンク(LINK)

チェーンリンク(LINK)は、HyperEVM(※2)に統合されており、2つの役割を担っています。

🔹一つ目は「異なるブロックチェーン間でデータや資産を安全にやり取りする橋渡し役(CCIP:CROSS-CHAIN INTEROPERABILITY PROTOCOL)」

🔹二つ目は「ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・株価・原油など外部の価格データをリアルタイムでHyperliquidに届ける仕組み(CRE:Chainlink Runtime Environment)」です。

これによりHyperliquidは、外部の正確な価格情報に基づいて取引・決済を自動的に行えるようになっています。(参考)

また2026年第1四半期には、チェーンリンク(LINK)が、SVR(Smart Value Recapture:スマートバリューリキャプチャー)をHyperEVMに導入しました。

SVRとは「本来プロトコルに戻るべき利益を、ボットに抜き取られる前に回収する仕組み」のことです。(参考)
具体的には、担保不足のポジションが強制清算される際に発生する利益「清算MEV」(Maximal Extractable Value:最大抽出可能価値)を、ボットではなくプロトコル側が回収できるようになります。

これによりHyperEVM上のDeFiプロトコルの収益性が向上し、ユーザーへの還元も増える設計になっています。

BitGo Bank & Trust

先述の通り、BitGo Bank & Trust(ビットゴー・バンク・アンド・トラスト)は、21SharesのHYPEのETF、THYPのカストディアンとして採用されており、機関投資家向けの安全な資産保管インフラを提供しています。

(※1)デプロイメント(deployment)とは、開発したシステムやプログラムをサーバーなどの本番環境に配置し、ユーザーが使えるプロセスのことです。
(※2)HyperEVMは、イーサリアム(ETH)の実行環境(EVM:Ethereum Virtual Machine)をHyperliquidのLayer 1ブロックチェーンにシームレス(seamless:縫い目や継ぎ目がない)に統合したものです。従来の独立したEVM実装とは異なり、HyperliquidのコンセンサスレイヤーであるHyperBFT内で動作し、統一された機能性を実現しています。

⑤トランプ大統領による公式支持と米国市場への参入2026年8月20日、トランプ大統領はホワイトハウスでの業界幹部との会合で「CFTC(Commodity Futures Trading Commission:米国商品先物取引委員会)委員長がHyperliquidを完全に合法的な形で米国に持ち込む作業を進めている」と公式に発言しました。
(出典:CoinDesk)。暗号資産取引所が大統領から名指しで支持された異例の出来事で、HYPEは最大41%急騰し、史上最高値83.27ドルを記録しました。また、翌8月21日にはCFTC委員長が「オンチェーンDEX向けの新しい規制区分を創設できる可能性がある」と示唆し、さらに8月25日にはHyperliquid Policy CenterがSEC(Securities and Exchange Commission:米国証券取引委員会)とCFTCにパーペチュアル契約の統一規制枠組みを求めるコメントレターを提出しました。(参考)(出典:CryotiTimes、CryptiSlate)
アナリストによる価格予測HYPEは2026年8月23日(日本時間8月24日)に史上最高値83.27ドルを記録しました。その後80ドル前後で推移しています。
ここでは、米国財務省が長期国債の買い戻し規模を20億ドルから最低40億ドルに倍増させると発表したことに起因するところが大きく、長期金利が低下してドルが弱まり、トレーダーがこれを「QE(Quantitative Easing)ライト(量的緩和に近い政策)」と解釈されたことで、リスク資産全体が上昇しました。
HYPEは同日のビットコイン(+6.20%)・イーサリアム(+9.51%)を大きく上回る+22%の上昇を記録し、トップ10銘柄の中で最大の騰落率となりました。複数の機関・アナリストによる2027年のHYPE価格予測をまとめてみました。
アナリストによる予測(抜粋)予測機関2027年予測レンジ平均予測価格Cryptopolitan97.01ドル〜125.82ドル108.93ドルCoinPedia40ドル〜105ドル75ドルDigitalCoinPrice非公開87.85ドルBTCC65ドル〜115ドル75〜90ドルCoinLore37.60ドル〜258.42ドル62.67ドル(ベース)

2027年の予測を全体的に見ると、強気シナリオでは97〜125ドル、中立シナリオでは75〜90ドル、保守的シナリオでは40〜65ドルというのが2026年8月時点のコンセンサスになっていますが、2026年8月23日に史上最高値83.27ドルを更新したことで、「2027年に100ドル到達」という予測が現実味を帯びてきており、予測市場では2026年末までの100ドル到達確率が51.5%と拮抗しています。予測はすべて参考値であり、投資アドバイスではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。おわりに今回は、視点を未来に向けて、「HYPEは2027年に向けてどこへ向かうのか」を多角的に考察してみました。
次回は、Hyperliquid投資のリスクについても、触れてみようと思います。 
お読みいただきありがとうございました。